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たった2人の女性閣僚。稲田朋美元防衛相「せめて議員が30%になれば...ハードルは高い」。女性が政治?社会にはびこる固定観念や偏見

   菅新内閣が本格的にスタートしたが、閣僚は21人のうち2人しかいない。なぜ、日本は少ないのか。世界の内閣を見ると、今年1月(2020年)に発足したスペインでは22人中11人だった。8月にスタートしたペルーでは20人中に7人。今年(2020年)の1月時点の女性閣僚の割合は、スペイン66.7%、フランス52.9%、カナダ50%。日本はアメリカの17.4%に続く15.8%だった。

   ニューヨーク・タイムズ電子版は「日本の新しいリーダーがチームを選ぶ。見慣れた男性と少ない女性」、ワシントン・ポスト電子版も「日本の新内閣は(男性が支配する)昔の内閣とよく似ている」と指摘した。

   自民党の元防衛相の稲田朋美議員は2つの理由を挙げる。まずは「やっぱり、女性国会議員の数が圧倒的に少なくて、女性を登用してほしいと申し入れても、どうしても少数意見という扱いになる。せめて30%になれば、絶対無視できないと思うんですけど」。もう一つは「女性が国会議員になるのも少ないうえに、そこから当選を重ねて閣僚に登用されるまで続けるのは非常に難しい。家族の説得や選挙資金の問題など、いろいろとハードルを越えていかなきゃいけないな、という大変さを実感しています」

北欧では「一定数の割り当て制」も。志らく「能力なければ本末転倒では?」

   そもそも女性には国会議員の壁が高い。立憲民主党の塩村文夏参院議員も「男性が政治をやるものという固定観念があります。地方に行けば行くほどあって、地元でお祭りに出たり、握手したりとか、男性と同等にならないと次の選挙が難しい。子どもがいたら、相当難しいと思います。女性は偏見と戦うところからやらなきゃいけないところがあります」。

   流通経済大学の龍崎孝教授は、「北欧などにはクオータ制(割り当て)を取り入れています。各党が候補者のうち、一定の割合を女性にするというものです。しかし、閣僚などに設ければ、女性を優先するということですから、その結果として、必要な能力を満たさなくても登用されるということも起きうることもあります」。

   これについて、塩村議員は「一時的な導入が望ましい」、稲田議員も「政治家を目指したい少女が増えていくきっかけになれば」と話す。

   立川志らく「一番大切なのは能力のある人が必要で、能力ある人を外して、とにかく女性を入れるというのは本末転倒。女性が政治家になれるような土壌に直していかなければ」

文・一ツ石