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リベンジ消費で「500万円前後の時計」人気 加藤浩次は「言葉」に違和感、「誰にリベンジするの?」

   経営コンサルタントの坂口孝則が29日(2021年10月)の「スッキリ」スタジオで「コロナ禍で、使いたかったけど使われなかったお金は20兆円」と紹介し、制限が解除された今、そのお金を使う「リベンジ消費」が注目されていると話した。

  • リベンジ消費で「いいループ」に?(画像はイメージ)
    リベンジ消費で「いいループ」に?(画像はイメージ)
  • リベンジ消費で「いいループ」に?(画像はイメージ)

観光業界は?

   東京・銀座の高級時計店を訪れた40代の男性がこの日購入したのは600万円の高級時計。実は9月15日にもこの男性は280万円の高級腕時計を購入していた。「コロナで行けなかった海外旅行の資金を時計に回した」と話していた。時計店によると「宣言が解除されて来店客数が急に増えた。現在は1日100人くらいのご来店がある。多く出ているのは400万~600万円くらいの時計」という。

   第一生命経済研究所の永濱利廣氏は「飲み会や旅行などで使われなかったお金は約20兆円。これが今後の日本経済の回復の大きな起爆剤になる。リベンジ消費で財布のひもが緩み、高額なものが売れやすくなる傾向」と指摘している。

   コロナ禍で大きな打撃を受けた観光業界や飲食業界はリベンジ消費でどの程度売り上げを取り戻しているのか?

   「星野リゾート」は一時期売上9割減だったが、徐々に客足が戻ってきており、「11月はほぼ満室。スイートなど、高価な部屋から埋まっている」と話す。観光バスの「日の丸自動車工業」は「コロナ禍の時期は、それ以前の2019年と比較して売り上げが99.9%減った。今は30%ほど増えてきて、小中学校の遠足、スポーツ関係は戻ってきている」と話す。宣言中に全面休業していた店舗が多かったカラオケ業界では「大人数ではないが徐々に利用が増えていく流れではある」(カラオケ館)と言う。

   では飲食業界はどうか。2019年にオープンし、半年ほどでコロナ禍に襲われた東京・銀座の和食店は「多くの店がみな同時に開いたこともあり、期待ほど客足が伸びていない。ただ、お酒が出るようになり、料理のランクもワンランク上がり、客単価は2倍に増えた」と話す。東京・田町の居酒屋は10月29日の予約はすでにいっぱいで、「宣言が解除された後は、例年の9割前後まで戻っている」と言う。また、酒の卸業者は「まだ客足は思ったほど多くはない」、おしぼり業者は「コロナ前の70%強まで戻ってきている」と話した。

「自分へのご褒美」

   MCの加藤浩次に「自分としては、この日に行こうかと約束をするようになったけど、みなさんは実感としてどうですか?」と聞かれ、元プロテニスプレーヤーの杉山愛は「外食したいという気持ちは増え、実際に行き始めた。でも稼ぎも減っているので『使うぞ』というほどではない」とコメント。

   加藤の「リベンジっていう言葉、変じゃないですか。誰にリベンジするの?」という素朴な疑問に、坂口は「自分へのご褒美と言う意味です」と解説。

   政策アナリストの石川和男は「家電店では客足が増えているように感じる。それに名古屋や大阪に出張に行くと人が増えていると感じる。コロナ禍では新幹線の車両に自分ひとりっていうことがあったのに、今は隣の席に人が座ることもある」と話した。さらに石川は「これからは"リベンジ・リアルミーティング"もあるのではないか。やはり、リモートではなく目線を合わせての会合ができるのはビジネスにとってもいいこと」と訴えた。

   坂口はコロナ前の消費動向をゼロとした今の数字を示したグラフを示し、映画館、百貨店、鉄道、航空はともにマイナスだが、10月前半には上向き傾向にある。坂口は「百貨店では1人当たりの消費額がぐんと上がり、コロナ前の水準まで回復しそう。旅行、航空は右肩上がりが続きそうで、映画館も大幅に回復しそう」と話した。

   加藤が「みんながお金を使うと、企業の業績も上がって、給料も上がりますね」と補足すると、坂口は「日本人は海外で毎年4兆円使っている。海外旅行に行けない分国内消費の余地がある。いいループになればいい」と話した。

   その坂口がおススメするお得情報は「1~2月の旅行。今のうちに予約するとお得。またGO TOトラベルが実施されれば、価格は上がる。特に外国人客に人気の観光地が狙いどころです」。

(バルバス)