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スポーツマンは清く正しく美しく、爽やかであってほしい。不倫をやらかした競泳・瀬戸大也の妻優佳は、自身も飛び込み選手だったが「大也の金メダルへの挑戦をサポートするのが私にとっての五輪出場」と考えて引退したのに...

   スポーツマンは清く正しく美しく、そして爽やかであってほしい。水泳競泳界のエースである瀬戸大也(26)は、そうしたスポーツマンに期待される全てを持っている理想の一人だったはずだ。その上彼は、味の素の「勝ち飯」というCMで、私生活でも妻の優佳(25)と仲睦まじく料理をつくり豪快に食べる「幸せ一杯の夫婦」(新潮)を茶の間に披露していたのである。彼らには幼い2人の子どもがいる。

   来夏に東京五輪が開催されれば、間違いなく金メダルを期待される主役の一人になるはずだった。その瀬戸が、真っ昼間、愛人と下町のラブホテルへしけこんでいたというのだから、瀬戸ファンならずとも、ガラガラと彼のイメージは崩れ去ってしまった。新潮によれば、9月14日、午後1時前に3階建ての瀟洒な新築の家から出てきた瀬戸は、近所に月極で停めてあったオリーブ色の「BMWX6」に乗り込み、足立区内のコンビニに向かったという。

   そこで助手席に髪の長い女性を乗せると再び走り出した。「到着したのは優佳さんと訪れることはないであろう場所だった」(同)。場末の古びたラブホで「休憩4600円」。ハロウインの飾りつけがしてあり、一定の料金を払えば23時まで利用できるそうだ。場所柄だが、かなり安い。

   瀬戸が彼女に「23時までだって」と笑いかけた。なぜわかるのか?新潮はグラビアページに、窓口でカネを払ってカギをもらっている2人の写真を載せているのである。ラブホの中に入って2人の左後方から撮ったようだ。写真週刊誌FOCUSで磨いた業である。これでは瀬戸はいい逃れができない。コトを終えた2人が出てきたのは午後3時半ごろ。「滞在時間約1時間半の、慌ただしい『昼下がりの情事』」(同)

  • 瀬戸大也選手(8月31日の本人のインスタグラム)
    瀬戸大也選手(8月31日の本人のインスタグラム)
  • 瀬戸大也選手(8月31日の本人のインスタグラム)

瀬戸の行動がすごい。外車で女との密会を終えた瀬戸は素早く国産車に乗り換え、保育園に2人の子どもを迎えに行った

   再び先のコンビニの近くへ戻り、彼女と別れてからの瀬戸の行動がすごい。密会を終えた瀬戸は「クイックターンのように素早かった」(同)。自宅に戻ると、カレージ前に停めてあった国産車に乗り移ると、子どもを迎えに近所の保育園に一目散。無事2人の子どもを連れてご帰還。BMWを庶民的な国産車に乗り換えるなんぞは、庶民派で爽やかなイメージを持たれようとする彼の涙ぐましい努力の一環なのだろう。だが、せっかく築き上げたイメージも、この報道で一瞬にしてもろくも崩れてしまった。

   妻の優佳と結婚したのは17年5月。彼女は飛び込みの選手だったが、「大也の金メダルへの挑戦をサポートしたいという気持ちが占めたんです。それが私にとっての五輪出場だ」と考えて引退した。その後、アスリートフードマイスターという資格を取り、彼の練習メニューとリンクした献立を毎日3食つくるというサポートをしてきたそうだ。瀬戸が情事を楽しんだ日、彼女は仕事が入り、夫に子どもの出迎えを頼んでいた。彼女はインスタグラムにこう投稿していた。

   「家で2人の子守りをしてくれた旦那さんに感謝」

   新潮の取材力には舌を巻く。愛人とはどれぐらい前から続いていたのかをツイッターのアカウントを調べ、2019年2月には瀬戸の出演する番組に関して返信しているから、「その頃にはすでに関係ができていたのかもしれない」(同)と、単なる浮気ではないと追い詰める。

   さて、瀬戸はどうする。妻の優佳は?瀬戸は所属事務所の担当者が、「(瀬戸)本人も狼狽していて......」と取材を受けるどころではないようだ。妻には新潮としては珍しく直撃していないのか、コメントはない。10月1日が結婚記念日だそうだ。新潮は「その日が過ぎてもまだ、優佳さんは瀬戸のために手料理を振る舞っているだろうか」と心配している。2人には余計なお世話だろうが。

菅義偉首相
菅義偉首相

菅義偉の「珠玉の名言」が泣ける。「リーダーは愛されるよりも恐れられていたほうがはるかに安全」だそうだ

   さて、菅首相についての話題を2つ。彼が出た法政大学は「初の法政出身の総理誕生」で沸き立っているようだ。サンデー毎日で大学の職員がこう語っている。

   「カバン・看板・地盤のないゼロから出馬し、市議から国会議員になり、首相までたどり着くことは大変なことだと思います。立教出身者も首相になっていないのに名誉なことです」

   立教に勝ったと言いたいのだろうが、現在の首相の値打ちなど地に堕ちているのだから、あまりぬか喜びをしない方がいい。どうせスキャンダルでも発覚して失脚すれば、「法政の面汚し」とまた騒ぐのだろう。土門拳賞を受賞した写真家の鬼海弘雄(75)は、山形県寒河江市で育ち、高校後に上京して法政大学に入った。菅の家はいちごだったが、鬼海の家もサクランボ栽培をしていて、親父は村議や市議をしていたという。

   「菅さんは誰とでもスッとなじめるようですね。東北の人は不器用だから、そういうタイプはめったにいません。政治家はどこかで夢を語らねば成り立たない職業だと思いますが、今でも菅さんは、そんな場面を見せなかったですね。彼には法政出身者のにおいも、東北のにおいもしません」

