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東京五輪の可能性を完全に潰した森喜朗・組織委会長 欧米の女子選手が参加ボイコットの可能性も ノルウエーで新型コロナワクチン接種受けた33名が死亡

   今朝(2月5日)のスポニチはすごい! 一面で森喜朗組織委会長のアホ顔をドアップ。二面、三面で「世界は納得するか 女性は納得するか」と大書し、藤山健二編集委員が「男女差別に厳しい欧米の女子選手たちが、東京大会への参加を拒否する最悪の事態にすらなりかねない」と書いている。

   "サメの脳みそ"と揶揄される森の本領発揮。コロナ禍で危ぶまれていた東京五輪の開催の可能性を完全に潰えさせた。それが森の遺す唯一最大のレガシーになるだろう。

  • 首相当時の森氏
    首相当時の森氏
  • 首相当時の森氏

プーチンの豪華すぎる宮殿のトイレブラシ

   ロシアのプーチン政権はトイレブラシで崩壊するそうだ。フライデーによれば、ロシアでは反体制運動が過去最大の盛り上がりを見せていて、1月23日と31日のデモでは、少なくとも85都市で9000人以上が拘束されたという。

   運動の盛り上がりは、プーチン大統領が1400億円をかけて建造中の「豪華すぎる宮殿」の存在がきっかけになっているようだ。広大な敷地には劇場やスケートリンク、カジノスペースまであるという。

   だが一番国民の怒りを買ったのは、宮殿のトイレブラシが1本9万円もすることだったというのが面白い。ロシアの平均給与は約8万円といわれるそうだ。おれたちはトイレブラシ以下かと、怒りに拍車をかけたそうだ。この心理よく分かる。

   菅首相の長男がコロナ自粛の最中、総務省の高官たちを招き、一人何万円もする料亭で接待し、手土産やタクシーチケットを渡していた問題は、深夜、国会議員たちがキャバクラや銀座のクラブで鼻の下を伸ばしていたことと同様、庶民には分かりやすい。

   日本学術会議問題はうやむやになったが、この問題は分かりやすいだけに、菅が想像している以上に国民の怒りは激しく、長引くと思う。

決断力のない秋篠宮 眞子さん結婚容認ではなかった!

   さて、秋篠宮という人、失礼ないい方にはなるが、決断力のない父親だと思わざるを得ない。

   新潮は、秋篠宮は昨年11月の誕生日会見で、娘・眞子さんの「結婚を認める」といったが、実は「結婚容認」ではなかったと、私には訳の分からない特集を組んでいる。

   要は、秋篠宮は小室圭という固有名詞を出さず、最近でも「あちらの方」「あちらの家」というよそよそしい表現を用いて、不信感の塊になっているというのである。

   だが、眞子さんが諦めないので、「仕方なく二人の行く末を考えざるを得ない」(秋篠宮家の事情を知る関係者)し、「現状では到底、正式な儀式へは進めない。それでも一緒になりたいのなら"世間一般の結婚"をして出ていくしかない」(同)という結論を出したというのである。

   よく分からない話だ。勘ぐれば、秋篠宮は自分がいえないので、週刊誌を使って自分の「本音」を書かせているのではないか。父と娘なのだから、思うことがあれば娘に直接いえばいい。それがいえないほど、秋篠宮家は決定的に断絶しているのだろうか。そのほうが心配だ。

皇宮警察幹部の"重婚トラブル"

   ところで、皇宮警察というのは天皇皇后をはじめとする皇室の警護を担い、和歌や茶道などの教養と、高い倫理観を要求されるそうだ。

   だが、文春によれば、そこの幹部で京都護衛署長を務める柴山成一郎(59)に"重婚トラブル"があるというのである。

   柴山と3年ほど前まで一緒に暮らし、柴山が京都へ移ってからも内縁関係が続いていたA子という50代の女性がいる。

   彼女のところにある日突然、「柴山の妻ですが」という電話がかかって来て、「慰謝料を請求します」と告げられたというのだ。驚くのも無理はない。

   彼女と柴山の交際が始まったのは2014年。当時柴山は結婚していたが15年に離婚し、16年には柴山の母親と娘と4人で暮らし始めたという。A子も離婚経験があったので籍は入れなかった。

