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コロナ法改正「虚偽回答や入院拒否で高額罰金」 青木理「罰則を作る前に政治がやるべきこと、たくさんある」

   政府は18日(2021年1月)召集の通常国会で、特措法改正と同時に感染症法の改正も目指す方針だ。新型コロナ患者が感染経路など保健所の調査を拒否したり虚偽回答をしたりした場合には50万円以下の罰金を、また、新型コロナ患者らが強制的な入院を拒否した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科することを検討している。

   これに対して賛否両論の声が上がっている。賛成派の意見は「(罰則を受けるのが)飲食店だけでは不公平だ。罰金は高すぎる気もするが抑止になる」(30代男性)、「感染者が数百人の時なら反対だったが、連日2000人を超える状況なら仕方ない」(60代男性)など。

   対する反対派の意見は「できる範囲で協力し入院も言われた通りにするが、感染経路調査の強制はプライバシー侵害でさらに罰則というのはおかしい」(20代男性)、「罰則を作ると検査をしない人が増えてさらに感染拡大する悪循環になるのではないか」(50代女性)などだ。

専門医「まずは宿泊療養できる環境を整えた上で罰則を」

   昭和大学医学部の二木芳人客員教授は「将来のためにも、ある程度ペナルティを設けてもいいのではないか」という立場だ。「特に若い人には『コロナは比較的軽い病気だ』という意識がありますが、今後エボラのような大変危険な感染症が出てきたときに適用できますから」という理由だ。

   ただ、二木氏は条件を付けている。「保健所の業務はとっくにパンクし、すぐに入っていただける宿泊療養施設がない。入院先もそろそろ切迫してきている。まずは快適に宿泊療養をできる環境を整えた上での罰則にしなければなりません」と言うのだ。

   青木理(ジャーナリスト)「仮に罰則が感染症対策の現場で必要だとしても、今はすみやかに検査や医療にアクセスができる状況がない。『入院拒否したら罰則』と言う前に『入院できるようにしてください』という問題です。罰則の前に政治ができることはたくさんあるのに、それをやらないでおいて罰則の方向に走るのは順序が違う」

   政治ジャーナリストの田﨑史郎「青木さんの言っている問題は別の問題として(検査拒否や入院拒否、休業要請に応えない業者がいるなど)今ある問題にどうやって対処していくかをやっていかないといけない」

   「そんなに重要な法改正が必要ならば、なぜ国会は年末年始休んでいたのか」という質問には田﨑氏は回答せず、説得力ゼロだった。