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ワクチン届かず「ハシゴ外された」 夏目三久「自治体からは怒りの声も」

   MCの夏目三久が「新型コロナウイルス感染拡大を抑えるカギになるワクチンの供給不足で困惑の声が相次いでいます」と、1日(2021年7月)の放送でワクチン供給の遅れのニュースに言及した。さらに、「現在、新規受付が停止されている職場や自治体の大規模接種について菅義偉首相は停止措置を継続するという考えを表明しました。接種を予定している自治体からは、ワクチンが届かないことに対する怒りの声も上がっています」と続けた。

  • ワクチン接種にブレーキが
    ワクチン接種にブレーキが
  • ワクチン接種にブレーキが

いくら会場を設営しても...

   停止継続について、各所から出ている困惑の声も紹介。TKP社の河野貴輝社長は「医師や打ち手の方を確保しているのが無駄になっていく。ワクチン普及を促進するためにやっているのでぜひ実行していただきたい」と訴える。

   日本医師会の中川俊男会長は「医師や看護師を職場接種のために紹介した後で、ハシゴを外された。そういうことが全国で起こっている。政府にはなんとか改善の方策を考えてほしい」と話した。しかし、河野太郎行革相は「今の時点で受け付け再開の目途はない」と言う。

   職場接種や自治体の大規模接種会場で使用されているのがモデルナ製のワクチン。河野大臣は保留となっていた自治体の大規模接種に、ファイザー製のワクチンを使用すると発表したが、そのファイザー製ワクチンも届いていないという声が自治体からあがっている。

   兵庫・明石市の泉房穂市長は「いくら会場を設営して医療関係者がスタンバイしてもワクチンが届かない以上打てない」と怒りを露にした。明石市では47箱のワクチンを要求したが届いたのは22箱分、約3万回分のみ。市長は同郷の西村康稔大臣に残りのワクチンを送るよう直談判したが、県にお願いするなどして対応してくれと言われたという。

是正すべきポイントは?

   明石市以外でもワクチンが不足している自治体がある。京都市でも必要量の半分しか供給されず予約サイトが使えない状況になっている。東京・豊島区も供給量が想定以上に削減されたため、個別接種を実施している医療機関への供給を大幅に削減せざるを得ない状態になっている。池袋大谷クリニックの大谷義夫院長は「予約を頂いた方にはごめんなさいと伝えている。どこまで接種できるか全く不透明で頭を抱えている」として、6月30日から新規の予約をストップしたという。

   各自治体の要望を集約し国が各都道府県に配分するファイザー製ワクチンまで足りないのはなぜか。7月第2、3週の国の配分量1万1000箱に対し、自治体の要望量は2万箱を超えた。東京都でも国の配分は1357箱だが、都の要望は2998箱だった。需要と供給のバランスが崩れているのだ。

   元厚生労働省の技官・木村盛世さんは「これだけ打ち手が集まると思っていなかった。地方配分ができるかどうかという仕組みができていなかったということは是正していかないといけない」と指摘した。

   夏目は「ワクチン供給が滞っていることで全国の自治体に影響が出ています」として、7月1日付の毎日新聞のニュースを紹介。記事によると、埼玉県では8月から新たに3つの集団接種会場を開設する予定でモデルナ製のワクチンを申請したが、国から可否の連絡がない。埼玉県の大野元裕知事は「職場接種が多くなったので市町村や県の集団接種を減らすというのは本末転倒」と述べている。他にもファイザー製ワクチンの供給の見通しが立たないため、北海道小樽市、山形市、三重県四日市市では新規予約を一時停止した。

   夏目は「記事では、見通しの甘さが露呈されたと指摘している」と話した。

(バルバス)