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貴乃花が激白した息子の非道と我が離婚の真実 菅首相長男のドラ息子ぶりがわかった!...父親はつらいよ

   父親というのは損な役回りである。今週の文春が報じている菅義偉と貴乃花の息子への対処の仕方を読んでいて、つくづくそう思う。

   菅の長男・正剛は大学進学後にバンドを組んで活動し、就職はしなかったという。そんな息子を見かねて菅は、総務大臣として入閣を果たすと、社会経験のない彼を大臣秘書官に抜擢する。

   文春によれば、大臣秘書官の給与は、「個々の秘書官の能力と経験に基づいて決定され」(内閣人事局の担当者)るそうで、正剛はボーナスなどを含めて年に400万円ほどが支払われていたという。

   秘書官の職を解かれてからは仕事がなく、突然、「バーを経営する」といい出して、空手部出身の父親から、「鉄拳制裁を食らい、『直立不動でそれを受けたんだ』と話していました」(正剛を知る地元の知人)

   そんな父親に反発して一度は家を飛び出したが、街中に親父のポスターが貼られているのに"観念"して家に戻ったそうである。

   父親の威光に縋っていれば楽に生きていけると考えたのであろう。菅は息子に横浜港が見える36階建てのタワマンの上層階を買うカネを助(すけ)てやったようだ。文春の調べによると、購入額は8000万円ほどだが、ローンはわずか2000万円で残りは現金だという。

   4年前に現在の億ションに移っているが、ここでもローンは1800万円。菅は「趣味は孫」だといっているそうで、正剛の娘をたいそう可愛がっているという。

   その上、自分の"天領"である総務省が強い許認可権限を持っている「東北新社」に彼を入れ込み、正剛は親父の威光をフルに利用して、総務官僚たちを接待して出世していったのである。

   菅首相は、息子の違法接待疑惑について聞かれ、「息子とは別人格」といい放った。だが、これまでの経緯を見る限りでは、正剛は菅の庇護の下で、父子一体となって生きてきたのではないのか。

   長男と話したかと聞かれ菅首相は、「調査が入ったら協力するよう"申し上げた"」と答えた。「息子には調査に協力するようきつくいっておいた」ではない。ここに、しょうもない息子を、自分の力を利用して一人前にしたという"負い目"が透けて見えたと、私は思う。

   接待された総務官僚たちは、公務員倫理規定に違反しているとされ、「懲戒処分を受ければ少なくとも一年間の昇格が不可能になります」(総務省関係者)。次官候補といわれていた谷脇康彦総務審議官の次官の目はなくなる。官僚たちはこう叫びたいだろう。

   「オレたちは菅の息子だから仕方なく会ったんだ。誘いを断われるわけないじゃないか」

息子に苦しめられた貴乃花

   貴乃花(48)も息子には苦しめられているようだ。以前から、息子と母親の河野景子は一体で、何かというと貴乃花に反発していたと聞く。

   その息子・花田優一(25)が、母親が離婚し、別の男ができて一段落したからなのか、週刊女性で「父親である貴乃花にモラハラや暴力があった」と告白したのである。

   それに対して貴乃花は、新CMのオンライン会見で、「息子は完全に勘当しております」といい切り、親子なんだから直接話し合えばという声には、「話し合って解決できる段階は、もうとっくに通り越しています」と突き放した。

   文春で貴乃花は、なぜそういったのかについて語っている。貴乃花のいい分を丸ごと信じるわけではないが、息子への教育の仕方や、なぜ、勘当したのかについて頷ける部分は多い。

   息子は高校時代、「イタリアに行って靴職人の修業をしたい」といい出した。息子を大学まで出したかった妻は猛反対したが、「私は靴職人という目標を持ったのはよいことだと思い、『大学は何歳になってもいけるから』と言うと(妻は=筆者注)納得しました」(貴乃花)

   約3年後に戻ってきた息子は、靴職人としてメディアに取り上げられるようになった。だが、まだいっぱしの職人でもないのに、テレビに出てチヤホヤされるのは息子にとってよくないし、本当の靴職人に対しても失礼だと貴乃花は考えたが、テレビに売り込んでいたのは妻だったという。

   文春によれば、息子はイタリアの工房で修業したと主張しているが、現地で通っていたのは「アートデザインの専門学校」だったそうだ。

   そんな折、息子と貴乃花が暴力沙汰になる。息子は「道端で一時間半くらいつかみ合って......殴られて」と語っているが、元横綱に力でかなうわけはない。

   それから「靴職人という職業を知ってもらう」(貴乃花)ために、息子を後援者を通じてプロダクションに入れる。だが、1年も経たないうちにプロダクションの責任者から、息子の素行が悪すぎるといわれてしまう。

   約束を守らない、仕事をドタキャンする、父親の顔の利くレストランや銀座のクラブで豪遊しているというのである。その上、息子に靴を注文するために20~30万円を支払ったが、いつまで経っても届かないという客からの苦情が殺到し始めたという。

   さらに貴乃花をして許せないと思わせたのは、息子が結婚した相手に対する"非道"だったそうだ。貴乃花と仲のいい陣幕親方(元前頭・富士乃真)の長女である。

   しかし、息子は結婚後も他の女性といるところを週刊誌に撮られたりしたが、妻も「自分勝手な息子の側に立ち、あげくは、私にも内緒で息子と一緒になって離婚届を書かせようともしていた」(貴乃花)。結局、1年ほどで別れてしまった。

