J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「呪われた東京五輪」 4人目の開会式演出者・佐々木宏がお粗末な"蔑視"ギャグで辞任 前任者MIKIKOをクーデターで追い出していた!

   東京オリンピックの開会式は、渡辺直美をブタに見立てて、宇宙人家族が飼っているブタが空から降り立つという案はどうか。「オリンピッグ」。なんちゃってね(これは私の言葉)。

   三流のお笑い芸人でもやらないお粗末な"蔑視"ギャグを、開会式の演出を担うメンバーにLINEしたのは、広告業界で"天皇"といわれている元電通出身の佐々木宏という人間だというから呆れる。

   彼の仕事は、缶コーヒーBOSSの「宇宙人ジョーンズ」やソフトバンクの「白戸家」だそうだ。

   私は、作家の山口瞳がサントリーの前身寿屋の宣伝部にいた時に考えた「トリスを飲んでHawaiiへ行こう」というのが最高のキャッチコピーだと思っている。今の人には分からないだろうが、外国旅行など夢のまた夢だった時代、トリスという安ウイスキーを飲んだらハワイ旅行が当たるというのである。日本人がハワイに憧れるようになったのは、あのコピーのなせる業であった。

   それに比べると彼のは、CMが終わるとすぐに忘れられる程度のものだと、私は思う。

   少し前に森喜朗の女性蔑視発言があったばかりだが、時系列でいうと昨年の3月5日だから、こちらのほうが先である。

   もはや「呪われた東京五輪」というしかないが、最初、東京五輪の開会式の演出を任されたのは映画監督の山崎貴だった。山崎の提案が非現実的だとして、次に能楽師の野村萬斎を据えたが、「茶室が空を飛ぶ」という突拍子もないものばかりで降板。

   3人目は、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の恋ダンンスを手掛けた演出振付師のMIKIKO。彼女は不眠不休で企画案をつくり2か月で完成させ、IOCから絶賛されたという。

   だが、彼女のチームの一人、電通社員の菅野薫が、デイリー新潮に「部下にパワハラをしている」と報じられ、懲戒処分になってしまった。サポート役を失ったMIKIKOの前に現れたのが、森喜朗をバックにした佐々木だった。

   MIKIKOが「ストーリー作りができる人材を紹介してほしい」と相談すると、ここぞとばかりに「自分がやる」といい出したというのである。そうして広告界の"天皇"が心血を注いでつくり上げたのが、冒頭の案だったのだ。

   MIKIKOは「女性目線かもしれませんが、理解できません」とLINEに投稿。男性メンバーからも「眩暈がするほどヤバい」と批判が出て、周囲に佐々木は「冗談だった」と弁解したようだ。だが、そこから佐々木のクーデターが始まったという。

   完成形に近づいていて、約500人の大所帯になっていたMIKIKOの案を無視して佐々木は、「一人で式典をイチから決めたい」といい出したというのである。

   だが、IOCからMIKIKO案のほうがいいといわれ続けたため、あろうことか彼女の案を了解も取らずに勝手に切り張りして企画をつくろうとしたそうだ。

   500人にも及ぶチームは放置されたままで、次の仕事を入れられない。MIKIKOは辞任を考えるが、それではチームの人間たちに申し訳が立たないと悩み、体調を崩してしまった。

   自分も右下肢機能を全廃した障害者パフォーマンスイベントの第一人者、栗栖良依に対しても、プレゼン直前に同席させるだけで、栗栖は「道具みたいに扱われ、責任ある仕事をさせてもらえない」と嘆いていたという。

   ついにMIKIKOは辞任を決意する。組織委の武藤敏郎事務総長に出した辞任届には、佐々木から企画案をもらったが、「その内容は、ライブ演出の実務からしても非合理的かつ非現実的で、(中略)到底納得できるものではありませんでした」と痛烈な批判の言葉が書かれていた。

   そこにまた、女性蔑視の元締めである森喜朗が、彼女にこういったという。「あなたが女性だったから、佐々木さんは相談できなかったのでは」。さらに事を荒立てるなとくぎを刺したそうだ。

   当然だが、式典の責任者がころころ変わることで、当初の予算から数十億円も膨らんでしまっている。その責任の一端が佐々木にあることは間違いない。

   佐々木は今日(3月18日)、辞意を表明したが、私にいわせれば「逃亡」したというべきである。佐々木は『創』(4月号)の広告クリエイタ―特集の中で、オリパラに関わっているが、オリンピック憲章が素晴らしいと語っている。

   この男、憲章の中に「オリンピック・ムーブメントの目的は、いかなる差別をも伴うことなく」とあるのを知らないようだ。万が一五輪が開催されても、差別と排除の精神ばかりが目立つことになるだろう。

NTTの澤田社長と会食していた武田総務大臣

   さて、やはりというべきだろう。予算委員会で「NTTの澤田社長と食事をしたことがあるか」と問われ、20数回も「国民の皆さんから疑念を招くような会食に応じることはない」と答えていた武田良太総務大臣だったが、内心の"動揺"は見え見えだった。

   文春は、不毛なやり取りに憤ったNTT関係者から情報が寄せられたというが、早くから掴んでいたと思う。武田総務相が冷や汗をかいてビクビクしている顔の前に、「実は」といって差し出したのが、昨年11月11日の澤田社長らとの会食の件だった。

