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谷原章介「五輪のため?」 宣言延長「イベント規制」に緩和案

   7日(2021年5月)の専門家による分科会で、11日に期限が切れる4都府県への緊急事態宣言は5月末まで延長され、さらに12日からは愛知県と福岡県にも宣言を発出することを決定する見込み。6日のぶら下がり会見では「GW中の人の流れは減少した」とだけ何度も繰り返した菅義偉首相。しかし、連休明けの6日朝、JR品川駅ホームは通勤客で溢れていた。

   緊急事態宣言延長と同時に休業要請は一部緩和される見込みで、百貨店などの大規模商業施設の休業要請は午後8時までの時短要請に緩和、現在無観客としているイベントは観客を収容人数の半分まで(上限5000人)に緩和する方向。だが、飲食店については午後8時までの時短要請と酒類の提供自粛を継続する方針だ。

  • 宣言延長で人流はどうなるのか
    宣言延長で人流はどうなるのか
  • 宣言延長で人流はどうなるのか

従わない人が出るよりも...

   しかし、小池百合子東京都知事は「変異株に入れ替わっており、緊急事態宣言を解除できる状況にはない」、吉村洋文・大阪府知事は「大阪の医療状況を考えたら宣言は延長。休業要請も緩めるべきではないと考える」と、政府の方針に反対している。

   東京・中野駅近くの繁華街では多くの飲食店が休業、池袋のライブハウスは「休業が月末までになると経営が厳しい」と嘆く。日本百貨店協会は可能な限りの営業の拡大を、音楽の業界団体は無観客開催要請の撤廃を訴えている。

   政治ジャーナリストの田崎史郎氏は休業要請の一部緩和について「大型連休中に短期集中で行ったものなので、連休が終わり緩和するというもの。要請を延長しても従わない人が出てくることより、緩めたほうがいいと判断した」と解説。

   休業に対する補償制度はあるが、手続きがものすごく遅れており、1月の休業支援金については支払いが行われた割合は半分に満たないという。

   ミュージシャンの山村隆太は「人流抑制なのか感染対策なのか。ライブで感染が拡大したというエビデンスはなく、人流抑制のためにライブを延期したが、対策を行なえばライブは安心と発信しないといけなくなる。どこまでが安全なのか線引きをしてほしい」と訴える。

「特にイベントはリスクが高く...」指摘も

   これにお笑いタレントのカズレーザーは「いたちごっこになっている。政府は要請しやすいことを続けていて、何も変わっていない。変異株が理由と言うなら別の施策を行わないといけない」と指摘。

   昭和大学医学部の二木芳人客員教授は逆の意見で「宣言を延長するならば緩和すべきではない。特にイベントはリスクが高く、緩和対象から外すべきだと思っている。実際、他国ではイベントは一番最後に再開される。今までは大丈夫だったとしても、変異株が増えている今、5000人の人が集まるイベントには無茶がある」と主張。

   フジテレビ解説委員の風間晋は「イベントで何かがあっても、それを飲食店で起きたことにしてきたのだと思う。イベントでは座席まで追いかけるのは厳しいので、イベント前後に訪れる飲食店で処理されているのではないか」と指摘。

   公認会計士の森井じゅんは「酒類の提供自粛は飲食店には死活問題で、納入業者、生産者、アルバイト店員など、行き詰まっている人が多い。補償は足りず、どれだけ感染が減ったかもわからない。納得得られない。業界のまとまりが弱い飲食店を締め付けるやり方には違和感がある」と飲食店の実情を訴える。

   MCの谷原章介は「五輪のためにイベントの規制を緩めているようにも感じられる」とコメントした。

(バルバス)