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「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」ハッピーエンドに感動と疑問の声「モコミ、樹木医頑張って」「母親をディスりすぎ」「不倫した祖父がお咎めもなく一家に君臨する家父長制ドラマ」

   小芝風花主演のテレビ朝日系ドラマ「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」の最終回が4月3日(2021年)に放送され、ハッピーエンドの大団円を迎えた。モコミのモノや植物と話せる能力が復活、「樹木医になる」という目標が見つかり、ネット上では「よかった、よかった」「ホッコリする」「私も育てる植物が増えました」という感動の声が起こっている。

   一方で、「母親をディスりすぎでしょ」「不倫したお爺さんにお咎めのない家父長制のドラマ」という批判の声もみられた。

  • モコミはモノや植物の声が聞こえるようになり、トミーと再会(テレビ朝日の公式サイトより)
    モコミはモノや植物の声が聞こえるようになり、トミーと再会(テレビ朝日の公式サイトより)
  • モコミはモノや植物の声が聞こえるようになり、トミーと再会(テレビ朝日の公式サイトより)

モノや植物と話せる能力が復活したモコミに目標が

   物語は、行方がわからなくなったぬいぐるみのトミーを捜すため、モコミ(小芝風花)は木々たちに居場所を知らないか問いかける。すると、モコミの祈りが通じたのか、再びモノたちの声が聞こえるように。木々たちに導かれ、モコミはついにトミーとの再会を果たす。

   モコミは以前より積極的に。職場に復帰し、仕事に行く前に佑矢(加藤清史郎)とジョギングを開始。そこには「樹木医を目指す」という願いが秘められていた。父の伸寛(田辺誠一)も山梨への移住に向け、不要なものを処分し始める。母の千華子(富田靖子)に東京から離れる気はなく、伸寛は1人で田舎暮らしを始める準備を進める。

   そんな中、千華子は少しずつ父・観(橋爪功)との関係を改善していく。娘に優しくされた観はなぜ音信不通だった千華子たちの前に現れたのか、真相を明かす。一方、モコミや伸寛の前向きな姿に感化された兄の俊祐(工藤阿須加)も自分の本当の夢と向き合い始める。モコミたち一家全員が大きく変わっていくラストだった。

結局、みんながやりたいことをやる離散家族に

   ネットではこんな声があふれた。

   「大団円って感じ。樹木医という選択は才能を生かせる仕事だし、良かった。 結局みんなバラけちゃいましたが、それぞれに幸せな方向に進む予感がして心が和んだ。ラストは挿入歌がとても合っていて、すごくいい終わり方だった」

   「モコミだけじゃなくこの家族、ちょっとずつみんな変だった(笑)。でも最後はそれぞれ皆自分のやりたいことができて良かったと思う。総合的には根っこは皆いい人だから安心して観られるドラマだった」 「お母さんがお父さんとよりを戻して、結局家族皆がやりたいことやることになって、悪く言えば離散家族ですね。私も去年まで1個しか植物を育てていなかったですが、いまは6個に増えました。モコミの影響だと思います。これからも、愛情を持って育てていきたいと思います。モコミもっこ欲しいな」

   「小芝風花が一番可愛いし本当に良かった。ただ最後の仕事中に『〇〇取って』って言われているのに、待たせて佑矢君と話すのはちょっと(笑)」

このドラマは母親・富田靖子の物語だ

   このドラマは母の物語だったという人が多かった。

   「最後までぶれなかったドラマ。最後まで奇をてらわず、このドラマらしい最終回でした。ラストらしくみんなが色んな形で人生を変え始めたけど、富田靖子さんのお母さんが一番よかった。モコミが母に言い返した言葉が、このドラマの核心をついていた。母はこのドラマでもっともイメージのよくない人だったが、この人の存在があってこそ家族はまた希望を持つことができた。モコミのドラマに見えるが、母の物語でもあった。兄、祖父、父、モコミの彼氏とみんなの人生が大げさに演出されず、でも上手く軽やかにアンサンブルを奏で、モコミをひきたてた。ラストシーンも静かに幕を閉じ、主人公たちを見送った」

   「最初から最後まで母親が諸悪の根源にされたドラマです。最後に取って付けたように母親へ感謝のコトバを突然口にするのは、母親を罵ったモコミに免罪符を与えるために過ぎない。これだけ母親をコケにしたドラマは最近珍しい。性的トラウマを植え付けた父親を拒否し、自分の事を後回しにして夫や子供たちの事だけを考えて母親として頑張ってきたこの女性をいったいどうすれば『毒親』などと断罪できるのだろう」

ある意味、古い家父長制のドラマではないか

   一方で、古い家父長制のドラマではないかという指摘も。

   「おじいさんが良い人ポジションなのに違和感。不倫して、どっちも好きだった、後悔していないって開き直ったらって娘の富田靖子さんにすれば許せないと思う。せめてお母さんを傷つけたことを後悔していると富田靖子さんに言わなきゃでしょう。富田靖子さんは、お母さんが大好きだった、帰らないおじいちゃんを待って涙を流しているところを見たから、あんなにおじいちゃんを嫌いだったと思う」

   「浮気をしても何のお咎めなく一家に君臨するお爺さんに、娘夫婦も孫たちも付き従っていれば幸せなのだと主張しているように見える。母親は父親や夫をひたすら立てて子供たちにもただ尽くしていればいい、という理屈だろうか。家父長制こそ家庭のあるべき姿だと言いたいのだろうか」(テレビウォッチ編集部)