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ワクチン「2回目難民」続出 医師が「あさチャン!」に語った危機感

   「東京できのう(2021年7月4日)、新型コロナウイルスへの感染が確認された人は518人。15日続けて、前の週の同じ曜日を上回りました」と司会の夏目三久。続けて日比麻音子アナが「まさに第5波の入り口に立っている東京ですが、この週末も人出が減らず、雨の中、路上で酒を飲む人の姿もありました」と伝えた。

  • ワクチン接種にブレーキが
    ワクチン接種にブレーキが
  • ワクチン接種にブレーキが

道端にちゃぶ台を持ち込んで会食するグループも

   雨の中、傘をさした多くの人々が行きかっていたきのう日曜日の東京・渋谷。屋根のあるエリアに座り込み、酒を飲む「雨宿り飲み」が目立った。こうした光景は飲食店が閉店する遅い時間になるほど増えて行き、中には道端にちゃぶ台を持ち込んで会食するグループもいた。

   一方、感染者数を年代別で見てみると、若者の感染拡大が顕著だ。例えばきのうの感染者数518人のうち、168人が20代で、20代・30代が全体の半数以上を占めている。

   こうした状況に都内の病院は危機感を募られている。江東区の「伯鳳会あそか病院」では軽症・中等症の患者を受け入れているが、GW明けからコロナ患者用の14床は常に満床だという。背景にあるのは若い世代の患者の増加。20~30代の患者が7割を占めているというのだ。

   同院の白石廣照医師は「発熱外来ではお子様、中学生高校生も陽性者として確認しています。先週初めて10代の患者様が入院されました。我々はもう、第5波の入り口に立っていると感じています」と話す。

供給不足の影響で...

   そして感染収束のカギとなるワクチンだが、供給不足により1日100万回を超えていた接種回数が4割近く落ち込むという事態に。都内では、1回目の接種を終え、2回目の予約をしていた人が急きょキャンセルになるなど、影響が出始めている。

   豊島区にある「ひいらぎクリニック」の神谷諭院長は「いま(1回目を)打っている方は全員、2回目を打つ目処が立っていません。3週間後に2回目を打ちましょうと言っていた方はほぼ全員キャンセルです。当院からもいわゆる『2回目難民』を出す形になってしまいました」と話す。

   豊島区から1日に配布されたワクチンは発注量の3分の1で、約500人の2回目接種が難しくなったという。「私どもはどうしようもなくて、2回目の機会が来たら打ちましょうと声を掛けることしかできず、そこが1番辛い」と神谷院長は言う。

   ファイザー製のワクチンは一般的に3週間後に2回目を打つことが推奨されている。その期間を過ぎてしまっても問題はないのか。東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は「接種期間が長くなった方が抗体量が高かったという報告もあります。1回では十分な効果が得られるとは言えないし、その効果の持続期間も不明ですから、本来なら定められている3週間隔で接種するのが望ましい」と話している。

(ピノコ)