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今どき?「職員同士の結婚、どちらか退職」 福井・池田町の暗黙ルール、弁護士「ハラスメントだし違法」とバッサリ

   「町の職員同士が結婚する場合、どちらかに退職を促す」という福井県の池田町役場の慣習が物議をかもしている。夫婦が上司に結婚の報告に行くと、どちらかが退職を決めるまで上司が退職をすすめるというものだ。

   池田町によると、これは1993年からの慣習で、採用時にも説明されることはない「暗黙のルール」だ。過去20年で3組ほどの夫婦が対象になり、2人とも役場に残った例はないという。

   6月の定例町議会では、丸石純一町議が「慣習を押し付けられることはパワハラであり、それをはね返すだけの力がなければ従わざるを得ない」と問題を取り上げた。町の職員組合も以前から撤廃するよう要望書を出しているが、町は「撤廃できない」と回答している。

撤廃できないのは「高給とると町民から批判受ける」...

   撤廃できない理由として、副町長は「町役場職員の給料は高いので、夫婦で高給を取ることに対して町民からの批判がある」「職員数72人という規模の中で、夫婦の配属があると大幅な制約になる」「過去に慣習を受け入れて退職した人がいるので、今更やめたら不公平」の3点を挙げた。

   古市憲寿(社会学者)「昔からあるルールなのかと思ったら、比較的新しいルールなのでびっくりしました。そもそも能力があるから採用されたわけで、能力は結婚した瞬間に消えるわけではない。実際に辞めるのは女性が多いでしょうし、すごく古臭いと思います」

   伊藤利尋アナ「労働者が守られていないような印象もあります」

   山田秀雄(弁護士)「昭和のお話のような感じで聞いていました。内規になっていれば、間違いなく違憲、あるいは違法で訴えられると思いますし、慣習で強制ではないから良いというのはハラスメントです。この制度はどう考えても違法だと思います」