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長嶋一茂、大規模療養所の必要性を指摘 「東京ドームなど...」

   新型コロナウイルスの新規感染者数が、きのう12日(2021年8月)には全国で1万8890人と2日連続で過去最多を記録した。東京都は4989人で5日の先週木曜日に次ぐ過去2番目の感染者数となった。陽性率は22.8%、死者は6人、重症者は218人(過去最多)。入院療養等調整中は1万1782人、自宅療養者は2万726人、入院患者は3668人だった。

   13日の「モーニングショー」で、この数字についてゲストコメンテーターの長崎大学大学院の森内浩幸教授は「陽性率から考えて(略)、実質上は1万人を超える新規感染者数であっても不思議ではない」と警鐘を鳴らす。

  • 医療機関への負担が増している(写真はイメージ)
    医療機関への負担が増している(写真はイメージ)
  • 医療機関への負担が増している(写真はイメージ)

ワクチン2回接種後に感染し死亡のケースも

   歯止めのかからない東京の感染拡大に、都のモニタリング会議メンバーの大曲貴夫・国際感染症センター長は「かつてないほどの速度で感染拡大が進み新規陽性者が急増している。制御不能な状況で、災害レベルの感染。非常事態であり、自分の身は自分で守る行動が必要」と語った。

   東京都医師会の猪口正孝副会長は「医療提供体制が深刻な機能不全に陥っている」と話した。森内教授は「すでに医療崩壊に片足以上突っ込んでいる状態」と評した。

   MCの羽鳥慎一は、「ワクチンを2回接種した後の60代男性が感染し、死亡した事例が確認されています」と紹介。この男性はがんの基礎疾患があり、6月中に2回のワクチンを済ませていたが、8月6日に感染して入院、10日に新型コロナウイルス感染症で亡くなった。

   森内教授は「ワクチン接種後に陽性となるブレイクスルー感染で、ワクチン接種しても死亡率ゼロにはならない」と指摘。

   都におけるデルタ株の割合は81.7%で、従来株であれば人との距離が1.2メートル必要だったものが1.8メートルで同等のリスク、マスクなしの場合は2メートル離れて45分だったものが20分で同等という感染力の強さだ。

   森内教授は「デルタ株は1人から5~9人に感染するといわれている」と話す。

増えない入院者数

   スポーツキャスターの長嶋一茂は「1.8メートル離れて同等のリスクといわれると、飛沫感染ではなく空気感染を疑いたくなる」と疑問を提示すると、森内教授は「飛沫感染と空気感染は連続しているもので、分ける必要はない。今後の検証が必要だが、換気を徹底することが大事」と解説。

   テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「東京では現在3668人が入院しているが11日から12日にかけて、入院者数がたった1人しか増えていない。毎日5000人近くが感染しているのに、入院者数は頭打ちで、入院待ちの人は1万人以上。自宅療養者は2万人以上いる。福井県では『自宅療養はさせない』という方針で、体育館のようなところを療養所にして100人の患者を集められる。東京都はなぜそうしないのか。またなぜ国会を開かないのか。政府は何もしていない」と訴えた。

   これには森内教授も「入院者数が1人しか増えないのは深刻。災害レベルの感染なので、大地震や台風被害と同様の災害医療として進めていかないといけない。指導する政府のメッセージも必要だ」と同意した。

   長嶋一茂も「入院待機患者と自宅療養者合わせて3万人。東京ドームなど、大規模に患者を集めるところを作らなくてはいけないのではないか」とコメントした。

(バルバス)