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「エスカレーター、両側立ち」って定着するの? 鉄道各社が一斉キャンペーン!輸送効率30%アップの実証結果もあるってホント?

   近年、エスカレーターでの転倒などの事故が増えている。2019年には都内だけでもエスカレーター関連の救急搬送は1428件で、過去5年で最多を記録した。全国50の鉄道事業社などは、エスカレーターは歩かず両側に立つよう呼びかけるキャンペーンを10月26日(2020年)から一斉にスタートした。

   本来、エスカレーターは歩くようには設計されておらず、手すりにつかまって乗ることが前提になっている。しかし、関東では主に右側、大阪周辺では左側を急ぐ人のために空けることがマナーとして定着してしまっている。「グッとラック」が2日(2020年11月)の通勤ラッシュ時に、1日およそ9万人が乗り降りする横浜市内の駅構内にあるエスカレーターで検証したところ、100人中、左側に立ち止まって乗っている人が44人、右側を歩いている人が56人だった。

高度成長期に大阪でうまれた「片側空け」、スピード重視で浸透

   江戸川大学の斗鬼正一名誉教授によると、日本で最初に片側空けを推奨したのは1967年、大阪・梅田駅の阪急電鉄の歩く歩道、エスカレーター。高度経済成長期で、スピードが叫ばれる時代で、エスカレーターが急ピッチで全国的に整備される中、片側空けも急速に浸透していったという。

   効率重視で推奨されたわけだが、実は効率という面でも片側空けは良くない。2015年、ロンドンの地下鉄で3週間にわたりエスカレーターの「両側立ち」を呼びかけたところ、片側を空けてもう片方を歩く人が使うより輸送能力が30%アップすることが実証された。

   斗鬼名誉教授は「みんなが同じように早く昇れて、しかも安全。2列の方が当然良いです」と話す。

   果たして、「エスカレーターの両側立ち」という新しいマナーは日本で定着するのだろうか。斗鬼名誉教授は「一律で『片側空け』を禁止してもなかなか定着しない。まずは急ぐ必要のないデパートや商業施設などから部分的に禁止していくべき」と話している。

   キャスターの立川志らく「デパートなんかでは大丈夫でしょうが、朝のラッシュでしょうね、問題は」

   キャスターの田村淳「下りが怖いんですよね。後ろから来られて、肩がちょっと接触しただけで、転倒の危険性がありますから。僕は止まっていますが、通り抜けて行く人には感想を漏らすように『急いでるなぁー』って言います。『止まれ』というと角が立つから」