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大谷翔平 絶好調支える「サイボーグ食生活」が凄い!卵もグルテンもNG、甘党なのにクレープがまん――ほか3編

   大谷翔平(27)が"ゴジラ"松井秀喜の日本人メジャー本塁打記録を抜いた。それも前半戦だけで。日本時間の7月8日(2021年7月)、大谷はアナハイムでのレッドソックス戦で五回、3試合ぶりの本塁打となる32号ソロを放った。

   57年前、東京五輪が開催された1964年に日本人初のメジャーリーガーとなった、元投手の村上雅則(77)が週刊新潮でこう語っている。「当時は人種差別も根強く残っていてね。どう見てもストライクの球をボールと判定され、抗議をしたら審判に凄い剣幕でまくし立てられたこともある。そんな頃を知っているから、まさか私が生きている間に、日本人がメジャーでホームラン王争いをし、それを全米が称讃するなんて日が来るとは思わなかったですよ」

   奇しくも前日、「平成の怪物」といわれ、メジャーリーグのレッドソックスなどで活躍した松坂大輔(40)が、今季限りで現役を引退することを表明した。

   大谷は二刀流を条件にメジャー入りしたが、これまでの3年間はケガに泣かされ、本領を発揮することができなかった。今年は身体もひと回り大きくなり、練習を積んできたアッパースイングも飛距離が増し、ホームランを量産している。

   さらに大谷がすごいのは、投手としての修正力の高さである。日本時間の7日に先発出場して7回を投げて5安打2失点と好投、4勝目をあげた。だが、前回はコントロールが定まらず、5つのフォアボールを出す乱調だった。メジャーのすべるボールに苦しむのかと心配したが、この日はフォアボールはゼロだった。ゴジラ、怪物を超えた大谷の愛称は何になるのか。新潮は「サイボーグ」と呼んでいるが、読んでみればなるほどと頷く点が多い。

   まずは食べ物。『Full-Count』編集部の小谷真弥は、去年のオフシーズンに血液検査を受け、自分に合う食材を調べて、それまでは栄養価の高いオムレツを自分で作って食べていたが、検査で卵が合わないと分かると止め、小麦や大麦に含まれるたんぱく質「グルテン」を摂取しないグルテンフリーを実践しているという。要はパンやパスタ、ラーメン、うどんを食べないのだろうが、私には無理だな。もともと飲み会に仕方なく連れていかれても、乾杯のビールを飲むだけだったというから、酒にも関心がないようだ。

   さらに、昨オフ、シアトル郊外にある「ドライブライン・ベースボール」というトレーニング施設へ通っているという。上半身裸で、全身48カ所にセンサーを付けて打撃や投球を行い、コンピュータ―で「動作解析」をすると、フォームの修正点などがすぐに分かるそうだ。「これまでの大谷はどちらかというと感覚に従う選手でしたが、怪我以来、故障予防、パフォーマンス向上の両立を意識して、科学的なアプローチも取り入れた」(在米スポーツライター丹羽政善)

   大谷は日ハム時代の栗山英樹監督のように読書が趣味で、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスク、渋沢栄一、稲盛和夫など経営者の本を読んでいるそうである。

   週刊文春によれば、絶好調の陰には「三ない革命」があるという。疲労をためないために、試合前の打撃練習はしない。報道陣に対応しない。彼は無類の甘党で、好物はクレープだそうだが、オフシーズンは体重管理のために甘いものは控えているようだが、シーズン中は食べたいものを食べる、我慢するストレスをためないで、食べて集中するほうがいいと考えているというのである。グルテンフリーとは矛盾するようだが、今の大谷にとって最大の敵は「ケガ」だから、それだけには気を付けて、日本人初のメジャーリーグ・ホームラン王になってほしいと思う。

東京五輪で花道辞任が見えてきた菅首相!沈む船から次々逃げ始めた側近、盟友、直属スタッフ

   菅義偉首相の悲願だった観客を入れての東京五輪開催が夢と消えた。7月7日、七夕の日、東京の感染者が900人を超えたため、緊急事態宣言を発令することを決めたが、異例の8月22日までというロングランになったのは、菅の苛立ちが込められているのではないか。当然ながら、東京と神奈川、千葉、埼玉の1都3県で行われる競技会場を「完全無観客」にする。

   就任当時なら、絶対拒否したであろう緊急事態宣言発令を菅が飲んだのは、東京都議選での自民党の敗退にあったはずである。週刊文春で、首相の側近で東京都連総務会長を務め、現役の文部科学相である萩生田光一が、菅に人気がないから都議選で敗れたのではと聞かれ、「確かに『政府に人気がない』=『菅首相に人気がない』ということだろうから、そこは否めません」と答えていることからもわかる。

   さらに不人気に拍車をかけたのは、菅首相が1日100万人接種と号令をかけ、自治体が接種体制を強化したのに、今度はワクチンが届かないという大失態を演じたことである。党内では、菅では衆院選を戦えないという空気が広がり、安倍前首相、麻生財務相、甘利税調会長らの「3A」と、小池都知事を総裁候補の隠し玉に、幹事長の座を死守したい二階との確執がさらに激しさを増しているといわれる。

