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コロナ規制の緩和案、なぜ今? 谷原章介「総選挙を意識、という声も」

   政府は来月(2021年10月)以降、新型コロナ緊急事態宣言で規制している飲食店営業や行動の制限を緩和する方針だが、再び感染が拡大に転じたりしないのだろうか。専門家からは「急ぎ過ぎだ」という指摘もある。「賛否があります」と司会の谷原章介が9月9日、取り上げた。

   情報キャスターの倉田大誠アナ「緩和によって、感染対策などの認証を受けた飲食店は酒の提供ができるようになり、営業時間も延長されます。また、客側も、2回のワクチン接種が完了しているか陰性証明があれば、4人以上の飲食もOK。県境をまたいだ移動も可能となり、イベントなどの5000人制限も緩められます」

  • 医療関係者からは「緩み」を警戒する声も
    医療関係者からは「緩み」を警戒する声も
  • 医療関係者からは「緩み」を警戒する声も

「予防行動が緩む」懸念も

   マスク着用、大声を出さない、密にならないなどの条件付きだが、遅くまで飲食できるようになるというわけだ。スペシャルキャスターの古市憲寿(社会学者)は「いま日本のワクチン接種率(2回)はだいたい5割くらいで、イギリスやフランスなどヨーロッパが規制を緩和したのも、だいたいそのくらいということですよね」

   ただ、日本医師会の中川俊男会長はこう心配している。「まずは希望する人全員に2回のワクチン接種を終えるべきで、いまの時期に緩和を発表することで、予防行動が緩む心配が強い」。愛知医科大の三鴨廣繁教授も「緩和の議論するのはいいが、方針として出すと緩んでしまう」とやはり緩和には否定的だ。政府分科会の尾身茂会長は「緩和は緊急事態宣言が解除されるのが前提」としている。

   実際、依然としてワクチンを打ちたくても打てない地域、年齢層が多い中で、2回接種を条件に「お酒飲んでいいよ」というのは問題が多くないか。尾木直樹(教育評論家)は「休校や分散登校があるなかで、いま何をすべきか。ワクチン接種が早い者勝ちのような競争になっていることをまず解消してほしいですね」という。

   なぜ緩和を急ぐのか。司会の谷原章介は「うがった見方かもしれませんけど、総選挙を意識しているという声もありますよね」と、ゲストの田崎史郎氏(政治評論家)に聞く。「意識していないといえばウソになりますよね。総選挙の投開票日は11月7日か14日と思いますが、それに間に合うようにワクチン接種なども急いでいるわけです」と解説した。

   要するに、緊急事態宣言の解除は来月もできそうにないから、中身を緩めるという話なのだろう。その一方で、医療逼迫は依然として危機的状況である。

(カズキ)