J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

悪質「カルガモ走行」男を特定せよ! 逮捕につなげた「阪神高速」の執念

   「こちらをごらんください」ときょう16日(2021年6月)の「スッキリ」で岩田絵里奈アナウンサーが紹介したのは、高速道路のETCレーンで、大型バスの後方にぴったりくっつき、開閉バーが降りる前に料金所を「無賃通過」する乗用車の映像だ。

   子ガモが親ガモに連なる様子に似ていることから「カルガモ走行」と呼ばれる悪事を約2年間で600回以上繰り返していた30代の設備業の男が、今年2月に警察に逮捕された。番組では、証拠を集めて男を突き止め、逮捕につなげた阪神高速の執念にフォーカスした。

   阪神高速管理本部の営業課担当課長に大竹真リポーターが取材した。この男を最初に認識したのは、2018年7月ごろ。不正通行監視システムが頻繁に不正行為をする車両をとらえ、調査を開始した。システムには運転手の顔やナンバーも映るため、映像を地道にチェックし、男の住所を特定した。18年11月に料金未払いの通知書を送ったものの、男はこれを無視。転居したり5~6台の車を使ったりして、さらにカルガモ走行を繰り返した。

  • 運転は安全に(写真はイメージ)
    運転は安全に(写真はイメージ)
  • 運転は安全に(写真はイメージ)

岸田奈美「泣き寝入りしていた人たちに希望を」

   このため、阪神高速は2021年1月に警察に被害を相談し、2月の逮捕にいたった。男は調べに対し、「金がなくて、通行料金を支払いたくなかった」と供述していたという。

   営業担当課長は「不正通行者が入ると事故を起こしかねない。お金を払ってくださいというのもあるが、まずは安全な通行をしてほしいという思いがあります」と話していた。

   ETC不正通過は道路整備特別措置法の通行方法違反にあたるが、逮捕されるケースは非常に珍しいそうだ。「懲役のない罪で、数回の違反では逮捕までいかない。今回は違反回数の悪質性と、証拠を集めた阪神高速の執念といえるのではないか」という菊地幸夫弁護士のコメントを岩田アナが紹介した。通行方法違反は1回につき30万円以下の罰金。今回警察が裏付けた違反は100回程度のため、3000万円以下の罰金が科せられる可能性があるという。

   評論家の宮崎哲弥「阪神高速の社員の執念が実った形ですね」

   作家の岸田奈美「今までいろんな業種で、調べる方がコストがかかるから泣き寝入りしていた人たちに希望を与えてくれたと思います」

   MCの加藤浩次「事故があったら大変なこと。絶対に真似しないでほしいですね」

(キャンディ)