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「アンサング・シンデレラ」最終話 末期がん田中圭の突然ピンピン元気な姿にネット呆然「は?」「おちょくられた」「超ご都合主義!」一方で「薬剤師の仕事を広めてくれて感謝」と称賛の声も

   石原さとみ主演のフジテレビ系ドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」最終話が24日(2020年9月)に放送されたが、余命3カ月の重複がんと診断されていたヒロイン葵みどり(石原さとみ)の元上司・瀬野章吾(田中圭)が、最後にピンピンとした元気な姿で現れる「ハッピーエンド」にネットでは「は?瀬野さんの末期がんはどうなったんですか?誰か教えてください」「ご都合主義すぎる!」と騒然となった。

   一方で、「ま、こうなると思ったよ」「みんなが幸せになる終わり方でよかった」「色々批判はあるが、薬剤師の仕事が紹介出来たことに意味がある」と評価する声もあがっており、賛否両論、消化不良の最終回だった。

  • アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋(フジテレビの番組ホームページより)
    アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋(フジテレビの番組ホームページより)
  • アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋(フジテレビの番組ホームページより)

散々辛い気持ちにさせて、いきなり「元気でーす!」はない

   物語は、葵みどりが余命3カ月の瀬野章吾に抗がん剤治験薬の投与を始めてから2年が経過した。みどりは萬津総合病院薬剤部を離れ、産婦人科医院で働いていた。妊娠35周目の向坂千歳(土村芳)が家でおなかを打って倒れたと、母の世津子(朝加真由美)に連れて来られる。母子共に大事はなかったが、てんかんの既住を持つ千歳が立ちくらみで転倒したと聞いた葵みどりは、抗てんかん薬をきちんと服用しているかと尋ねる。千歳と世津子は服用していたと答えたが、実はうそをついており...という展開だった。

   結局、葵みどりは元の病院薬剤部に戻り、瀬野章吾もがんが完治したのか職場復帰を果たすという、メデタシメデタシのラストだった。ネットでは、「おちょくられた気分だ」「がっかりした」という猛批判の声が起こっている。

   「瀬野が死んでいれば少しは感動したかもしれない。このドラマこそ夢オチがピッタリなのにそれもなし。夢でしか見られないような超ご都合主義の妄想のまま終了か。あの出現の仕方はストーリー上反則でしょ。葵も瀬野にさんざん啖呵きって、何食わぬ顔でいけしゃあしゃあと出戻り。登場人物みんな揃ってめでたしめでたしって......どんな脚本だよ!」

   「正直先週は瀬野さんがあまりに苦しそうで、緩和ケアにしてあげてほしいと思ってしまった。その瀬野さんがいきなりピンピンした姿で登場したときは、『は?』と完全に白けた気分に陥ってしまった。前話で、散々視聴者を辛い気持ちに陥れておいて、いきなり『元気でーす!』はないだろう。おちょくられた気分になるドラマ展開だ」

石原さとみが病気を治すことに魔法の杖を使うファンタジー

   「余命いくばくもない重複がんに対して、治験薬がどのように進行を抑えられて、社会復帰まできたのか描かれていない。詳細も明かさぬまま本当に終わってしまった。てんかん合併妊婦がシングルマザーである背景も触れられず、違和感があった。最後なのだからエピソードを丁寧に描いて欲しかった」

   「ファンタジーであった。石原さとみが、病気を治すことに魔法の杖を使ってしまった。これは、禁断の行為だ。そして、石原さとみは罰として遠い国に送られた。その遠い国でも、昔と同じように、魔法の杖を使っていた。そして、昔の国でも、遠い国でも、患者さんは助かったのだった。ドラマの間に流れるCMでは、石原さとみのように可愛らしい薬剤師が、多くの患者さんを助けている場面が見られた。なお、ドラマはスポンサーのために作成されたフィクションです」

   しかしまあ、「とにかくハッピーエンドでよかった」という声も多かった。

   「最終回は新しい命が誕生して葵みどりが元の職場に戻る夢物語。脚本の浅さは気になるが、コロナでさまざまな不安から鬱になる人が増えている現状では、瀬野がもがき苦しむシーンを省いてみんながハッピーエンドの結末は良かった。しかし、今更だけど、原作漫画の薬剤師の新人である葵みどりが成長するストーリーの方が気楽に楽しみながら薬剤師の仕事を理解しやすかったのでは...とも思っている」

   「個人的には、後半一気に盛り返し、割と満足度高めでフィニッシュできたと思う。薬剤師の仕事ではないという批判が多かったけど、『ドクターX』だって、実際にこんな医師はいないよという意味ではこれと似たようなものだ。医療ドラマという大きな枠組みでみれば、『医療従事者は患者さんの心にしっかり寄り添う』『患者さんはしっかり医療従事者の方に相談してみる』という基本的だけど凄く大事なことを貫いたドラマだ」

「薬剤師の卵です。葵さんは結構憧れの薬剤師です」

   また、あまり知られていない薬剤師の仕事を広めた功績は大きいと評価する声もあった。

   「薬剤師も人手不足だそうですが、子どもたちに薬剤師の仕事に興味を持ってもらうためのドラマだったと思います。美しい石原さとみお姉さんが頑張っている姿を見て、将来は薬剤師になろうと考えるお子さんも出てきたのではないでしょうか。リアルに描いたら子どもたちの夢が壊れてしまいますものね。子どもたちは素直に感動したと思いますよ」

   そして、薬剤師を目指す人からこんな声が。

   「薬剤師の仕事について、ドラマを通してたくさん知ることができました。実際は、あんなにたくさん患者さんとコミュニケーションを取ることはできないのだろうな...とは思いますが、私の中では葵さんは結構憧れの薬剤師です。ドラマの話のどこまでが現実なのかは、実習などを通して自分で確かめます。薬剤師のドラマが放送されたことに本当に感謝です!」(テレビウォッチ編集部)