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新型コロナ急増で医療崩壊したイタリア 医師が助かりそうな人だけを治療する「命の選別」が始まった

   イタリアの新型コロナの感染者数は16日(2020年3月)午前5時時点で2万4747人、死者数は1809人に上った。致死率で見ると約7.3%で、世界ワースト1位になっている。そのイタリアで今、「医療崩壊」が深刻になっている。各地で病床不足や病棟の閉鎖などが相次いでいるのだ。

   10日の『コリエーレ・デッサ・セーラ』紙には「この写真が私たちを助けようという呼びかけになれば」という見出しで、疲労困憊した看護師が防護服姿のままパソコンに突っ伏して寝ている写真が掲載された。また、9日の『イル・ジョルナーレ』紙は内部告発をもとに「人工呼吸器が足りず、助かる見込みのある者だけに挿管されている。医師が助ける人を選択する事態になった」と報じた。

高齢化世界2位のイタリアでは重症化する患者が多い

   なぜイタリアは深刻な医療崩壊に陥ってしまったのか。

   元厚生労働相の舛添要一氏は「初動の遅さもあります。でも背景には、EUでは財政赤字を一定以下に抑えないと叩かれるということがある。予算をカットせざるを得なかったイタリアでは医師を減らした。医療機関の整備をやめたので、しわ寄せがきた」と話す。イタリアではこの10年で2割の医療機関が閉鎖されたという。

   総合大雄会病院の後藤礼司医師はそのほかの理由を挙げる。「イタリアは65歳以上の割合が23%で世界2位の高齢化社会なので、重症化する人が多い。また、最初に軽症者を隔離するために病棟を閉鎖してしまったことも大きい。病院ごと隔離すると最終的にはICU(集中治療室)が不足してしまう」と話す。

   国山ハセン(TBSアナウンサー)「ちなみに65歳以上の高齢者が世界1多いのは日本で、28.5%です」

   キャスターの立川志らく「だけど日本は医療体制がしっかりしているということですよね。舛添さんが厚生労働大臣のときは?」

   舛添氏「12年くらい前、妊婦さんがたらい回しになって大変だったということで、マスコミが騒いでくれたので、11年ぶりに閣議決定を変え医師を増やすことをやった。医師の養成は10年がかりですから、よく見てやらないといけない」