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インド型変異株に備えろ! 米国は、ワクチン「ミックス接種」の動きも

   新型コロナウイルスの新規感染者はきのう23日(2021年6月)、東京で一か月ぶりに600人を超える619人となった。MCの夏目三久は「専門家はこれをリバウンドと分析。原因の一つがデルタ株(インド型変異株)とみています。東京五輪が開会する7月23日には新規感染者の7割がインド型変異株になるまでに拡大すると見られています」と紹介した。

   緊急事態宣言が明けて3日目のきのう23日の東京・渋谷は人通りも多く、そこかしこで路上飲みをする人が目撃された。23日の新規感染者数は、埼玉は108人、千葉は131人、神奈川は201人。厚労省アドバイザリーボードの脇田隆字座長は「リバウンドの状況ではないか。特に若い人を中心に都心部から感染が広まっている」と話した。

   厚生労働省によると、リバウンドの要因の一つとされるインド型変異ウイルスは、これまで全国で153人が感染。都市部を中心に拡大している。京都大学の西浦博教授らの分析によると、新規感染者に占めるインド型の割合が、7月初旬で5割、7月23日には7割近くまで拡大すると予測している。

   また、理化学研究所がスーパーコンピューター富岳を使った新たなシミュレーション結果によると、15分間しゃべっている感染者と対面した時の感染リスクは、マスクなしで1メートル離れても35%、2.5メートル離れてやっとゼロに近づくほどだという。理研チームリーダーの坪倉誠神戸大教授は「従来の距離の取り方を見直す必要がある」と話している。

   都内ではデイサービスを利用する男女6人がインド型変異株に感染し、クラスターが発生した状況。22日にもデイサービスで働く30代の女性職員の感染が確認されている。また、10歳未満の小学生の女の子がインド型に感染したことも確認された。

  • 日本でもワクチン接種の動きが加速しているが…
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「ファイザー2回、5か月後にモデルナ1回」で免疫力高まる?

   インド型変異株は、ワクチン接種が進む国々でも再拡大が懸念されている。イスラエル在住の日本人女性は「小中学生など、ワクチンを打っていない人たちの間で少し増えてきた」と話す。実際にイスラエルでは6月23日に125人の感染を確認。これは4月下旬以降最多となる数字で、その訳7割がインド株だという。

   夏目は「イスラエルだけではなく、米国や英国などワクチン接種が進んでいる国でもインド型への警戒感が強まっています」とコメント。

   「フォーサイト」元編集長の堤伸輔は、「マスクの着用とワクチン接種のさらなる推進を進めています。バイデン大統領は会見で、若者への危険が高いということで、ワクチン接種を呼び掛けています。さらに米国では新しい知見が始まっていて、それがワクチンのミックス接種です。ファイザー製を2回打った人に5か月ほど開けてモデルナ製を1回、またジョンソンエンドジョンソン製を1回打った人にはモデルナ製を1回、モデルナを2回打った人はさらにもう1回モデルナをなどです」と紹介したうえで、「より免疫力を高めて、変異株に対応する動きです」と説明した。

(バルバス)