   同様のことをいう法政OBは多いようだ。法政では1973年、学生会館建設に向けて、一致団結した歴史があり、菅がいた頃はそれと重なるが、菅にそういうにおいも影も感じられない。

   法政の経営学部を出て、世田谷区議の上川あや(52)は、自分が「トランスジェンダー」を公表しているが、区議選に出馬する直前に伝手を頼って菅と会ったという。

   「私はLGBT(性的少数者)の問題を語ったのですが、菅さんは興味がないようでした。たとえ私の話に反感を持ったとしても、『承っておきます』などと一言ぐらいはあってもいいのに、ほぼ無言。『私はなぜこの人の前にいるのか』と虚しくなりました」

   人に会うことは厭わないようだが、聞く耳は持たないということだろう。プレジデントで人生相談を連載していたが、これは11回で中止。今号では、菅がこれまで連載の中で語った『珠玉』の名言を拾い集めて、タイトルを「頑張る君に花束を」とした。このタイトルは泣ける。いくつか名言を紹介しよう。

   「今でも一番思い出したくない青春時代です」。マキャベリの『君主論』を引き合いに出し、「リーダーは愛されるよりも恐れられていたほうがはるかに安全である」。「少なくとも私は結果を出す人しか信用しません」。「昨今、組織や社会の『常識』の中でうまくやることこそが良しとされる風潮がありますが、私には根本が間違っているように思えてなりません」。なるほど名言ぞろいだ。

坂本哲志少子化担当大臣
坂本哲志少子化担当大臣(公式サイトより)

坂本哲志少子化担当相の「隠し子疑惑」。新潮の取材に対して相手の女性は坂本を気遣ったが、坂本ときたら...。母子が哀れでならない

   週刊誌恒例の新閣僚たちの「身体検査」だが、文春はやや精彩を欠き、新潮に見どころありだ。まずは少子化担当大臣の坂本哲志の「不倫・隠し子疑惑」から。この先生、中央大学を出て熊本日日新聞に入り、政経部記者を経て退職。県議から2003年に衆院選に出馬し、当選。一度落選するが、2007年に補選で返り咲き、自民党に入ったが、その選挙で怪文書が撒かれ、隠し子のことなどが書かれていたという。

   当時新潮もこの噂を追っていた。すると、坂本は県議時代、議会事務局で嘱託として働いていた女性と不倫関係にあったというのである。だが噂が広がり居辛くなった彼女は、そこを辞め、その後、坂本の子を産んだそうだ。名付け親は坂本だという。知人の女性にこういう手紙を送ってきた。「決して表に出ることはせず、この子と二人で後ろからそっと先生を愛していこうと思います」。

   彼女は坂本から送られてくる月10万円程度の中から、「彼の選挙に役立ててほしいと、そこから月500円ずつ貯金していたと言っていました」(知人女性)。その子どもは成人になろうかという年頃。新潮によると「その顔は鼻や眉毛、おでこの形など『父親』と瓜二つ」だそうである。さらに彼女は、新潮の取材に、「私たち親子がこんな風に存在しているから、坂本さんも迷惑しているのでしょうね......」と、坂本を気遣っている。坂本は彼女に感謝しなくては。

   新潮が坂本を直撃すると、「この問題については、官邸の方から『文書で答えるように』と言われているので」と、大臣なのに自分で答えられずに官邸の指示に従い、挙句に、「当時、怪文書で流されただけであって、天地神明に誓って私とは全く関係のないことです」と逃げ口上。彼女がこれを読んだら何と思うだろう。母子が哀れだ。「『子だくさん』の坂本大臣を抜擢したのは菅総理。やはり『慧眼』をお持ちと言う他ないのである」(新潮)

平沢勝栄復興相
平沢勝栄復興相(公式サイトより)

永田町で話題の平沢勝栄の初入閣。拉致被害者を政治利用した過去があり、連続当選8回なのに入閣できなかった。なぜ菅が登用したのか

   今回の組閣で、永田町だけだが、話題になったのは平沢勝栄復興相であった。連続当選8回という実績がありながら、今回が初入閣。新潮によれば、組閣前に杉田和博官房副長官が、「私の目の黒いうちは『彼』の入閣はない」と漏らしていたというのだ。杉田は警察庁出身で、平沢も元警察官僚。新潮で全国紙の政治部デスクが、「平沢さんは、官僚時代からパチンコ業界との関係などが噂されてきましたからね」と話している。

   だがそれだけではなく、平沢には、「拉致問題を政治利用」した過去があるのだと新潮は指摘する。2003年5月、新潟県佐渡島から上京した拉致被害者の曽我ひとみを、自分の選挙区である葛飾区の柴又帝釈天などを引き回し、その様子をビデオカメラで撮って、テレビで放送させたというのである。

   曽我は、母親のことを知る人物に会わせてやるといわれて呼び出されたのだが、そのことについては何もなく、「みせ物の為に行ったようになりました」(曽我)。彼女が関係者に手紙を送り、拉致被害者を「救う会」の西岡力が、「平沢氏が何を考えているのか、まったく理解に苦しみます」というコメントを当時出し、批判していた。

   文春によると、平井卓也デジタル担当相は、香川県でシェア6割といわれる四国新聞ファミリーの出で、傘下も含めて「ファミリー企業から全面的支援を受けることは、国民の目から見て『当たり前』なのだろうか」(文春)と指摘し、上川陽子法相は、黒川弘務を検事総長にしようとした計画の張本人だと報じている。菅は、再任や古手を起用すれば、スキャンダルは避けられるという思惑で、新鮮味のない連中を選んだのだろうが、この分では、古傷が次々に暴かれることになりそうだ。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。