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コロナ患者激増で「ほかの手術が止まった...」看護師が切なる訴え!大阪では心臓病の5歳児、延命措置できなくなる...

   「コロナの影響で手術が止まりました」。そう書いた紙を持った男性看護師の映像が、北海道医労連の道東ブロックツイッターに投稿された。番組はこの看護師に取材、医療現場の厳しい現実を聞いた。

   「11月末から、コロナ感染症の影響で手術が完全に止まっています。コロナ治療に人を集中する関係で、ぎりぎりの人員でやっているので...。整形外科の手術を延期、患者さんは痛みを伴ったまま年を越すことになるので、申し訳ない気持ちでいっぱいです」。

   新型コロナによる全国の重症者は530人で過去最多に。名古屋市では、182人が新型コロナで入院中だが、市内にはその病床が180しかなく、事実上の満床状態に。

   大阪府では141人の重症者に対し病床使用率は86%だが、昨日吉村知事が視察した大阪コロナ重症センターでは、必要な看護師130人に対しなお50人が不足しており、「昨日、防衛大臣に看護師の派遣を要請、数名程度は派遣いただけるのではないか」(吉村知事)。

   2つの病院で計400人が感染した旭川市でも自衛隊に「災害派遣要請」という形で看護官派遣を要請した。旭川赤十字病院では、外来の診療・検査を通常の半分程度に制限している。

母親も肝臓手術を3度延期、「子どもさえ生きてくれたら...」

   大阪府の30代の母親は心臓病の5歳の子供を抱え、いつ発作が起きるかわからない状態だ。医師からは、もし心臓発作が起きても延命措置をとることができないかもしれない、と宣告された。母親も肝臓病の手術を、今年4月から3度にわたって延期され、なお未定だ。「私は死のうが、子供さえ生きてくれたらそれでいい。マスクできる方はマスクして、感染を防いでいただければ...」

   キャスターの立川志らく「医療現場にもっとお金と人材を入れなくてはいけないのに、この国は後手後手に回って。Gotoキャンペーンを中心にやっているからこういうことになる。同じ命なのになぜ?感染症が先ということなのか」

   北村義浩・日本医科大特任教授「現場での苦しみに満ちた判断だと思う。どっちが大切か、といえば、どちらも大切。ただ、大阪にはもう、これまでの常識が通用しない理不尽な怖い世界が現実になりつつある」

   メインコメンテーターの田村淳「もう、覚悟しなければいけない状況になっているけれど、そこまでの危機感をまだ、僕たちは持てていない。命を比べることはできないけれど、実際問題として優先順位をつけていかなければいけない状況まで、ぼくたちは追い込まれている」

文・栄