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高級ブドウ泥棒が多発 「ドローンでパトロール」の実力は?

   秋の深まりとともにブドウなど秋の味覚もおいしい季節になった。山梨県や長野県など、生産地では収穫に忙しいが、一方で生産者を悩ませているのが収穫直前の深夜に出没する「マスカット泥棒」だ。21日(2021年9月)の「あさチャン!」は泥棒阻止に知恵を絞る現地の試行錯誤の現状を追った。

   皮ごと食べられるシャインマスカットはいま出荷の最盛期だ。東京自由が丘の「スイーツフォレスト」では、シャインマスカットを使ったパフェやクレープや大福などが、若い女性客らに人気だ。

  • おいしそうなブドウを狙って…(写真はイメージ)
    おいしそうなブドウを狙って…(写真はイメージ)
  • おいしそうなブドウを狙って…(写真はイメージ)

「あさチャン!」が伝えた被害実態

   一方で、新潟県聖籠町では今月、シャインマスカットが約40房、6万4000円相当が枝から切られ、盗まれた。山梨市でもシャインマスカットの盗難が2件発生、小売価格で合わせて約140万円の被害が出た。山梨県甲府市では、犯行の瞬間が映像で捉えられた。畑に設置されたカメラの映像には、午後9時過ぎ、男が慣れた手つきでブドウをとると、袋に入れて持ち去った姿がくっきり。盗まれたのはシャインマスカットと同じ高級品種の「クイーンニーナ」。番組では男の顔をボカしているが、赤外線映像にははっきり映っていたようだ。農家は、「丹精込めて作ったものを軽々と盗まれて、やるせない気持ちでいっぱいだ」。

   各地で高級品種を狙った盗難被害が相次ぐなか、生産者や自治体は対策の強化に乗り出した。長野県松本市では、県の支援金を活用し、30台の防犯カメラをブドウ畑に設置、警戒を呼び掛ける看板を設置したり、地域住民にチラシを配布したりしている。

   毎年、盗難被害が後を絶たない甲州市では、ドローンを活用した盗難防止パトロールの実証実験が行われた。最大80メートル上昇し、3キロほどの範囲を撮影すると、犯人に想定した人がブドウを捕ったり、かごに入れて軽自動車に運び込んだりする姿が、熱赤外映像にはっきり映っていた。

   ドローンを製作した会社は、「ほとんどの盗難は夜に発生しますが、赤外線のカメラで、150メートル上空から、犯人に気づかれない形で、その姿を見つけることができる」。20倍のズームレンズやスポットライト機能もあるため、上空からでも車両のナンバーを確認、特定できる。「ひとつの武器として盗みはやめてください、ということにつながれば」と同社は言う。

(栄)