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慎重さゆえ? 日本のワクチンの遅れ 他国に「買い負け」?「後回し」の懸念はないのか?

   「日本のワクチン承認が欧米諸国と比べ、なぜ遅いんだとのご指摘はいろんなところでよく言われる」と、菅首相はきのう8日の衆院予算委員会でこう述べ、時期については「今後、有効性、安全性を最終確認したうえで2月中旬に接種をスタートできる予定だ」と明らかにした。遅れの理由については2つ挙げた。

   1つは欧米と比べて日本は感染者数が少なく臨床試験(治験)に必要な人数が集まらないこと。もう1つは人種差があると想定されるので外国のデータだけでなく、日本人を対象にした治験を行う必要があるため、ということだ。

   司会の羽鳥慎一「感染者が少ないので、その治験者が少ないんですといっていますが、いかがでしょうか」

専門医「慎重さは評価、副反応を参考にできるメリットも」

   東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は「確かに諸外国よりは少し遅れていますが、日本人のデータを吟味した上での承認ということで、その慎重さは評価したいと思います。後になれば、外国での副反応や効果などを参考できるというメリットもあると思います」とみる。

   長崎大学大学院の森内浩幸教授は「一般論として新しいワクチンに慎重になるのは正しいことだと思います。ただ、すでに世界中に何千万人もの規模のデータが出ている中で、許容できる安全性を持っていることはわかっているので、準備はほぼ出来ていると思っています」

   羽鳥「まあ、遅れているというより、慎重にやっていると捉えたほうがいいかも知れません」

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「ちょっと言っておきたいことがあるんですが、ワクチンの買い負けするんじゃないか、という懸念が出てきています。すでに多くの国が打ち始めています。日本の承認が遅れたことによって、当初より後回しにされるのではないかという懸念です」

   森内教授「慎重さが悪いことはありませんが、慎重すぎて石橋を叩いて壊してしまってはしょうがないという気はします」

   羽鳥「予定されているより、遅れるかも知れないということを前提にしなければいけませんが、さらに遅れる可能性があるということを考えておかなければなりませんね」