   昨年3月に柴山が京都へ栄転になり別々に暮らしていたが、毎月東京に帰ってくるたび"自宅"に泊まったという。だが、昨年末に「おせちが食べたい」という柴山のために宅急便で送ったことで"妻"が気付き、電話をかけてきたそうだ。

   柴山は"妻"と一緒に、文春の取材に答えている。

   「ある一定の時期まで、一緒に暮らしていたことがあります。ただ、生活自体もあまり合わないということで、数年前に別れた」

   A子とデートしている時、赤坂御用地に招き入れたこともあるというのだが、それはともかく、A子に隠れて結婚し、東京へ来るたび"自宅"に泊まっていたというのでは、皇宮警察という"品格"を求められる仕事には不適格なこと、いうまでもない。

   先週、現代が報じた「日本の卵が危ない」は反響があったようだ。今週も、鶏の子宮が病変、大量の抗生物質の投与、特売日に合わせた賞味期限の偽装などを追及している。意義のあるテーマだと思う。こういう生活に直結した大テーマは新聞などがやるべきだと思うが、今の新聞は文春、新潮の下請けに成り下がっているから目配りができないのだろう。

   同じ現代が、ノルウエーでワクチン接種を受けた約7万人のうち、副反応を訴えたのが104人、その中で33名が死亡したと報じている。ファイザー社とドイツのビオンテック社のものだという。

   現地報道によると「死亡者全員が75歳以上」だそうだ。ヨーロッパなどでは、65歳以上に対する有効性のデータが少ないため、高齢者への接種を控える動きが出てきている。

   日本では医療従事者の次に高齢者にワクチンを接種するらしいが、拙速にではなく、もう一度データを見直し、順番を考え直した方がいいと思うのだが。

1万1000回を超えた「徹子の部屋」

   さて、新潮が創刊65周年を迎えて、黒柳徹子をインタビューしている。御年87歳。「徹子の部屋」は1万1000回を超えたそうだが、45年間、病気で休んだことはないという。

   この長寿番組の強さの秘訣は、スタッフの入れ替えが少ないことだ。何しろ45年前からのスタッフがまだ1人いて、2年目からと5年目からのスタッフもいるというのである。

   さらに、録画撮りだが、カットや編集はほとんどしないそうだ。なぜなら「生の緊張感の大切さ」を大事にしているからだ。わかるな。私にも25年近く続けていたインタビュー連載があった。インタビューで大事なのは事前の下調べと体調である。どんなに予習をしていっても、体調が万全でなければいいインタビューはできない。

   黒柳の健康法は寝る前のヒンズースクワット50回というのはよく知られている。これはジャイアント馬場に教えられたという。後はエアロバイクと軽い体操を1時間。

   睡眠時間は11時から朝の10時まで。途中起きたら白湯と一切れのチョコレートを食べて、また寝る。目標はあと5年で来る『徹子の部屋』50周年。お元気で~!

   同じ新潮に、2000年に大きな話題になった「新潟少女監禁事件」の犯人・佐藤宣行が、14年の懲役を終えて2015年に出でてきたが、1年前に、千葉県内のアパートで死んでいたというルポを掲載している。

   「あの人は今」である。こういう記事は昔はどの週刊誌にも載っていた。記者や編集者は、こうした記事をやることで取材力を磨き、編集力をつけていったのである。だから今の記者は編集者はとはいうまい。

   誘拐・監禁された小学校4年生の少女が解放された時は19歳になっていた。新潮によると、佐藤は出所してからも仕事には就かず、生活保護をもらって部屋にこもり、仕事仲間も近所付き合いもなかったという。

   だが、アパートの大家は知っていた。こうした"性犯罪"者は再犯率が高いといわれる。出所しても社会に適応できず、うつうつとしているうちに、再び同じようなことを繰り返してしまう。

