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青山学院大学で1年遅れの入学式 オンライン授業から少しずつ対面授業もスタート

   東京・渋谷区の青山学院大学で3月31日(2021年)、1年遅れの2020年度入学式が行われた。去年4月は新型コロナウイルスの影響で入学式が中止となっていた。式は2回に分けて行われ、1年間オンライン授業を余儀なくされていた新2年生たち約4600人が出席した。壇上に立った阪本浩学長は「心から歓迎します。これを伝えないと2020年度を終わりにできなかった」と挨拶した。参加した学生は「ずっとオンライン授業で孤独だった」「入学式を開いていただいて、やっと青学生の一員になれた」と喜んでいた。

   文部科学省によると、昨年は77.9%の大学が入学式を延期や中止にしている。

   新2年生でアナウンサー志望の女子学生は「1年遅れでも対面で同級生に会えるのは楽しみ。高校の卒業旅行もできず、大学が始まっても友達作りも一苦労だった。"青学"のツイートを見つけて友達を探した1年だった」と話す。彼女は体育会射撃部に所属したので少しだけキャンパスに通学したが、授業はすべてオンラインだったという。そして「1日10時間パソコンと向き合う日々で、キャンパスライフが亡くなって、孤独感があった。空白の1年だったと思う」と振り返った。

   青山学院大学が1年遅れの入学式を決めたのは12月。内田達也副学長は「入学式は大事な機会。今の1年生だけ行わないのはよくないと考えた」と話す。

上智大、中央大、明治大、京都大、同志社大、立命館大などでも1年遅れの入学式

   青学以外にも1年遅れの入学式の実施を表明した大学は、東日本では上智大、中央大、明治大、西日本では京都大、同志社大、立命館大など。

   上智大学で3月29日に行われた1年遅れ入学式に出席した新2年生女子は「やっと実感がわきます」とコメント。彼女の母親によると「いつもオンライン授業だったので、"ちょっと買い物付き合わない?"って言おうにも、ちょっと声を掛けづらかった」と、この1年を振り返る。事実、授業は毎日オンラインで5時間。レポートの提出に3時間、多いときは10時間かかった日もあったという。母親は「授業中には声を掛けられないし、掃除機をかけるのもできなかった。授業料には施設利用料も含まれていると思う。学校に行けないなら授業料も考え直してほしいなんてことを娘と話していた」と告白した。

   彼女がこの1年でキャンパスに通学したのは、集中授業があった5日間だけ。同じクラスの仲間と対面で話せたのもこの時だけだった。それだけに、1年遅れの入学式は「すごくびっくりしたが嬉しかった」と言う。

   情報キャスターの森圭介アナによると、上智大学では去年オンライン授業が9割だったが、今年は8割を対面授業に、青学でも去年8割だったオンラインから今年は対面授業7割に変えるという。

   この日から木曜レギュラーコメンテーターに就任した"みちょぱ"こと池田美優は「彼女たちの姿を見て、自分が情けなくなった。19歳なのに偉い」とコメント。

   MCの加藤浩次が「友達と大学で会えると、つい集まってお酒となりがちだが、感染リスクが高くなるので、それは控えないといけない」と指摘すると、経営コンサルタントの坂口孝則は「彼らは1年たって大人になっているのだから大丈夫だと思う」とコメント。

   森アナは「2年分の入学、おめでとうございますと言いたいです」とまとめた。