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女性選手の胸や尻アップ映像の投稿が多発!被害の訴えにJOCが動き始めた。立川志らく「競技場に変態がゴロゴロいる。取り締まれ」

   競技中の女性アスリートの下半身や胸などを性的目線で撮影し、SNSに投稿する問題行為が相次いでいる。現役の女性アスリートらが、こうした行為に声を上げ、事態を重く見たJOC(日本オリンピック委員会)が動き始めた。

   声を上げたのは陸上の日本代表経験もある現役女性アスリートで、今年(2020年)8月に日本陸上連盟に「胸や尻など体の一部をアップにして無断で撮影され、SNSに投稿されている」と相談。JOCの山下泰裕会長は「JOCだけでなく、みんなで知恵を出し合う」として、近日中に各競技団体から意見を聴く方針を示した。橋本聖子五輪担当相も「選手が安心して競技に打ち込める環境づくりが大切」と話した。

元メダリスト田中雅美さん「私も撮られた。傷つく人が多い」

   番組が調査をすると、10月15日にも競技とは関係ない女性アスリートの性的画像が多数投稿されていた。中には、ウエアが尻に食い込んでいる明らかに悪質な写真もアップされていた。しかも、写真に添えて「シークレット・ページはこちら!」と書かれており、月額500円で短距離ランナーの写真が見られる有料のサイトに誘導する案内まで書かれていた。女性アスリートの性的画像をビジネスとして悪用しているのは明白だ。

   元アスリートたちも被害体験について語った。アトランタ・シドニー・アテネの各五輪に出場、シドニー五輪では銅メダリストになったスポーツコメンテーターの田中雅美さんは、「性的目線で撮影された写真を雑誌に掲載された。当時は好記録を出すために小さい水着が主流だったので露出も多かった。今はそうした写真が昔より残りやすいので、傷つく選手は多い」と話す。

   北京五輪日本代表候補の元体操選手・平田美沙紀さんは、「大学生の時に友人からネットに盗撮された写真が上がっていると教えられ、怖くて見られなかった。競技に集中できなくなるのが嫌だった」と告白した。

   司会の立川志らく「そういう写真を撮るのが目的の変態がたくさんいる。アスリートもたまったものじゃない。メディアもわざと変な写真を使ったりする。フィギュアの浅田真央さんがスピンして変な顔になっている写真をわざと使っていた。そもそも肖像権の問題でもある」

   田村淳は「こうした問題は前からあった。ようやく動き出した感じで、いつも言うことだが日本は対策が遅い。法制度も整っていない」

アンミカ「ファッションショーでは撮影者をチェックしている」

   競技によってはすでに撮影に関するルールが定められている。体操は観客による撮影禁止、レスリングは望遠による撮影禁止で、警備員の見回りがある。日本学生陸上連合は撮影には申請が必要で、撮影禁止エリアも設けている。フィギュアスケートの地方大会は申請したうえで保護者のみが撮影できる。

   高橋知典弁護士によると、公の場所でのスポーツ選手への性的趣味の撮影を規制する法律はない。また「東京都迷惑防止条例」での盗撮とは、衣類で隠されている下着や身体を撮影する行為で、選手のユニフォーム姿を撮影することは犯罪に該当しない可能性があり、「性的趣味の撮影を罰する立法が必要」と言う。

   モデルのアンミカは「ファッションショーでは特殊なカメラをもって最前列を陣取る撮影者をチェックしていた。先に告知したうえで、そのように指導できる体制が必要」と提言。

   フワちゃんは「YouTubeでは規制がかかり、過激なものや性的なものはアカウントが停止されるが、ツイッターにはそれがない」と指摘した。