   佐藤は、部屋でスカパーを見ながら、何を考えていたのだろう。母親も死に、監禁していた家は放置されたままだという。

   ところで、私は知らなかったが、年金が4月分(6月支給)から減額されるという。

   ポストによれば、減額幅は「0.1%」。厚生年金のモデル世帯(夫婦で年金の月額が約22万円)では、1カ月当たり228円減ることになるという。

   現役世代の賃金が下がったからという理由だそうだ。これぐらいはと高をくくっていてはいけないそうだ。

   たとえば、コロナ不況で実質賃金変動率がマイナス1%になれば、来年6月の支給分から、夫婦の年金額は1カ月当たり約2200円、マイナス2%なら、毎月約4500円削られる計算になるという。

   冗談ではない。それだけ減らされたら、楽しみにしている「すき家」の牛丼を月1回にしなくてはいけない。

   銭湯も月に1回か。Wi-Fiもやめるか。スマホをガラケイに替えるか。

   株高で、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は儲かっているはずだぞ!

   俺たちに分配しろ! 麻生太郎よ、年金目減り分を補てんしろ! そう叫びたくなる。

   最後に、スクープもいいが週刊誌の楽しさは連載コラムにある。今週は週刊朝日とサンデー毎日に載ったコラムが目についた。

   サン毎では競馬評論家・井崎脩五郎の「予想上手の馬券ベタ」にこんな話が載っている。漫談家のケーシー高峰がこういっていた。「やはり、男女の交わりの基本は正常位です。アメリカではそれを歌でも教えています。ご存じですよね。正常位よ永遠なれ」。ケーシーはこういうジョークがうまかった。

   週朝では、嵐山光三郎が「コンセント抜いたか」で、JR四ツ谷駅から自宅のある国立まで行く間の、尿意との七転八倒ぶりを達者な筆で書いている。私にも何度か経験があるが、トイレに駆け込むまでの地獄のような苦しみを乗り越え、駆け込んで放尿した時の解放感は忘れがたい。

   テレビでも宣伝している「尿漏れパンツ」を買おうかと真剣に思っている。

   同誌で元経産官僚の古賀茂明が「政官財の罪と罰」で、テレビ朝日の『報道ステーション』を、「番組スタッフさえ『忖度ステーション』と呼ぶ」と書いている。さらに、日本の民主主義を危機から救うには、「官邸や与党の記者クラブを即刻廃止し、政治部を解体することが必須」だといっている。同感だ。

「すき家」の牛丼と紅生姜の相性は絶品

   ところで、私は紅生姜が好きだ。なかでも「すき家」の牛丼と紅生姜の相性は絶品である。

   並盛牛丼に紅生姜を山盛りのせて食う。紅生姜で牛肉を包み口に放り込む。口のなかで甘いタレと生姜の辛みと苦みが交じり合う。至福の時である。

   カップにたっぷり入った紅生姜の3分の1は食べてしまう。「すき家」は持ち帰りの時も、小袋に入った紅生姜をいくつとっても何もいわない。以前テレビで見たが、他の牛丼屋は3つまでとか制限があるようだ。

   週朝で、食について書かせたら"食魔"谷崎潤一郎を超えると、私が勝手に思っている東海林さだおが「あれも食いたいこれも食いたい」で紅生姜について論じている。

   東海林は、鰻丼ではなく敢えて牛丼を選んだ紅生姜の"義侠心"が好きだという。牛丼には紅生姜がぴったり合うが、「世の中にとてつもなくおいしい紅生姜というのはありません。断言できます」。ここは私と違うが、たしかに絶品の紅生姜というのは聞かない。

   「紅生姜には上昇志向がない。向上心も持たない。努力志向もない」が、そういうところが好きだという。お好み焼き、タコ焼き、焼きそばと、「どれもこれも一流企業とはいい難い中小の会社ばかり。流れ着いたところで生きていく」。行雲流水、こういう紅生姜の生き方こそが、コロナ禍で求められているのではないかと大論陣を張っている。お暇だったらご一読を。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。