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「俺の家の話」長瀬智也が死んでいたなんて!最終回の衝撃に号泣と感謝の声...「クドカンの伏線スゴすぎ」「竹内結子さん、山口百恵さんへのオマージュも」「プロレスラーの名前にも長瀬智也へのはなむけが」

   長瀬智也主演のTBS系ドラマ「俺の家の話」の最終回が3月26日放送された。のっけから主人公の寿一(長瀬智也)がすでにこの世を去っていたという予想外の展開と、次々と回収されていく伏線に、「嘘でしょ」「あまりに辛い話で涙が出てきた」「これは役者を引退する長瀬に対するクドカンの愛の餞別だ」と、驚きと感動の声が寄せられた。

  • ドラマを見て亡き父の「兄弟仲良く」という遺言を思いだした人も(TBSテレビの公式サイトより)
    ドラマを見て亡き父の「兄弟仲良く」という遺言を思いだした人も(TBSテレビの公式サイトより)
  • ドラマを見て亡き父の「兄弟仲良く」という遺言を思いだした人も(TBSテレビの公式サイトより)

寿三郎は寿一を「観山家の人間家宝」と初めてほめた

   前回は、危篤状態となった寿三郎(西田敏行)のためにバラバラだった家族総出で寿三郎を励まし、命が助かる奇跡を起こした。今回の冒頭は、寿三郎を交えたいつもと変わらない観山家の食卓。元気になった寿三郎は、機嫌よく寿一(長瀬智也)に語りかけるが、さくら(戸田恵梨香)、踊介(永山絢斗)、舞(江口のりこ)ら家族はみな複雑な表情を浮かべる。

   寿一は能楽会で舞う「隅田川」の稽古に励むが、稽古中に寿限無(桐谷健太)に明かりを消されるなど、どこか変な雰囲気。迎えた能楽会の日、寿一は会場に姿を表さない。そこで、実は寿一がスーパー世阿弥マシンとして戦ったプロレスの事故で、この世を去っていたことが明かされる。家族と食卓を囲む寿一は寿三郎にしか見えていないのだ。クライマックスは能楽会の舞台。寿一の姿が見える寿三郎は息子に語りかけ、初めてほめる。周りの人々を笑わせ、奮い立たせ、人の分まで戦ってきた寿一を「観山家の人間家宝」とほめたたえた。

   最終回では、宮藤官九郎が脚本に仕掛けた伏線が怒涛のように回収された。「隅田川」は、亡くなった子を探し求める親の話。お通夜も寿三郎のために寿一が葬儀屋に頼んでいた段取りで。戒名は長州力が寿三郎のために考えた名。遺影には25年ぶりの家族旅行での写真が使われた。

   ネット上では、こんな称賛の声があふれた。

   「全く予想外の展開で驚いた。正に泣き笑いの展開。完全にやられました。あれだけ頑張っていた寿一にはさくらさんと幸せになって欲しかった。だけど、長瀬くんの有終として観る側から考えたら、あの役回りは脚本家からのベターなアンサーだったかも知れませんね。クドカン凄ぇわ。西田敏行さんも素晴らしい。泣きの演技で寂しくもあり、納得のファミリードラマだ。まあいつか、長瀬くんとみなさん、ご一緒にお久しブリザードッ!したいですよね」

まさかの叙述トリック!「シックスセンス」を見た時の衝撃

   「1話目の、父に褒めてほしかったという寿一の望みが、最後に回収されましたね。この世に未練がなくなった時、寿一は静かに旅立った。息子の死を受け入れられない寿三郎に『隅田川』が重なり、胸が苦しくなるほどでした。スカイツリーのような、大きくて、でも我欲のない『妖精』。いなくなるべく描かれていた人だったのだなと、思い当たります。強烈な余韻が今なお続いています」

   「寿一が亡くなったと分かってから、何度テレビの前で泣いたことか。寿三郎が寿一を人間家宝と初めて誉めた時に、寿三郎がこれまで寿一をなぜ誉めなかったかについて、『だって誉めたら終わりだもの』と言った後、寿一が消えるシーン一晩中頭から離れませんでした」

   宮藤官九郎の脚本のスゴさに舌を巻いた人が多かった。

「まさかの叙述トリック!映画『シックスセンス』を初めて観た時の衝撃を思い出しました」

   「クドカンさんの脚本にはやられました。大どんでん返し。先週のエンディングから、最終話は寿三郎さんが亡くなり、そのお別れシーンだと勝手に思い込んでいました。寿一のビデオメッセージが、リアルに長瀬くんからのファンへの言葉のようにリンクして、そこからはもう号泣。シリアスな場面の中に『シックスセンス』の言葉遊びをぶっ込んで、笑ったり、泣いたり、驚いたり。大忙しでした。西田敏行さんのお芝居も、格の違いを感じる熱演。それぞれの役者さんが活きていた。宮藤官九郎って人の凄さを見せつけられた想いです」