   このことが貴乃花に離婚を決意させたという。「我が子が自分の妻を大切にできていないのに、自分たちだけ夫婦を続けるわけにはいかない」と考えたからだというが、すでに夫婦の仲は崩壊寸前だったのであろう。

   その後、相撲取りにとっては命ともいうべき「マゲ」を息子が自宅へ持っていってしまったことや、大切にしていたハーレーダビッドソンを勝手に売り払ってしまったことがあったという。

   それを咎めると息子は、始めから喧嘩腰の口調で、「てめえなんか、親でも何でもねえんだよ!」といったという。

   息子と話したのは、それから数か月後。貴乃花はこういったという。「お客さんのために靴作りをしっかりやれ」「表舞台に出るのは勝手だが、私の名前は使うな」

   貴乃花のこれまでの言動をすべて肯定するわけではないが、息子への「忠告」を読む限り、菅首相よりも父親として真っ当ないい分である。

   私にも3人の子どもがいる。上は不惑になるが、3番目の次男は30代半ば。バンドを組んでロックをやっている。高校時代に「ロックをやりたい」といい出し、大学には行かずにロックの専門学校に入った。

   それから早十数年。売れはしないがロックをやりながら、居酒屋で働いている。私には息子を秘書にしてやる才覚もなければ、マンションを買ってやる資力もない。息子が夜中に帰って来て風呂に入る音を聞いて、「生きている」と思うだけである。

   次男はおそらく、親父に地位やカネがあったらと思っているだろう。耄碌するだけで甲斐性のない父親を見て、「オレの人生知れたもの」とひとりごちているのではないか。気の弱い父親は、そんなことを口に出せず、聞くこともできず、夜、天井を見ながらため息をつく。父親というのは実に辛く哀しいものである。

   菅首相は長男に仕事もカネも与えた。だが、人としてやってはいけないことがあると、教えはしなかったのだろう。貴乃花のほうが父親としては菅首相より優れているように思う。だが、結局、子どもは親の思う通りには育たないのだが。

森は根っからの女性差別主義者

   さて、森喜朗オリ・パラ組織委会長の「女性差別的発言」が国内外から批判を浴びている。「女性がたくさん入っている会議は時間がかる」というものだが、森がすぐに謝罪会見を開き、発言を撤回したものだから、IOCのバッハ会長は五輪精神を汚されたにも関わらず、「謝罪を理解し、この問題は終了した」と、早々に発表した。

   だが、森発言に対して日本だけではなく世界各国から「森は辞任すべきだ」という批判の声が巻き起こり、あわてたのだろう。

   2月9日には一転して、「森会長の発言は極めて不適切で、IOCが取り組むアジェンダ2020での改革や決意と矛盾する」(朝日新聞デジタル2月9日 20時22分)と批判したが、かえってIOCの無節操ぶりを満天下に晒すことになってしまった。

   組織委はもっと情けなかった。森自身が毎日新聞の記者にこういっている。

   「元々、会長職に未練はなく、いったんは辞任する腹を決めたが、武藤敏郎事務総長らの強い説得で思いとどまった」(2月6日付)

   森の"天敵"といわれオリ・パラの主催者である小池都知事も、森からの謝罪の電話があったことで続投を容認してしまった。

   中でも、極めつけは菅首相である。2月4日に国会で、森発言についてどう思うかと聞かれ、「発言の詳細については承知していない」と答えたのである。

   その後も、「森さんを辞めさせることができるのは、あなたしかいないのだから、辞めさせなさい」と追及されても、「国益にとっては芳しいものではないと思う」というだけで、「(組織委は)政府とは独立した法人として自ら判断されるものだと思う」と、責任放棄してしまったのだ。

   83歳の、自ら「老害」と公言する人物を、なぜ、襤褸(らんる)の如く捨て去れないのだろう。

   この疑問に答えるべく文春、新潮が特集を組んでいるが、要は、最大派閥「清和会」を牛耳り、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫などを輩出してきたため、安倍政治の継承を公言している菅首相もものがいえないのである。

   その上、IOCやラグビー界とのつながりも強く、「余人をもって替えがたい」というのが本当のところであろう。

   誤解を受けるかもしれないが、今回の森の発言は、2013年に鹿児島市内で開かれた「全日本私立幼稚園連合九州地区大会」のこれに比べれば、それほどひどくはないと思う。

「子どもを沢山つくった女性が、将来国がご苦労様でしたといって、面倒を見るのが本来の福祉です。ところが子どもを一人もつくらない女性が、好き勝手、と言っちゃなんだけど、自由を謳歌して、楽しんで、年とって......税金で面倒見なさいというのは、本当におかしいですよ」

   森は根っからの女性差別主義者なのだ。このような人間を組織委会長に祭り上げたのは安倍首相(当時)である。その責任も問われなければいけないはずだ。

   居座るかと思われた森だったが、家族のアドバイスもあったのではないか、辞任する意向を固めたようだ。後任は元サッカー協会会長で選手村村長を務める川淵三郎で調整するという。

   川淵が受けるかどうかわからないが、彼は先般、「スポーツは選手と観客が一体にならなければいけない。無観客でやるべきではない」といっていたから、今夏のオリ・パラ五輪開催はさらに難しくなるはずだ。「呪われた五輪」という言葉が思い浮かぶ。(文中敬称略)