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NHK『太陽の子』の特攻隊員役の三浦春馬。泣きそうになりながらも振り向かずに母・田中裕子のもとから立ち去る三浦の目の演技が秀逸だった。改めて彼の死を惜しむ

   コロナに感染し死亡した志村けんは、亡くなってからも彼を惜しむ声が絶えない。

   三浦春馬も死後、惜しむと同時に彼の演技者としての評価が高まっている。

   8月15日(2020年)に放送されたNHK『太陽の子』を見逃してしまったが、19日の深夜にたまたまNHKをつけると、再放送をやっていた。

   特攻隊員役の三浦が身体を壊して一時家に戻り、死ぬために再び戦地へ戻っていくシーン。生きては帰らない、そう覚悟した息子を、母親役の田中裕子が黙って抱くシーンだった。泣きそうになりながらもかろうじて堪え、意を決して振り向かずに立ち去る。三浦の目の演技が秀逸だった。

   改めて、彼の死を惜しむ。8月20日の深夜にも三浦と歌手のJUJUが司会する『世界は欲しいモノにあふれている』をNHKは放送していた。

   イランで生まれたが戦争で両親を失い、日本に来て女優としても活躍するサヘル・ローズが国の料理や国花のバラについて話す中、印象的な場面があった。

   サヘルの求めに応じて三浦が色紙にサインをするのだ。照れながら書いたサインは、サヘルが「ペルシャ文字に見える」といったほど流麗で、彼の感性の良さを感じさせた。

   8月27日が三浦の生前最後の放送になるそうだ。これは見逃せない。

  • 「太陽の子」の三浦春馬(NHKの番組ホームページより)
    「太陽の子」の三浦春馬(NHKの番組ホームページより)
  • 「太陽の子」の三浦春馬(NHKの番組ホームページより)

『半沢直樹』が絶好調だが、続編が遅れたのは堺の所属事務所が、堺に強烈なキャラクター色がつくのを嫌がったからだ

   さて、7年ぶりに続編が放送されている『半沢直樹』(TBS系)が好調である。長い空白期間。銀行員のイメージが当時とは異なり、エリ-トというより斜陽サラリーマン。主役の堺雅人に当時の輝きがないなどの理由で、私は、それほど視聴率をとれないのではないかと思っていたが、脱帽である。

   続編がなかなかできなかったのは、新潮によれば、堺が所属する田辺エージェンシーの意向で、堺に強烈なキャラクター色がつくのを嫌がったそうだ。

   それに、演出を務める福澤克雄監督との間で、演技のことで溝が生まれ、そのための和解に時間がかかったことも、延びた理由だという。

   前回は堺の「倍返し」が流行語にまでなったが、今回は香川照之が放った「施されたら施し返す。恩返しです!」が話題らしいが、私にはピンとこない。

   お次は、男を下げている2人を紹介しよう。1人は吉村洋文大阪府知事。

   「ポビドンヨードを含むうがい薬がコロナに効果がある」と、首長失格発言をして、うがい薬が店頭から消えてしまうという騒動を起こしてしまった。

   さらに、仲のいい『ミヤネ屋』の宮根誠司に、会見の1時間以上前にそのことを漏らしていたと、テリー伊藤に暴露されてしまったのである。

   あわてて、打ち消したが後の祭り。テリーに口止めしたのだろう、その後沈黙したままなのをいいことに、ツイッターで「ネット上での吉村インサイダー疑惑なるものは、名誉毀損になりますので、ツイートやリツイートは削除されるようお願いします。一線を超えるものは、然るべき対応をとります」と、脅しともとれる呟きをしている。

   文春は、吉村の問題発言はこれだけではないと報じている。リニア中央新幹線が静岡県知事の反対で大幅延長の可能性が出てきたとき、「自治権としてやり過ぎ」だと批判したが、「維新が目指す大阪都構想は、地方自治の力を強くする趣旨なので、真逆の発言です」(地元記者)

   また大阪府が重症感染者数で全国最多になっている。その理由を記者から聞かれると、「大阪は、できるだけ早めに気管支切開をして人工呼吸器をつけて命を救う治療を優先している」と会見で話した。

   だが、上昌広・医療ガバナンス研究所理事長は、「人工呼吸器をつける時点で、すでに重症であることを意味するので、理由になっていません」と批判する。政治家としての資質に欠けている吉村府知事に、大阪を任せておいていいのか。東京も同じだが。

小泉進次郎には職責に対する責任感がないのか。行くべきは靖国神社では重油流出のモーリシャスであるはずだ

   お次は小泉進次郎。7月26日に商船三井が運航する大型貨物船「わかしお」が、インド洋のモーリシャス島沖で座礁し、燃料の重油が約1100トンも流出してしまった。

   ここはモモイロバトなどの絶滅危惧種が多く生息し、美しいサンゴ礁やマングローブの林で知られる。この重油流出による海洋汚染は深刻で、生態系の回復には20年以上かかるといわれるそうだ。