   場所はパレスホテル東京の6階にある和食店「和田倉」。澤田と武田のほかに、NTTドコモ独立社外取締役の遠藤典子、それにJR東海の社長、会長を歴任した葛西敬之名誉会長もいたという。

   9月29日に澤田社長はドコモの完全子会社化を発表していた。会食の頃は、ドコモのTOB(株式公開買い付け)の真っ最中で、史上最大といわれる4.2兆円規模のTOBが完遂されたのは、この日から6日後だった。

   「そんな時期にNTTの事業計画を認可する総務大臣とNTTトップ、ドコモの社外取締役が会食していたとは絶対に知られたくなかったのだろう」(文春)

自民党への入党強制していた澤田社長

   私は先週、総務省とNTTの接待スキャンダルは、NTT内部の反澤田の人間たちがリークしているのではないかと書いた。案の定今週は、澤田社長の思想信条が問われている。

   澤田は、保守思想の持ち主で、普段着は迷彩服、社長室にはゼロ戦の模型が置いてあるという。

   「そういう保守思想が一部の自民党議員からシンパシーを持たれています」(澤田の知人)。迷彩服やゼロ戦好きはまだいいが、部課長に自民党への入党を強制するとなると、「憲法上の『結社の自由』(第21条)が侵害されていることになる」(上脇博之神戸学院大学教授)

   NTTで管理職になると、自民党支持組織である情報通信懇話会への入会を義務付けられ、現金を徴収される。選挙時には街頭演説などの動員がかかり、年次有給休暇を取得して参加するそうだ。

   秋には各部の総括部長が責任者になり、自民党に入党するよう指示が出され、党員申込書が配られ、年会費6000円を払わされるという。これは「メール禁止」で、すべて口頭で行われる。

   これは澤田が社長になってからよりプレッシャーが強くなってきたそうだ。

   NTTが政府が発行済株式総数の3分の1以上を保有している特殊会社だとはいっても、これでは自民党の丸ごと支援団体ではないか。

   総務省スキャンダルでは、既に谷脇康彦審議官が辞任している。武田総務相、澤田NTT社長も辞任に追い込まれるか。文春はまだまだ手持ちの札はありそうだ。

小室圭とメーガン妃との意外な共通点

   新潮はトップで、「人種差別発言」で英国王室を震撼させているメーガン妃のように、小室圭が眞子さんを操り、結婚後は、「状況次第でテレビ出演や暴露本出版、ユーチューブなど、あらゆる手で収入を得ることに躊躇しないでしょう」(皇室ジャーナリスト)と、報じている。

   眞子さんが小室圭と結婚すれば、一時金として出るのは約1億4000万円といわれる。だが、ヘンリーとメーガンは、今回のテレビのインタビューで数億円は手にしたといわれ、Netflixと結んだ契約金は約170億円、夫妻が立ち上げたオーディオ制作会社が配信会社スポティファイと結んだ契約がおよそ45億円、講演料は最高で1億円になるというから、桁が違う。

   実は私も、昨日の夕方配信されたプレジデント・オンラインに、「小室圭は皇室にとってのメーガン妃になる」という主旨で書いている。詳しくはそちらを読んでいただきたいが、小室とメーガンには意外な共通点があるのだ。

   「2人が結婚したら、どのような夫婦になるのか。私は、ヘンリー王子とメーガン妃のケースを見ていて、男女の違いはあるが、小室圭がメーガン妃になるかもしれないと考え始めている。

   牽強付会といわれそうだが、メーガン妃が女優として有名になったのは、テレビドラマの『SUITS』だったが、彼女の役はパラリーガルなのである。試験が苦手で司法試験を受けないが、調査をやらせれば弁護士事務所随一の美人でセクシーな女性だ。

   小室圭も日本でパラリーガルをやりながら、弁護士資格を取ろうと勉強していた。ニューヨークのロースクールへ入り、この夏には晴れて弁護士になるといわれている。

   そうした人間から、今の皇室はどう見えるのだろう。英王室以上に古い体質をそのまま残した"因習"の総本山のように見えるのではないか。ニューヨークにいればなおさらのことであろう」(プレジデント・オンラインより)

   新年の皇室行事の締めくくりである「歌会始の儀」が3月26日に行われる。その後、秋篠宮眞子さんが会見を開くという噂もある。静かだが、何かが始まる予感がする。

   新潮は今週も、イベルメクチンを早く承認すべきだ、これで命を守れると主張している。たしかに、イベルメクチンへの期待感は高まってきているようだが、難問がいくつもある。アメリカ医学誌『JAMA』は、コロンビアでの治験結果が発表されたが、症状が解消するという統計上の有意差はなかったとしている。

   さらに、製造元のメルクも、「新型コロナに対しての安全性と有効性は示されなかった」と発表し、増産するつもりはないと明言しているそうだ。

   だがメルク側の思惑は、イベルメクチンは1錠671円にしかならないが、コロナの新薬を開発すれば、1錠数万円になる。レムデシビルは1人分が24万円だそうだから、はるかに儲かる。

   要はカネの問題だというのだが、本当だろうか。厚労省も効果がないと判断しているようだが。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。