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米メディア、東京五輪開催に悲観論! IOC元副会長「国連に判断ゆだねる」??

   米メディアで東京五輪の開催について悲観論が相次いでいる。

   ブルームバーグは中止の可能性について3つの理由を挙げた。1つ目は各国が予防接種を実施する中、依然としてウイルスが猛威を振るっていること。2つ目は緊急事態宣言が出た日本で依然として感染が高く推移していること。3つ目は、多くの人が、パンデミックの最中に世界的イベントを開催することが壊滅的なコロナの波をもたらすのではないかと心配していることだ。

   そんな中、IOC(国際オリンピック委員会)元副会長のケバン・ゴスパー名誉委員は、五輪開催の可否の判断を国連に委ねる可能性を示唆した。「新型コロナの世界的流行は単なるスポーツの問題、国益に関する問題を超えている。それを認める第三者が国連だ。良い助言、良い意思決定への手段だと信じている」というのがその理由だ。

悲観論の背景に、米国のワクチン接種大幅遅れも

   開催に暗雲をもたしている背景には、アメリカでのワクチン接種が大幅に遅れていることもある。2020年中に1回目の接種2000万人が目標だったが、今月(2021年1月)15日時点でまだ1000万人余りにしか行き届いていないのだ。さらに米政府は2回目の接種分として確保したワクチンの配布を表明したが、一部の州は「在庫なし」と告げられる状況になっている。

   国立病院機構三重病院の谷口清州医師は接種の遅れについて、「やはり簡単なことではないんです。マイナス80度の保管が必要ですし、ワクチンがあっても密にならない体制でもって接種をしていかなければならない。何よりも、生産も一挙にできるわけではありません。もともと難しいところではあったと思います」と話す。

   石原良純(気象予報士、タレント)「僕はオリンピックを楽しみにしていましたが、今色々な情報が出てきて考えてみると、難しいんじゃないかと思います。1番は『多くの人が心配している』ということで、人の気持ちの中でそれを良しとしないのであれば、国連が言おうがIOCが言おうが、できないんじゃないか」

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「(開催するかどうかを)これだけ大ごとにしているのは日本だけで、それ以外の国にとっては優先順位が低いんだと思いますよ。だって世界中の国で人が死ぬか生きるかって問題が起きているんですから」

   谷口医師「感染症対策の立場からすると、かなり難しいだろうという議論が圧倒的に多いです。今は変異株の問題もありますし、世界中への伝播をさらに促進してしまう可能性もあります。」

   開催に関する最終決定は3月末ころになるそうだ。