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リモートハラスメント 小池都知事も警鐘、その実態とは

   先週金曜日(2021年5月14日)、小池百合子都知事は定例会見でテレワークの徹底を呼びかけるとともに、リモートハラスメントという新しい現象が起きていると語った。

   リモートハラスメントとは、在宅勤務を行う社員に対して、「カメラを常に接続させて管理下に置く」「部下の服装や化粧に対し、不適切な指摘を行う」など。小池都知事は、リモハラに対応する策をまとめていくことでテレワークがいっそう浸透するとして、特別労働相談を受ける考えを示した。

  • リモートワークのルール明確化が「重要」
    リモートワークのルール明確化が「重要」
  • リモートワークのルール明確化が「重要」

線引きは「非常に難しい」指摘も

   テレワークはどれだけ定着しているのか。去年の緊急事態宣言時に32.8%だったテレワーク実施率は今は25.4%と落ちている。街で取材すると「私の会社はテレワーク推奨で、がっちりテレワーク。出社は週に1回で、請求書関係の処理や新人教育。新人教育は、フェイストゥフェイスが効率がいい」(30代製薬関係)という声が出る一方で、「去年1回目はテレワークだったが、今回はお客様の動きも以前と違っていて、問い合わせが多くなってしまうことに対応するため出社」(20代百貨店勤務)などさまざま。

   昨年の緊急事態宣言時にテレワークを行った20代保育士からは「在宅で園児たちの教材を作り、園長に報告していたが、途中でそういう制度もなくなり、何をしていいか分かならくなった。家で頑張っているつもりでも現場で働いているひとがどう思っているか」という声が。

   パーソル総合研究所の調査では、38.4%の社員が「さぼっていると思われないか」と不安を感じる一方で、40%の上司が「部下が仕事をさぼっているのではと思うことがある」と回答している。

   秋元里奈(実業家)「私たちの会社は、パソコンの仕事がメインなので、週1出社。(出社勤務の時も)チャットで会話していたので、変わらない。リモートハラスメントの問題は本質がずれている。(服装や化粧に対する指摘は)対面でもどうなのというモラルの話。リモートだからというわけではないと思う。監視の話は評価制度を変えていかなければいけない。長く働くのではなく、成果を基準とした評価に変えると、監視する必要もなくなる」

   司会の加藤浩次「成果が見えにくい事務方の仕事はどうすればいいんでしょう」

   秋元里奈「マネージャーからすると、時間で管理するほうが簡単だが測ろうと思えばできる。経営者はリモートワークにメリットがないとやらないが、今はリモート推進しているところで働きたいという人が増えている。人材採用でメリットが出てくると推進するところが増えてくるのでは」

   橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「信頼関係があるかどうか人間関係の問題。効率と引き換えに不自由になることもある。今までは会社を出れば自由だったが、オンラインのほうが勤務時間が長くなるかもしれない」

   菊地幸夫弁護士によると、リモートワークにおける監視と管理の線引きは非常に難しいという。カメラのオンオフは必要に応じて設定し、部屋の色や服装、化粧などプライバシーには触れないなど、リモートワークのルールを明確にしておくことが重要だという。

(みっちゃん)