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ドコモ完全子会社化でも、値下げは「すんなりとはいかないぞ」! IT専門家が「強大化するドコモ」に危機感を覚えるワケとは

   NTTはきのう29日(2020年9月)、NTTドコモを株式公開買い付け(TOB)を通じて今期(2021年3月期)中に完全子会社化すると発表した。NTTの澤田純社長は「グループの意思決定を迅速化し、ドコモの競争力を強化するため」とし、これによって「携帯料金値下げの余力が出てくる」と言うが、菅義偉首相が目標とする「4割値下げ」は実現するのか。

   ITジャーナリストの三上洋氏は「完全子会社する理由の1つがドコモの調子が悪いから。売り上げの落ちている理由は、昨年の料金値下げにあります。すんなりと行きそうにはないですね」と話す。

   しかしドコモは今後、値下げをせざるを得ない状況になる。今まではドコモ株の66.2%をNTTが、残りはほかの株主が所有していたが、完全子会社化でNTTが100%株主になる。そしてそのNTT株の32.36%を持っているのが政府や地方公共団体。間接的にドコモは国の言い分を聞かなければならなくなる。「総務省が下げろと言ったら、無視はできないですよね」と三上氏。

値下げしても「ギリギリ2割減」、「安い他社に乗り換えよう」?

   では一体、どれくらい下がるのか。現在、東京の携帯料金は月額8175円(データ容量20GBの大容量プランの場合)。三上氏の予想は2割減だ。「予想というより、6500円くらいに下がったらいいなあ、ぐらい。これ以上下げてしまうとドコモの赤字が出てしまう。ギリギリここぐらいですかね」と三上氏。

   KDDIやソフトバンクなどはどう動くのか。三上氏は「値下げについてはドコモの動きを待っているのでは。強大化するドコモに対抗すべく、2社の連携が加速する可能性もある。地方の基地局については、すでに2社が手を結ぶことが決まっています。これをもっと強くしてネットワークを作っていくところまでしないと、大きなNTTとは戦えない」と言う。

   また三上氏は「今後、競争にならなくなるのではないか」と懸念する。「海外で料金が安くなったのは、ライバル社が極端に安くしたから。国がやれと言うより、僕らが格安スマホなりサブブランドなり、安いところにどんどん移動しちゃった方がいい」と言うのだ。

   司会の小倉智昭「山﨑なんかただ安くなればいいと思っているんだろ?」

   山﨑夕貴アナ「安くなる分には大歓迎なんですけど、なかなかそうもいかないんだな、と勉強になりました」

   三上氏「国が安くするのを待ってちゃダメです。私たちが安いところにどんどん移らないと」