   東京五輪が引退への花道になりそうで、末期症状を呈してきた菅から側近たちが次々に離れていると週刊文春が報じている小此木八郎前国家公安委員長は、菅にも相談せずさっさと横浜市長選への出馬を決め、菅の進めるIR(カジノを含めた統合型リゾート施設)に反対すると表明している。

   梶山弘志経産相は、菅が小泉進次郎と決めた「30年度の温室効果ガス排出量削減目標を46%減」とぶち上げたことへ強い不満を持っているといわれる。菅の朝の散歩に毎日同行し、「菅の精神安定剤」といわれていた門松貴首相秘書官が経済産業省へ戻され、「盟友」といわれていた山口泰明選対委員長も今季限りで引退を表明した。

   "淋しき官邸の裸の王様"には、これから始まる真夏の猛暑は相当身体にこたえるに違いない。

盛り土造成でもなかった熱海の土石流!産廃捨て場にしていた悪質業者――歩くとズブズブ足が沈む土地だった

   7月3日(2021年)に発生した熱海の土石流災害は、東日本大震災の津波のような激しさで人家を押し流し、貴い人命が失われてしまった。テレビで何度も映し出される逢初川の上流にある造成地の「盛り土(もりど)」は、まるで巨大な恐竜か何かによって切り裂かれたように見える。

   盛り土というのは建築工法の言葉で、外から運んできた土砂などを用いて、傾斜地を平らに造成することをいうそうだ。テレビを見た者の多くは、この巨大な盛り土を造った人間なり企業なりの責任はどうなるのかと思ったはずである。テレビに出てくる専門家と称する人たちや、熱海市、静岡県の責任者たちの話を聞いても、ハッキリしたことはいわず、モヤモヤが残った。

   だが、週刊新潮はこの災害は「人災」だと言い切っている。まず、砂防工学の東京農工大・石川芳治名誉教授は、全ての盛り土が危険ではないと前置きして、日本は雨が多いので、盛り土の中に排水パイプを整備したり、造成段階で数十センチごとに層をつくって締め固めるなど、きちんとした基準に沿ってつくれば安全なのだが、しっかりつくろうとすれば費用も手間もかかるために、手を抜く業者がいてもおかしくないと話している。

   崩落現場の近くに住む住民は、盛り土を踏むと足がズブズブっと沈むところがあった、木も生えず草も枯れていて、除草剤を撒いたのかと思うほど、栄養のよくない土壌だと思っていたと語っている。ここは、2007年に当時の土地所有者である民間企業が、熱海市役所に「残土処理」の名目で届を出し、11年に現在の所有者に転売された。だが、熱海市は、詳しい内容は把握していない、どこまで市が盛り土を管理する義務があったのかは、現在検証中だと歯切れが悪いのは、責任を追及されたくないからであろう。

   新潮が行ってみると、崩壊した場所の先には太陽光発電所が建設されているというのだ。<斜面の木々を伐採してソーラーパネルを設置すれば、樹木の根が張ることで維持されてきた山の保水力が低下。災害リスクが高まるのは素人でも分かりそうなものだ>(週刊新潮)

   運営者は東京にある民間会社。そこの代理人の弁護士は、「盛り土が出来上がった後に購入したわけですから、欠陥のある土地を売りつけられたのならば、前所有者の責任を追及しないといけないかもしれない」と責任転嫁。盛り土を造成した前の所有者の「家人と思しき女性」(週刊新潮)が、造成した業者は開発に着手したけど、産廃の捨て場にした挙句、転売したと聞いたと、こちらも責任は自分たちにはないといい張る。

   これだけの大災害を起こしたのだから、市も県も国も、徹底した原因解明と責任の追及、賠償をさせなければ、亡くなった人たちに顔向けができまい。

新型コロナワクチン終わった高齢者に次の危機!「妻より長生き」という地獄

   自慢ではないが、私の周りに景気のいい話は一つもない。こういうご時世だから致し方ないとはいえ、あまりにもなさ過ぎて涙が出てくる。そのうえ、私はもちろんだが、カミさんに認知症の兆候が出てきた。健忘症とは明らかに違うようだ。私も、かかってきた電話に出て、終えて、ガチャンと置いてすぐに、誰からの電話だったかを忘れている。がんも恐いが、認知症はもっと恐い。

   週刊現代は、ワクチン接種を終えたら、ひとりで生きる準備を始めろという特集を巻頭で組んでいる。よく毎週毎週飽きずに、こんな特集を作れるものだと感心するほど呆れている。だって、編集部員は迫っている認知症に怯える年齢でもなければ、夜寝る前に、明日の朝、目が覚めるだろうかと心配することもないはずだ。

   この特集の中の6に、「妻の死後、認知症になったらどうなるか きちんとイメージできていますか」というのがある。ここだけは食い入るように読んだ。そうなんだ。私が先に逝けば問題はないが、私が残されて、認知が進んでいったらと考えると、夜も眠れない。

   軽度なうちは、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業を利用できる、進行すると銀行口座が凍結されてしまうから、成年後見人を付けろ、さらに進めばグループホームへの入居も必要だというが、その頃は、頭も体も動かなくなるから、めそめそしているうちに半分孤独死状態で、餓死していくしかないのだろう。

   嫌だ嫌だ。こんな特集を毎週読んでいるのは、どんな人なのだろう。なに?お前のような人間だ? そうだろうな。妙に納得。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。