竹内結子さんが長瀬君の共演した愛妻役が「さくら」だった

   宮藤官九郎の仕掛けには細かい点まで配慮が行き届いているという。たとえば、プロレスラーの名前だ。

   「ブリザード寿が憧れていたブルーザー・ブロディは実際に42歳の時、ホセ・ゴンザレスという人に刺殺されるのですよ。長瀬君も寿一も42歳。最初にブルーザー・ブロディが出てきた時から伏線は張られていた。そこまでプロレスに詳しくないので後で知りました」

   「私もWikipediaでブルーザー・ブロディを調べてみました。家族思いの穏やかな性格だったとも書かれていました。寿一そのものですね」

   「寿一がさくら(戸田恵梨香)をプロレスリングの上から『さくら!』と叫んだ時、一瞬で『ムコ殿』の桜庭裕一郎の『さくら!』が頭に蘇った。以来、さくらのネーミングは長瀬智也の過去作品へのオマージュであると共に、竹内結子さんへの追悼の意味があるのではとずっと思ってきた(編集部注:『ムコ殿』は2001年のフジテレビ系ドラマ。長瀬智也が主演、竹内結子さんが『さくら』という名前で妻役を演じた)。今日、ムコ殿で桜庭裕一郎が歌っていた『ひとりぼっちのハブラシ』が無性に聞きたくなりYouTubeを漁った。長瀬智也の甘い歌声と共に流れた映像は、ムコ殿のさくら・竹内結子さんと桜庭裕一郎の泣き笑いの姿」

亡くなった父の遺言「兄弟仲良く」を思いだした

   親子、兄弟、家族のことを考えた人が多かった。

   「子どもと親の関係性、兄弟との関係性の難しさと大切さ。戦後、個人の尊重だけが学校で教えられた。それにより子供と親の絆、兄弟の絆が軽んじられた。95歳で亡くなった親戚のおばあちゃんが4人の子供に口癖のように言っていたのが、『兄弟仲良く』。その子供たち(70歳台)は、葬儀の時もみな仲良しだった」

   「我が父も、遺言は『きようだい仲良く』でした。わがままになりがちな身内だけど、この言葉を思い出し生きています。家族の大切さを再確認出来たドラマでした」

   「冒頭、火葬場の煙突から始まったから、じゅじゅ逝ったか...と思ったら、じゅじゅがいて安心したのに。途中、風呂介助から上がった寿一があっという間に紋付き袴に着替えていて...ちょっと違和感があったが、まさかね。違和感といえば9話の最後、試合に臨む場面も嫌な気分の終わり方だった。このドラマは能、プロレス、親の介護が基本線だが、最後に人間いつ死ぬかわからないというメッセージもあった。親より先に子が死ぬことも普通にある。今を精一杯生きよう」

役者・長瀬智也くん、ゼァ!戻ってきてほしい

   改めて「役者・長瀬くん」のスゴさに感動した人も多かった。

   「長瀬智也さんのための最高のはなむけの最終回だった。もう、戻らないんだという長瀬さんの決意と、それを見送るスタッフの総力が映像に投影されていた。昭和の名優三船敏郎さんは目ヂカラと華のある役者で、彼が画面に入り込むと、モノクロであっても色が入る気がした。長瀬智也さんも同類の要素を持つ人だと思った」

   「寿一が風呂桶持って舞台脇に出てきた時の演技は秀逸でした。何か言いたげで、所在なさげで、自分が亡霊であることを理解できず、混乱と不安の表情。生きている人間に諭されて、徐々に自分がこの世にいないことを受け入れていく。切なくて涙が出る。本物の幽霊って、きっとこんな顔をしているのだろうな。長瀬くんはやっぱり天才です」

   「役者としての長瀬智也、『白線流し』も大好きだった。こんないい役者...やめてほしくない。役者としての長瀬智也をこれからも見ていたい。ゼァ!戻ってきてほしい」

   「横にいる中学生の長女にドン引きされるくらい号泣してしまいました。長瀬智也、褒めたら終わっちゃいそうな気がするから褒めません。リングに仮面を置いて去ったラストは、ステージにマイクを置き2度と舞台に戻らなかった山口百恵ちゃんへのオマージュか?と思いつつ、大先輩であり名俳優の西田敏行氏に引けを取らない演技合戦。寂しいけど、ありがとう」(テレビウォッチ編集部)