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ノーマスク酔客のとんでも逆ギレキック? 乗車拒否のタクシー運転手「恐怖を覚えた」

   8月18日(2021年)早朝5時過ぎ、東京・港区の六本木交差点付近で客待ちをしていた個人タクシー運転手がノーマスクの男性客の乗車を拒否したところ逆ギレされ、トラブルになっていた。MCの羽鳥慎一が、運転手のドライブレコーダー映像とともに紹介し「3人の男たちは酒に酔っており、運転手は恐怖を覚えたとのことです」と話した。

   映像を見ると、客待ちで停車しているタクシーの前方で、酒に酔った3人の若い男たちが何やら楽しそうに話している。全員が半そで短パンのラフな格好で、2人はマスクをしておらず、1人はマスクをあごの下にかけているだけの"ノーマスク状態"。しばらくするとそのうちの1人がタクシーに近寄り、乗車してきた。運転手が「マスクはありますか? マスクがないと乗ってはダメです」と言うと、男は「何、お前! 死ねよ、コノヤロー!」と言ってタクシーを降り、車体を蹴った。

   怒りを感じたという運転手は男に「凹んでるだろう」と言うと、男たちは「凹んでねーよ」「お前の言い方が悪い」などと言い返し、にらみ合いの状態に。一人の男が激高し、運転手の胸を手で突くと、もう1人が止めに入り「ザワザワしているから裏に行こう、裏に」と人目を避けるように促す。運転手が「警察に通報します」と言うと、男は「待って、待って」と通報を止めたが、1分もせずに警察官は駆け付けた。

   駆け付けた警官に男は「乗せてくれないから」と訴えるが、運転手は「マスクをしていなければ乗せられない」と毅然と答え、男らと運転手は麻布警察署で事情聴取された。

   タクシー運転手は「この場所でこの時間帯だと7~8割の客が飲んでいる。この男も話したときに呂律が回っていないところがあり、酒の臭いもした。3人組だったので恐怖を覚えた」と話した。

  • 法律では、タクシーはマスク着用に応じない酔客に乗車拒否ができる(写真はイメージです)
    法律では、タクシーはマスク着用に応じない酔客に乗車拒否ができる(写真はイメージです)
  • 法律では、タクシーはマスク着用に応じない酔客に乗車拒否ができる(写真はイメージです)

長嶋一茂「男たちはブタ箱に入った方がいい」

   道路運送法によるとタクシーが乗車拒否できる客は「泥酔者、危険物などを携帯している、付添人を伴わない重傷者など」と定められていたが、2020年11月に国交省に申請し認可されれば、正当な理由なくマスクの着用に応じない客の乗車拒否は可能になった。被害にあった個人タクシーは認可を受けていたので、マスク未着用客の乗車拒否が可能だった。都内の大手タクシー会社によると乗客のマスク未着用率は、1~5月平均で約4%だが、運転手によると、マスクをめぐるトラブルは毎日のようにあるという。

   「昼間のお客様はほぼ100%マスクを着用していますが、夜の9時、10時くらいからその割合は5割くらいになる。マスクトラブルはこの時だけではなく、これまでにも"うぜーよ、バカ"などと罵声を浴びせられたこともある」と言う。

   運転手は弁護士に相談し、来週にも警察に被害届を提出するという。車の修理費用は20万程度になる見込みだ。

   スポーツキャスターの長嶋一茂は「映像を見るとアンポンタン3人の腕には刺青が見えた。言葉遣いも恫喝的で器物損壊もある。運転手が恐怖を感じるのは当たり前で、男たちはブタ箱に行ったほうがいい。そもそもこの時間の客はルールを守らず酒を飲んでいるわけで、モラルが問われる。大事に至らなくてよかった」とコメント。

   バイオリニストの廣津留すみれは「タクシーは不特定多数の客を乗せるもので私も利用する。責任感を持って対応している運転手に利用者側がリスペクトしないのが不思議」と話した。

   テレビ朝日解説委員の玉川徹は「一茂さんの言う通り、六本木で夜に飲んでいる人にはマナーなんて通じない。マナーがわかっていたら飲むわけがない。それでもタクシーは稼ぐために、夜も仕事に行かなければならない。つらい立場であることを感じました」とコメントした。

(バルバス)