   今回、インド人船長が逮捕され、過失があったと認められれば、賠償額は最低でも500億円にもなるという。現地政府は8月6日に環境緊急事態宣言を発令し、世界中に支援を求めた。

   テレビの映像を見ていても、湾岸戦争のときの「油にまみれた水鳥」を思い起こさせる。

   日本の商船が起こした重大な事故である。環境相として小泉は早速手を打ったのだろうと思いきや、フライデーによると、8月11日に現地入りした国際緊急援助隊はたった6名だったそうだ。

   それも任務は情報収集のみ。モーリシャス政府は「環境汚染で生じた損害に関して法的責任を追及する」と表明したが、小泉は何も対応をとらず、8月15日には靖国参拝したのである。

   その後追加で7人派遣したようだが、職責に対する責任感というものがこの男にはないのだろう。「小泉大臣が行くべきは、靖国ではなくモーリシャス」(政治ジャーナリスト角谷浩一)であることは間違いない。

   ついでにといっては何だが、フライデーからもう1本。「GLAY」のボーカルTERU(49)と「PUFFY」の大貫亜美(46)夫婦が破局しているというのだ。

   TERUは結婚していたが、亜美と出逢って大恋愛の末、2002年に再婚したそうだ。破局の理由は、亭主がピュアソウルの持ち主で、彼女がついていくのが大変だったからというのだが、今一つピンとこない。

   まあ、18年も一緒にいれば、飽きもくるし、嫌なところも目に付く。カネには心配ないのだから、無理して残りの人生を無駄に生きることはない。別れろ、別れろ! オレだって別れたいけど、先立つものが......。

山下智久は米俳優ウイル・スミスの家族が経営する海外事務所と契約したそうだ。かくしてまた1人、ジャニーズを離れていく

   さて気を取り直して、文春オンラインがスクープしたジャニーズのタレントたちのスキャンダル。

   山下智久とKAT-TUNの亀梨和也が未成年の女子高生たちと飲食していたというのだ。

   オンライン編集部は週刊文春とは別で、お互い競い合っているという。このところ紙より勢いがよく、存在感を増しているそうだ。

   だが私には、やや心配がある。ネットはPVの世界である。よりPVを稼ごうとすると、先の渡部建のような、不倫、芸能人のスキャンダルなどにどうしても偏りがちになる。

   安易とはいわないが、硬派なものが抜け落ちていかないか。それが私には気がかりである。文春オンラインは8月7日に、こう報じた。

   ――7月30日、KAT-TUNの亀梨和也(34)と山下智久(35)は港区のバー「X」で午前4時過ぎまで、共通の知人を交えて飲み会を楽しんでいた。(中略)

   7月30日午前4時30分過ぎ、亀梨との酒席を楽しんだ山下はバーを出た後、すぐにタクシーに乗り込み、都内にある高級ホテルへと入っていった。チェックインを済ませ、山下が向かったのは上層階のラグジュアリーフロア。その約1時間後の5時30分過ぎ、1台のタクシーがホテルに到着し、1人の女性が降りてきた。その女性は電話をしながらエレベーターに乗り、山下が待つラグジュアリーフロアへ向かったのだった――

   だが、バー「X」で行われた亀梨との飲み会には複数の女性が同席していたという。

   ――一見、人気アイドルらのありふれた夜遊びの一幕だが、ひとつ問題があった。参加女性の「年齢」だ。取材を進めるなかで、この飲み会に参加していた女性は3人で、うち2人が未成年の現役高校生だということが発覚したのだ。(中略)

   そして、山下が待つホテルへ出向いたのも、この17歳の女子高生モデルA子なのだ――

   この報道を受けジャニーズ事務所側は、両人に聞き取りをして、こう発表した。

   「(山下については=筆者注)一定期間芸能活動を自粛することとし、亀梨は、厳重注意の上、書面による反省を促してまいります」

   アイドルとはいえ、2人とも30代半ばの男である。今さら、女子高校生とHしてはいけませんよ、でもないだろうに。常識というものを教えてこなかった事務所の責任は大きい。

   だが、この騒動、これで終わりではないようだ。週刊女性が、山下が12月に退所すると報じたのである。

   山下は、海外志向が強く、今年6月からHuluで放映されている日欧共同制作ドラマ『THEHEAD』で俳優としても世界へ飛び出している。

   プライベートでもアメリカの俳優ウイル・スミスと親しく、彼の家族が経営する海外事務所と契約したそうである。ジャニーズ事務所との契約は12月まで。その3か月前に事務所にその意志を伝えなければいけない。

   かくして、また1人、ジャニーズを離れていくようだ。誰か1人でもいい、ジャニーズ事務所の内幕を話してくれる人間はいないのだろうか。ま、文春がやってくれるだろう。

胸の谷間も露わに亡き父の墓参へと向かった米倉涼子。さぞ、父親は嬉し、恥ずかしであったろう

   FLASHは、胸の谷間も露わに、堂々と亡き父の墓参へと向かう女優・米倉涼子(45)を撮っている。

   非難するわけではないが、墓参というにはあまりにも派手派手、芸能人でーすといういでたちである。背中も胸元も開いた黒のワンピースで、胸の谷間にサングラスを挟み込んでいる。

   こんな格好で墓参りに来てくれて、さぞ、父親は嬉し、恥ずかしであったろう。

   彼女がテレビドラマ『黒皮の手帖』で主演を務めた頃、彼女の父親は57歳という若さで亡くなったという。この日は8月1日、米倉の誕生日だそうだ。

   さては、熱愛中のアルゼンチンタンゴダンサーとの結婚報告か?

