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中国、「氷のシルクロード」と関心 北極圏開発、ロシアも攻勢

   「北極圏の資源開発が地球温暖化で容易になって、争奪戦が繰り広げられています」と、 司会の夏目三久が19日(2021年5月)の「ワールド特派員コーナー」で取り上げた。最も攻勢を強めているのがロシアだ。

   夏目三久「日本にはどんな影響があるのですか」

   ロシアは今年、北方艦隊を「軍管区」に昇格、3月にはフランツヨシファ諸島で軍事演習を行った。島の一つに総面積1万4000平方メートルの基地を建設、ジムや映画館も併設して、兵士150人が1年半生活できるようにした。プーチン大統領は「北極圏で活動する能力と準備ができている」と主導権を狙う。

   中国も「氷のシルクロード」と関心を露わにし、米国も安全保障を重視する姿勢をのぞかせる。

   夏目「日本にはどんな影響があるのですか」

   モスクワ支局の大野慎二郎記者「対岸の火事ではありません」

   今年3月、スエズ運河で日本の大型貨物船が座礁した際には、ロシアが北極圏航路を猛アピールした。ヨーロッパとアジアをスエズ運河経由より最大40%短く結べる。氷に覆われる期間がネックだが、去年は1年のうち10カ月が運航可能だった。日本にとってはロシアからの資源輸入面で可能性が高まりそうだ。一方には軍事競争への懸念もあり、地球環境に影響しないかの心配もつきまとう。

   大国の思惑が交錯する中で、きょうからアイスランドで米ロなど8カ国に、日本や中国もオブザーバー参加して北極評議会が開かれる。競争なら、軍事より環境保護でやったらいいのだ。

(あっちゃん)