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ブレイクスルー感染の不気味 「あさチャン!」で仕組みと問題点を解説

   東京をはじめとする全国の新規感染者数は順調に減少しており、今月(2021年9月)末に期限を迎える緊急事態宣言後の制限緩和が話題になっているが、その裏で気になる動きも。きょう24日の「あさチャン!」で、「ブレイクスルー感染が相次いでいます」とMCの夏目三久が伝えた。

   ワクチンを2回接種したにもかかわらず感染してしまうブレイクスルー感染が、各地で報告されている。福井県は22日、介護施設で33人のクラスターが発生したと発表したのだが、この感染者は全員がワクチンを2回接種していた。群馬・伊勢崎市の病院でも25人のクラスターが発生、うち24人がブレイクスルー感染だった。

  • ブレイクスルー感染への警戒が呼びかけられている
    ブレイクスルー感染への警戒が呼びかけられている
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ほとんどが軽症か無症状であることが災いし...

   番組では、ブレイクスルー感染の仕組みと問題点を丁寧に解説した。ワクチンを2回接種すると、約2週間で十分な量の抗体ができるが、この抗体は時間とともに減少し、感染しやすくはなる。ただ、体内に抗体を作り出す細胞は残るため、ウイルスが体内に入ると新たな抗体がすぐに増え出すそうだ。日本ワクチン学会理事で長崎大学大学院の森内浩幸教授は「感染した後、発症するまでに体内で新たな抗体がものすごいスピードで作られるので、ほとんどの場合は(発症や重症化に)間に合う」と説明する。

   だったら問題ないのではと思ってしまうが、ブレイクスルー感染のほとんどが軽症か無症状であることが災いし、「ワクチンを接種した人が油断した行動をとると、まさか自分が感染しているとは思わないままウイルスをまき散らすことになり、これが感染拡大につながる」と森内教授は指摘していた。

   番組がきのう23日に取材した宇都宮市のインターパーク倉持呼吸器内科では、ここ2週間は発熱外来を受診する人が20~30人レベルまで減っていたのだが、きのうは100人近い人が病院を訪れた。ここ数日は0人という日もあった陽性者も、きのうは約10人にまで増えた。倉持仁院長は「ブレイクスルー感染が問題になっている。深刻に対策しないと手痛いしっぺ返しを食らってしまう可能性が高い」と危惧していた。

(キャンディ)