   だが、芸能記者は、最初の結婚で大失敗しているので、米倉は「もう結婚なんてこりごり」といっているというし、独立したばかりだから、「ひとりで生きるという覚悟を伝えに来たのではないか」と推測している。

   そういわれれば、場違いな服装も、その覚悟の表れと見て取れる。45歳か、女として一番いい頃だろうな。

このコロナ禍でウハウハ儲かっている企業がある。ベスト10を見ても知らない企業ばかりだ。10年、20年後は大丈夫か

   ところで、コロナと経済の両立など絵空事でしかないことが、はっきりした。朝日新聞(8月18日付)がこう報じている。

   ――コロナ危機が本格化した4―6月期、日本は欧米と同様に過去最悪のマイナス成長に陥ったことが確認された。内閣府が8月17日公表した国内総生産(GDP)の1次速報は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期比7・8%減、年率換算では27・8%減だった――

   戦後最悪の落ち込みだという。

   そんな中でも、コロナに勝って成長する会社があると週刊朝日が報じている。

   たしかに自粛、巣ごもりで、任天堂の最終利益は前の年の同じ時期に比べて、何と6.4倍、1064億円にもなったという。

   フリマアプリのメルカリも、2020年通期の決算で売上高が47%増だったそうだ。

   週朝は、全上場企業の決算、リスクなどをAIで分析し、コロナに打ち勝つ50社を探ったという。

   ベスト10を見ても、私の知らない企業ばかりだ。私がよく取る「出前館」が22位。先ほどの任天堂が24位。メルカリが31位。糸井重里のほぼ日が49位にいる。

   では第1位から見ていこう。1位はリニカル。新薬開発の支援。2位はパラマウントベッドHD。医療・介護用のベッド。ここは知っている。CMで介護用のベッドを見るが、あれが欲しいな。

   3位はシミックHD。新薬開発の支援。4位は川本産業。医療用衛生材料。5位はTIS。決算などのITソリューション。

   6位は桜インターネット。データセンター運営。7位がホギメディカル。不織布など医療用器具。8位がブイキューブ。ウエブ会議サービスなど。

   9位がカイノス。臨床検査薬。10位がJ-オイルミルズ。油脂や油脂加工品。

   どうですかな。ほとんどがコロナ関連企業のようだが、この先10年、20年も続くのだろうか。

IR汚職事件で逮捕された人物と親しい大物に安倍昭恵がいる。安倍晋三はまた寝苦しい夜を過ごすことになるのか

   さて、IRの汚職事件で逮捕・起訴され、保釈中だった秋元司衆議院議員(48)が、今度は、贈賄側にカネをちらつかせて偽証工作をしていたとして、逮捕された。

   秋元に頼まれて偽証を贈賄側に求めた会社役員3人も逮捕されたが、その1人は淡路明人という。その淡路と長嶋一茂が親しかったと、新潮が報じている。

   一茂が真ん中で、秋元と淡路と仲良くアロハポーズを決めている写真が載っている。一茂と淡路はハワイ仲間で、よく一緒にバーベキューやゴルフをしていたという。

   淡路という男、ウェブコンテンツ開発会社「48(よつば)ホールディングス」の社長だが、仕事はマルチ商法まがいで、確実な値上がりを謳って「クローバーコイン」なる仮想通貨を販売し、被害者が続出して、3年前には消費者庁から連鎖販売取引停止命令を受けている。

   こうしたヤバイ人間は、政治家や芸能人に近づいて、広告塔にしようとするものだ。一茂はどこまで淡路の仕事を知っていたのか分からないが、代理人の弁護士は「両名の刑事事件については一切関知しておりません」としている。

   今一人、淡路と親しい大物がいる。安倍昭恵である。山口にある彼女の「UZUハウス」に出資していて、昭恵から安倍に近づき、淡路のセミナーでは安倍とのツーショットをスクリーンに映し出して勧誘に使っていたと、「しんぶん赤旗 日曜版」(8月23日号)が報じている。

   疑惑の「桜を見る会」前夜祭にも招待されている。となれば、今回の淡路逮捕で、安倍首相夫妻との関係も問題になるのではないか。「疑惑の総合商社」安倍首相はまた寝苦しい夜を過ごすことになるようだ。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。