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「ただリコ」正隆の「5億円の使い方」めぐり激論 「彼なりの償い」「育児丸投げ」

   連続ドラマ「ただ離婚してないだけ」(テレビ東京系)最終回が、9月29日(2021年)深夜枠(30日未明)に放送された。(ネタバレあり)

   仁科徹(杉本哲太さん)たちは、柿野家から脱出した佐野義文(深水元基さん)を殺害。佐野が持っていた、正隆(北山宏光さん、Kis-My-Ft2)と雪映(中村ゆりさん)が夏川萌(萩原みのりさん)の死体を掘り起こしている写真が収められたSDカードを携えて柿野家に出向き、1億円で買い取るよう要求していた。

  • テレビ東京の「ただ離婚してないだけ」番組サイトより
    テレビ東京の「ただ離婚してないだけ」番組サイトより
  • テレビ東京の「ただ離婚してないだけ」番組サイトより

「偽りなく生きてくれ」父の遺言に...

   雪映は「殺そう。今回が最後。もう後戻りはしない」と、金の受け渡しの際に仁科たちを殺害しようと正隆に持ちかける。

   約束の夜、待ち合わせ場所の倉庫の近くで車を停めた正隆は、「信じろ。全部上手くいく」と告げ、雪映を残して1人で倉庫まで歩いて行った。

   しかし明け方になっても正隆が戻ってこない。雪映は心配になり倉庫に出向いたが誰もいなかった。泣きながら正隆を探して街をさまよっていると、

「元柿野製薬の前会長の長男、柿野正隆容疑者35歳が、今日未明、横浜北警察署へ出頭しました。知人の女性を殺害後、遺体を数カ月間遺棄したことを自供しました」

との臨時ニュースが耳に入る。その瞬間破水し、雪映はその場に倒れ込んでしまった。

   正隆は仁科たちとの約束の前、贈賄で懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた弟・利治(武田航平さん)に会い、父・利通(団時朗さん)の遺言を聞いていた。

「正隆、お前ではなく利治を後継者とした時、私は柿野の家柄、血脈という古い慣習にとらわれていた。お前の苦しみは全て、私の未熟さゆえである。後悔がやまないのは、お前への想いを偽り続けたこと。私は、お前の本当の父親でありたかった。それが、お前と初めて会った時から抱き続けた偽らざる想いだ。今、ただ1つ願うのは、お前が私のような道をたどらないこと。偽りなく生きてくれ。大切な者たちを傷付けないために。それから、遺産相続について、私財は全て兄弟に等しく分け与えるものとする」

   記憶した遺言を読み上げた利治は、

「兄さんの相続は、僕と等分で5億円になる。これが親父の遺言だ。生き直そう。もう偽りはやめて」

と正隆に言葉をかけ、正隆は自首を決意した。倉庫の前に到着した時、中には入らず、以前萌の弟・創甫(北川拓実さん、少年忍者/ジャニーズJr.)とともに自宅を訪れていた刑事の池崎康介(甲本雅裕さん)に電話。

「今から、自首します。全部洗いざらい話しますから」

と告げ、1人で警察署に向かったのだった。

相続した遺産を萌の弟へ

   3カ月後、街中で正隆を襲って身柄を確保されていた創甫は出所。その際に匿名の手紙を渡され、開封すると中に5億円の小切手が入っていた。

   創甫を待っていた池崎は、

「いいからありがたくもらっとけよ。お前のこと気にかけてるとてつもないバカがどこかにいるってことだよ。...そういやお前、大学行きてぇとか言ってなかったか?とにかくお前には、未来しかない」

と声をかけた。

   出産した雪映は子供を連れて正隆の面会へ。正隆は全ての罪を1人で背負おうと、雪映に離婚届を送っていた。正隆は、

「雪映、俺、結局、1つも約束守れなくて、ごめんな。この子と、幸せになってくれ。旅行もいっぱいして」

と、別れの言葉を贈る。雪映は、

「うん。私この子を、1人で立派に育てて、幸せになる。もう2度と、あなたには会わない」

と返したが、直後に離婚届をビリビリに破いた。

「私はあなたの妻。この子は、あなたの子供だから。私今、幸せだよ」

と笑顔を見せ、正隆も「俺も、今、幸せだ」と微笑み、2人は夫婦のまま別れることとなった。

「もう2度と、君と会うことはなくても」(正隆)、「もう2度と、あなたと会うことはなくても」(雪映)、「俺たちは」「私たちは」「夫婦。ただ、離婚してないだけ」(2人)

とのナレーションで、全12話のドラマが幕を閉じた。

安里監督「クズ男がクズ男なりに全ての人に誠意を尽くす」

   ツイッターなどでは、「弟くんに5億!素晴らしい」「萌ちゃん命には変えられないけど正隆なりの償いだね」と、正隆の決断を支持する意見がみられた一方で、

「雪映を庇って自首したつもりだろうけど、結局育児丸投げしただけじゃん。せめて5億のうち、いくらかは雪映にあげるべきだろ」
「雪映と子供はどうやって養っていくの?5億必要だったんじゃない?」

など疑問の声も上がり、賛否両論の結末となった。

   なお、安里麻里監督はツイッターで

「私のオファー条件は、最後、クズ男がクズ男なりに全ての人に誠意を尽くす事。でした」
「雪映と子供を罪から守り、萌はもう帰ってこないけれど、創甫に未来を授ける」
「そして、雪映の誠意は、例え犯罪者の烙印おされた正隆と、2度と会えなくても、あなたは一生、私の夫、と宣言する。」(全て原文ママ)

と、最終回のストーリーに込めた想いを明かしている。

(TT)