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ワクチン追加「実質合意」の深層 「本当なら」喜びたいが...

   新型コロナウイルス感染症の急拡大を受け、小池百合子・都知事が「東京に来ないで」と発言したことについて、黒岩祐治・神奈川県知事が「無理だと思う。笑っちゃいますよ」と酷評した。

  • 「東京に来ないで」発言の波紋も。
    「東京に来ないで」発言の波紋も。
  • 「東京に来ないで」発言の波紋も。

「東京に来ないで」発言めぐり賛否

   小池都知事は15日(2021年4月)、「都外に住むみなさんは、エッセンシャルワーカーなど、どうしても出勤が必要な人以外は、可能な限り東京に来ないでください」と発言した。

   これに対して、黒岩知事は、「小池知事から前日に電話があって、エッ?そこまでやるんですかって、私笑っちゃいました。実際問題、無理だと思う。飲食の時に飛沫が飛び交う、これが一番危険」と話した。一方で、大野元裕・埼玉県知事は、「都知事が都の状況を見て言うのは当然だと思う」とした。

   4都県知事は「都県境またぐ移動は生活に必要な場合に限る。飲食店でのカラオケ利用自粛。路上飲み自粛」との共同メッセージを出した。

   これについて、日本医科大の北村義浩・特任教授は「人流を抑えるということがもっとも効果的。みなさんが4週間うちにいたら、コロナは日本列島からなくなる病気ですから。悪くはないメッセージだと思う」。

「ファイザーと電話は日本でもできる」

   訪米中だった菅義偉首相は、ワシントンからニューヨークのファイザー社のCEOと電話会談し、「9月末までに(16歳以上の)全対象者にワクチンの追加供給を受ける」ことで実質的に合意した。現在の契約は年内に7200万人分(1億4400万回)だが、1億1000万人分となる。今のところ、医療従事者への接種は5月の連休明けには終わり、先週月曜日に始まった約3600万人の高齢者への接種は6月末までには完了見込みとされているが、残りの人々が9月末までに終了することになる。

   北村教授は、「これが本当なら素直に喜びたいな、と思うが。実質的な合意、となると、国民に真意は伝わらないなと思う」。

   コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日)「ファイザーとの電話なんて日本でもできる。わざわざアメリカへ行く必要なんて微塵もなくて。会おうとしたんだろうけれど、ファイザー側からNGだったと考えるのが自然でしょうね。アメリカは7月4日の独立記念日までに終わりますので、それ以降は日本に振り向けるようにできます、とバイデン大統領との会談で言ってもらった方が。その言質も取れなかった」

   へたな演出よりも、ワクチンの「実質的な確保策」を考えようよ。

(栄)