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天理大ラグビー部クラスター、寮生活で一気に拡散。古市憲寿「実家で高齢者に広げるよりは安全」?

   各地で新型コロナウイルスのクラスター(集団感染)が発生している。原因はどこにあるのか。「とくダネ」は2つのケースを検証した。

   まずは、これまでに合計53人の感染が確認された天理大ラグビー部のケースだ。全部員168人のうち、30%が陽性となったが、昭和大学医学部客員教授の二木芳人医師は「感染はおそらく寮生活がメイン(の原因)で、練習ではないでしょう」と言う。

   寮では対策を取りながら、共有の食堂、風呂、トイレなどを使用し、部屋は相部屋で約1畳の部屋に最大4人が生活していた。二木医師は、相部屋で感染拡大したリスクが一番高いと指摘する。「寮での生活は四六時中一緒ですし、会話しないわけにはいかない。ここ(部屋)にいったん持ち込まれると簡単に広がりますし、それ以外の共用部分にも拡大していきます」というのだ。

   社会学者の古市憲寿は「確かに集団生活で感染を防ぐのは難しいが、考え方だと思います。例えば部員が全員実家で暮らしていてそこに高齢者がいる場合と、寮の中で若い世代が集団で暮らしている場合では、相対的に見たら寮生活の方が安全と言えるのではないでしょうか」と指摘した。

ライブハウス「対策よくても出演者の健康管理が一番問題」

   次のケースは広島市にあるライブハウス「club cream」で8人が感染したクラスターだ。

   この店では検温、消毒、マスク着用、名簿作成、換気などの対策をしており、店の責任者は「ライブハウス運営の見本になれるような感染対策をしたつもりだった」と話している。 二木医師は「お店側の対策としては良くやっています。ただ、少し前の新宿の小劇場のケースを鑑みてみると、換気が十分ではなかった。換気はしっかりやらないと、思っているよりも難しいんです。もう1つは出演者の方の健康管理です。今回も出演者の方の感染者が1番多いので、そこから広がった可能性もあります。楽屋や控室の広さも問題です」と話す。

   デーブ・スペクター(放送プロデューサー)「海外では、感染アドバイザーが店舗やスポーツチームをチェックしたり指示したりすることがマスト条件になっています。そこまでやらないと、やはり盲点はあるものです」