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ようやく結ばれる「眞子&圭」に"悪意"と思わざるを得ない週刊誌報道⁉ 揣摩臆測の限りを尽くすやり方は、ここまでくるとやり過ぎではないか――ほか2編

   新潮風にいえば、小室圭が隔離期間を終えて「始動」した。真っ先に会いたいのは秋篠宮眞子さんだろうが、どんな言葉を交わすのだろう。

   離れていてもスカイプで毎日話をしていたようだから、結婚までの段取りはお互い理解しているはずだ。お互い見つめ合って、圭がひと言「迎えに来たよ」とでもいうのだろうか。

   幾多の困難を乗り越え、ようやく結ばれる2人だが、週刊誌から「おめでとう」の声は聞かれない。秋山剛医師から眞子さんが「複雑性PTSD」で苦しんでいることが公表されても、かえって「言論弾圧ではないか」と開き直る始末だ。

  • 小室圭さんと眞子さま
    小室圭さんと眞子さま
  • 小室圭さんと眞子さま

恐怖感を再体験する「特定の言葉」とは

   その筆頭格の新潮は、母親の紀子さんはお茶の水大の人間発達教育科学研究所の特別招聘研究員をしているが、その研究テーマは「メディアなどの養育環境が子どもに及ぼす影響」(新潮)で、「研究対象とすべきが娘の眞子さまだったとは、何たる皮肉でしょう」(宮内庁関係者)と報じている。

   さらに、小室圭が帰国報告と金銭トラブルなどの説明をしに秋篠宮家を訪ねても、「殿下は、小室さんともども母親の佳代さんの振る舞いにも不信感を募らせておられる。その思いは、3年前よりも一層強まっています」(秋篠宮家の事情を知る関係者)。したがって門前払いという仕打ちもあり得るというのである。

   どこの誰ともわからない匿名コメントをつなげ、揣摩臆測(しまおくそく)の限りを尽くすやり方は週刊誌の常道ではあるが、ここまでくると、私でもやり過ぎではないかと思わざるを得ない。 秋山医師は皇嗣職大夫の会見に同席して、眞子さんは特定の文字を見ると、実際には関係ない内容であっても恐怖感を再体験することがあると語ったが、新潮によれば、その特定の言葉とは「税金泥棒」だという。

   皇太子妃時代の雅子さんが体調不良で苦しんでいた2013年、東京駅で居合わせた市民から同様の言葉を投げかけられたことがあったそうだ。尊敬する身近な人への心ない国民の声や、今回の結婚騒動の中で、反対する国民の心の中に、同じような批判が少なからずあることを、眞子さんは敏感に受け止め、それがトラウマになったのかもしれない。

告発状は東京地検特捜部から3日後に突っ返された

   新潮同様烈しいのは女性セブンである。小室圭の母親・佳代が不正受給で「刑事事件への暗転」ときた。「巨悪は眠らせない」という伊藤栄樹元検事総長の言葉を引用して、佳代が東京地検に刑事告発され、詐欺罪で逮捕されるかのような書きっぷりである。

   たしかに告発状が出されたのは事実のようだ。これを出したのはジャーナリストの篠原常一郎という人物。1つは遺族年金不正受給疑惑、2つ目は、傷病手当をもらいながら、知人の店で働いていた保険金詐欺疑惑である。

   だが、結論をいえば、この告発は東京地検特捜部から3日後に「返戻(へんれい)」、つまり突っ返されていたのだ。新潮もこの件を記事にしているが、差し戻されたことは書いていない。

   このように"悪意"があると思わざるを得ない報道の嵐の中、26日には2人の記者会見が開かれる。全国民注視の中で、どのような形で行われ、何を語るのか。

   私は、質問を事前に受け、宮内庁担当記者に限定して行われると思っていたが、どうやら、週刊誌も含めた開かれた会見になるという情報が多い。

   場所は帝国ホテルが有力だそうだ。その場合も、まず眞子さんと小室圭の結婚報告と、それに関するやり取りがあり、眞子さんが席を離れた後、小室圭が記者からの質問を受けるというかたちになりそうだ。

   手ぐすね引いて待っている週刊誌記者たちの悪意に満ち溢れた質問に、小室圭は太刀打ちできるのか。眞子さんの夫として、人間として、弁護士としてやっていけるかの大きな試金石になるはずだ。

岸田総理の腕時計「安倍元首相への忠誠心を示す『お願い時計』」?

