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シェア買い「達成感」の魔力 「お得」だけではない「ハマる理由」

   「シェア買い」がコロナ禍でお家時間が増えたため注目されているという。MCの谷原章介は「オレもコストコで近所の人の分まで買うことはある」と言うが、そういうことじゃないらしい。

   シェア買いとは複数の人、まったく知らない人同士が集まってネットやアプリで同じ商品を購入することで、お得で楽しいと人気なのだそうだ。そのサイトを見てみると、例えば加湿器が63%オフ、野菜ジュース48本セットが65%オフ、加熱式マッサージクッションが66%オフになっている。なぜこんなに安くなるのか?

  • アプリを使って「シェア買い」する人も。
    アプリを使って「シェア買い」する人も。
  • アプリを使って「シェア買い」する人も。

企業側のメリットは?

   谷原は「売れ残りだから」と言うが、それも間違い。

   実際にシェア買いをしている主婦を取材。日用品から今着用しているピアス、化粧品を割安で購入している。ピアスは64%引きで750円、マスカラは1980円が730円になったという。主婦の説明によると「友人や家族と一緒に同じ商品を購入すると、1人で買った時の価格よりもずっと安く買える仕組み」という。

   企業側から見ると、3本セットの品物を1人に売っても3本だが、5人に売れれば15本。一度にたくさん売れるので値段を下げられるためだ。この主婦はこれまで1580円のマスクセットを81%引きの298円で買うなど、16品目をシェア買いして合計4万6000円分お得に買ったという。

   これを聞いた谷原は「なんでオレ、これまで教えてもらえてなかったんだろう?」とコメント。お笑いタレントのカズレーザーは「うがった見方をすれば、単品で売れる商品ならこんな売り方をしないと思う。在庫が余っている商品なのでは」と疑心暗鬼なツッコミを入れ、「そもそもどういう人が利用しているの?」と聞いた。

   プレゼンターの横山ルリカによると、友人・知人・家族以外に、知らない人をネットで募集することもでき、しかも購入者それぞれに戸別配送してくれるという。

「フードロス対策にもつながるんですね」

   取材した主婦が使っているのは「シェアモル」というアプリ。買いたい商品の画面にある「グループを作る」ボタンを押して仲間を集めることができるし、誰かが作ったグループと一緒に買うこともできる。なかには100人集まれば81%割引されるという人を集めるハードルが高そうな商品もあるが、「集まっちゃうんです」と主婦は言う。

   実際に消毒用アルコールジェルを買う人を募集すると、たった15分で人が集まり、無事に購入できた。主婦は「この達成感を味わうために使ってるという面もある」という。また、友達と一緒に買い物した気分にもなれるという。

   俳優の山下真司が「安い! 企業は儲かるんだろうか?」というと、プレゼンターの横山は「儲かるからやるんです」。谷原の「赤字でしょ?」にも、「赤字だったらやりません。メリットがあるからやるんです」という。カズレーザーは「シェアで買う分、広告費かからないから、そのぶん値下げできる」。公認会計士の森井じゅんも「消費者自身が企画して、宣伝。口コミは効果が大きいので企業のメリットは大きい」と解説。

   実際にシェア買いサイトに出店している広島でクリームパンが有名な八天堂は「コロナの影響で店舗を縮小し、売り上げも半分に落ち込んでいた。シェア買いアプリ『カウシェ』から依頼され出品したところ、賞味期限が切迫した180セットが2日以内で売れた。ありがたかった」と話した。

   永島優美アナは「フードロス対策にもつながるんですね」と驚いていた。

(バルバス)