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ラグビー部で54人のクラスター発生の天理大学 ほかの学生たちに「教育実習受け入れ拒否」「バイト出勤停止」の差別

   ラグビー部で新型コロナ感染者54人というクラスターを発生させた天理大学の会見に、奈良県天理市の並河健市長が同席し「ラグビー部以外の学生全体に広がっている排除は差別につながり、社会の分断を招きかねない」と注意を促した。

   天理大学は会見で、教育実習の受け入れ先の学校から突然、受け入れ中止の申し入れがあったことや、学生がバイト先から出勤見合わせを求められる事例があることを報告。学生に対する不当な扱いをやめてほしいと訴えた。

学生の家族まで「出勤しないでくれ」と被害

   教育実習受け入れ側の言い分は、(1)文部科学省の通達で、今年は教育実習をしなくても単位が取れる、(2)生徒の保護者が不安になっている、(3)教育実習に来るならPCR検査を受けてからにしてほしいというもの。

   天理市ではPCRセンターを設置しており、ラグビー部員と接触が疑われる人は検査を受けられるように対応しており、学校側も「何とか検査を受けられるように手配したい」としている。

   このほかにも、天理大学の学生の家族が病院に行くと、「PCR検査を受けてからじゃないと診察できない」といわれた例や、父親が「リモートで仕事をしてくれ」といわれた例などを訴えた。

   小倉智昭キャスター「かつて、ある種の病気に対する差別があった時代があり、今はそういうことがなくなったと思っていたが、まだダメなんですかね」

   昭和大学医学部の二木芳人客員教授「奈良県はもともと感染者数が少なかったが、そこに一気にクラスターが発生して精神的ショックを受け、こういう対応になってしまっている可能性はある」

   新潮社出版部長の中瀬ゆかり「4月に京都産業大学でも同じようなことがあった。また繰り返している」

   若狭勝弁護士「アルバイトといえども正社員と同じ労働者である限り、出勤停止には正当な理由が必要。教育実習も同じように考えるべきで、ラグビー部員でもない教育実習生の受け入れ拒否の正当な理由にはなりえない」