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五輪感染対策「どういった専門家の意見を反映?」 「モーニングショー」が伝えた競技団体の不安

   バブル方式で新型コロナ感染対策が行なわれているオリンピック選手村で、ついに感染者が発生した。一昨日17日(2021年7月)にはスタッフ1人が感染、翌18日にはさらに選手2人の感染が判明した。19日の「モーニングショー」が詳報した。

   大会組織委員会は「国名を発表するとかなりの確率で個人が特定される。個人情報に関わる問題」として発表を控えていたが、その後、感染者は22日木曜日に調布の東京スタジアムで日本と対戦する南アフリカ男子サッカーチームと判明した。基本的対処方針分科会の谷口清州さんは「行動履歴だけなら個人情報にならない。公表は感染防止のため」と非公表の方針に対して懸念を表明する。

  • 東京五輪開幕が迫っている。
    東京五輪開幕が迫っている。
  • 東京五輪開幕が迫っている。

濃厚接触者への対応は?

   プレイブックによると、開催期間中に感染が判明した選手は隔離または入院となり、大会には出場できなくなるが、濃厚接触者となった残りのメンバーはどうなるのか。

   本来、濃厚接触者は検査が陰性でも14日間の行動自粛が求められる。しかしこの通常ルールに従うと本番に間に合わない可能性があるとして、競技開始6時間以内の検査で陰性であれば、特別に出場を認めるとしている。さらに濃厚接触者は毎日検査を行い、食事は個室で一人。練習競技以外の外出は禁止となる。選手同士の接触が多い競技では、試合後にもPCR検査が行われる。

   しかし、競技団体からは「どういった専門家の意見を反映してこの指針を出したのか」「何がいいのか悪いのかわからない。現場はやるしかない」と戸惑いの声も。

   北村義浩(日本医科大学教授)「パンデミック下で大規模スポーツイベントをすると何が起こるのか。今までこんなことはないので全てを記録に残すことが大事。大会組織委員会の感染症ブレーンのトップは誰で、どういう意思決定がおこなわれているのか曖昧な部分が多い」

山口真由「国民に向けて誠実さをもってコミュニケーションすべき」

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「信頼を最低限担保するのが透明性だが、オリンピックの信頼性が低下している。どこの国で発生しているのかすら公表しないのは問題がある。他にもいっぱいあるんじゃないかと疑いを生んでしまう」

   山口真由(弁護士)「公表については慎重になるべき。一般の人たちが公表されている状況ではないので逆特別扱いになる。感染は選手村の中の話で、濃厚接触はアプリでわかっているはず。それより気になるのはバブルが機能しているか。NBAのバブルが成功したのは、バブルの中が感染がほとんどなかったから」

   玉川徹(テレビ朝日)「(6時間前に陰性だと出場できるというのは)科学的に考えれば合理性があるが、なぜ今になって急に出てきたのか。まさにこういうところが泥縄」

   北村義浩「バブルの中で感染が起こらないという前提だから考えなくてよかった。濃厚接触者の数が増えてきた時に追いつくか、実務的に難しくなる可能性がある」

   石原良純「バブルというけど、いってみれば客船の中ですよ。素人考えですけど、冷静に考えると起こるに決まってるじゃないですか。高校野球はちょっとでもあったら出られないが、オリンピックはどういうルールか。ルールがわからないスポーツ大会って釈然としない」

   山口真由「科学的問題と心理的問題は別次元。国民に向けて誠実さをもってコミュニケーションすべき」

(みっちゃん)