J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

3月25日から始まるオリンピック聖火リレーのウイルス対策まとまったが、それで開催へと押し切るのか?

   東京オリンピックの聖火リレーは来月25日(2021年3月)に福島県をスタートする予定で、大会組織委員会の橋本聖子会長が新型コロナウイルス対策を発表した。

   都道府県をまたいでの応援は控え、沿道ではマスクを着用して大声は出さず拍手だけ、点火セレモニーは無観客、密集が発生したらリレーを中断するとしている。できるだけインターネットのライブ中継で見るようにすすめていて、いつどこを誰が走るかなども30分前まで発表しないという。

   また、ランナーには2週間前から会食や密集する場所への外出自粛、走行1週間以内にPCR検査、走行中もマスク着用を求めている。著名人ランナーは、さすがに田んぼではないが、立ち入りを制限できる学校や公園、競技場で走り、公道の場合は周辺を通行止めなどにする。

   なんとも寂しいリレーになりそうだが、キャスターの国山ハセンは「これで本当に安心安全に開催できるのでしょうか」と、ゲスト出演の歌舞伎俳優・市川海老蔵に振った。「えっ、いきなり私からですか」と海老蔵は苦笑しながら、「やるっていうこと最前提としたお話だから、(これらは)最低限やらなければいけないことなんだろうなと見てました。インターネットのライブ中継でというのは、いまの時代にはフィットしてますよね」

聖火ランナー辞退した田村淳も疑問視

   聖火ランナーを辞退したメインコメンテーターの田村淳「ここまでやらないとできないということならば、(リレー実施を)ありきだけでなく、かりになかったらどうだろうっていう議論があってもいいと思いますね。30分前に告知というのも、人を集めないためというなら、告知しないほうがいい」

   キャスターの立川志らく「そもそも、オリンピックをやるかやらないかわからないじゃない。世論の8割がやんないほうがいいという中で、聖火リレー実施についてうんぬんというのはおかしい」

   海老蔵も「コロナが落ち着いて、コロナを越えられたという大会になるなら」と、「(大会開催より)感染症対策の優先度が高い」という。

   日本医科大の北村義浩特任教授は、組織委のガイドラインは「感染対策としては不十分だ」と指摘する。ランナーが2週間前から会食を自粛しても、会食以外でも感染するし、PCR検査後に感染する可能性もあるからだ。

   菅内閣やオリンピック関係者は、聖火リレーをスタートさせてしまえば、開催に慎重な8割の世論を押し切れると踏んでいるのだろう。