岸田総理(2021年撮影)
岸田総理(2021年撮影)

   さて、岸田文雄総理も衆院選に向けて始動した。10月14日に衆院を解散、衆議院選は「19日公示、31日投票」とした。国民に考える暇を与えず、支持率が高いうちにやってしまおうという姑息な計算だが、どうやらそうは問屋が卸さないようだ。

   最初の誤算は、発足当初としては異常なほど内閣支持率が低いことである。一部のメディアを除いて軒並み50%以下。あの菅政権だってもっと高かった。

   その理由は明確である。安倍晋三元総理の傀儡であることが見え見えで、その上、収賄疑惑のある甘利明を幹事長に据えたことである。

   FLASHにこんな記事がある。岸田の腕時計は以前、ロレックスの人気モデル「デイトナ」で、外相当時に購入したらしい。だが今回の総裁選からGPSソーラーウオッチ「セイコー アストロン」に替えたそうである。33万円と高価だが国産ということで着けているのかと思うと、そうではないらしい。

   安倍が総理時代に着けていたそうで、「安倍元首相への忠誠心を示す『お願い時計』というわけだ」(FLASH)。出来過ぎた話だが、岸田ならやりかねないと思わせるものがある。

   岸田の計算違いはまだある。宏池会をつくった池田勇人にあやかり、「令和の所得倍増計画」のようなバラマキ経済対策を発表したが、それに対して、現職の財務事務次官である矢野康治が文藝春秋(11月号)で、バラマキはダメ、このままでは国家財政は破綻すると寄稿したのである。

「昨今のバラマキ的な政策論議は、実現可能性、有効性、弊害といった観点から、かなり深刻な問題をはらんだものが多くなっています」

   部下から面と向かって「あなたの政策は間違っている」といわれたも同然である。

   しかも、この原稿を書くことは、麻生太郎に事前に相談して了解を取っていたといわれる。岸田としてはハラが煮えくり返るが、裏に麻生がいるのでは沈黙せざるを得ないのだろう。

   岸田は原爆ドームのある広島1区、被爆地から選出された初めての総理だ。縁戚には4歳で被爆して亡くなった人間もいる。核兵器禁止条約に後ろ向きな安倍を含めた日本政府のあり方に一石を投じてくれると期待している向きもある。

   だが、そんなものには見向きもせず、自民党は衆議院選の公約に、防衛費を「GDP比2%以上も念頭に増額を目指す」としたのである。戦争のできる普通の国にまた一歩近づいた。

   選択的夫婦別姓制度にも消極的。森友学園問題の文書書き換えについても菅と同じことしか答えない。岸田という男は安倍の操り人形でしかない。早くも化けの皮が剥がれた岸田政権は、衆院選で国民からどのような審判を受けるのだろう。

   私は惨敗すると思っているのだが、文春とサンデー毎日の予想では、ややへこみ程度で収まるというのである。文春で政治広報システム研究所代表の久保田正志は、自民党の現有議席マイナス32議席の244と予測している。久保田は、

「菅政権末期で選挙を行った場合、最大で七十議席減もあり得ましたから、その時よりは上積みされています。ただ、過去三回の衆院選に圧勝した安倍晋三首相には遠く及ばない結果。岸田氏の地味さや、甘利氏の起用に対する反発がマイナスに働いていると言えるでしょう」

   だが前回は激戦区が70程度だったが、今回は120と一気に増えたから、失言など何かあればひっくり返り、単独過半数割れもあり得るといっている。

   サンデー毎日は選挙プランナーの三浦博史が予想している。自民党は19議席マイナスと見る。目減りが少ないのは、野党第一党の立憲民主党の支持率が伸びてこないのと、野党の一本化がなかなか進まないことにあると見ている。

   れいわ新選組の山本太郎が東京8区から出馬するといいだし、ゴタゴタした末に取りやめるなど、野党間の一本化がまとまらないのは枝野代表の力不足はもちろんのこと、支持母体である連合の新会長になった芳野友子が、共産党との共闘に難色を示していることもある。

   だが、安倍、菅と続いて傷みに傷んだ今の自民党を倒す絶好のチャンスを、党利党略、私利私略で逃してはいけない。枝野の覚悟が問われている。

コロナの「波と波の間の"凪"は3~4週間程度」

   さて、コロナ感染者が、どういう理由か分からないが減り続けている。その理由を、私が知る限り、誰も説得力のある説明をしてくれていない。「コロナの勝手でしょ」というのなら、向こうの都合でまた増えることは間違いない。

   文春で、公立陶生病院感染症内科主任部長の武藤義和医師も、「波と波の間の"凪"の時期は3~4週間程度と考えられます」といっている。

   ワクチン接種が進んだアメリカ、イギリス、フランスでも同様のことが起き、イスラエルでも5,6月は感染者数も死者数もゼロに近くなったのに、8月には新規感染者が1日当たり1万人を突破している。

   日本でも同様のことが近々起こることは間違いないようだ。児玉栄一東北大教授はこういう。

「感染症であるコロナは寒い季節に増える傾向にあります。宣言解除以降、夜間の人出も増えており、感染拡大の可能性は十分ある。とくに高齢者の方は気を緩めず、感染対策を徹底し続けて頂きたい」

   少し安心できるのは、ワクチン接種効果で重症化率、死亡率がともに下がっていることだ。

   昨夜は東京・新中野のチャイニーズバーで呑んできたが、若い連中で一杯だった。年寄りはオレだけ。東京中の年寄りがコロナでひきこもりになってしまったようだ。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。