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肉声なし、中国・彭帥選手の公開動画に安住アナ「安全な場所にいるのか?」

   きょう23日(2021年11月)の「THE TIME,」は、昨日に続き中国女子テニス彭帥(ほうすい)選手の話題を大きく取り上げた。張高麗元副首相に性的関係を強要されたとSNSで発信した後、消息不明となっている彭帥選手。昨日はIOCバッハ会長がテレビ電話で会談したというニュースも飛び込んできたが、神田外語大学の興梠一郎教授が「IOCも中国もオリンピックをやりたいわけだから利益が一致している」と語るなど、中国企業スポンサーに依存しているIOCが、バッハ会長の登場で「解決した」と訴えたかったという見方が出ている。

   彭帥選手については先週末、相次いでツイッターで動画が公開され、投稿した中国メディア「環球時報」編集長は「圧力のもとでこんな明るい笑顔ができるだろうか」と訴えているが、これらの写真や動画で共通しているのは彭帥選手の肉声が一言もないこと。

  • 彭帥選手は中国政府の監視下にあるのだろうか?
    彭帥選手は中国政府の監視下にあるのだろうか?
  • 彭帥選手は中国政府の監視下にあるのだろうか?

写真に写っていた、くまのプーさんとパンダを深読みすると

   こうした状況に、中国メディア関係者は「(動画は)筋書きと周到な準備がされていると思います。自由に話せない状態で、彼女に語らせると一番困るのは中国政府の高級幹部」と語る。

   実際、中国の公安部に拘束されたことのある人によると、24時間ずっと人が同伴していて外も見ることができない。寝るときも一緒でトイレにも付いてくる。家族とは会いたくても会えず、外部世界と完全に隔離された状態になるという。そして、彭帥選手は監視下にあってもまだマシな状況だと推測されるという。

「彼女のようなスターではない人だと、同じような発言で亡くなった人もいる。家族も消される可能性は大。中国も北朝鮮化し、今は国内事情も話せなくなっている」(中国メディア関係者)

   では、拘束された人はどうなるのか。

   中国情勢に詳しい評論家の石平(せき・へい)氏は「アリババの馬雲も失踪したことあるでしょ。恐怖感を植え付けることによって永遠に黙らせるというのは中国共産党政権の一貫したやり方」と語る。

   香港民主活動家で服役していた周庭氏も、今年6月に刑期を終えた後は別人になったようにメディアの前で無言になった。

   「北京五輪が終わるまでは監視されるのではないか」(石平氏)

   彭帥選手の自撮りと思えるような写真も中国国営メディアから公開されているが、そこにはパンダのぬいぐるみを抱える彭帥選手の後ろに、くまのプーさんが映った写真立てが。

   司会の安住紳一郎「共産党メディアが公開したという写真ですが、いろいろ深読みができます。プーさんは習近平を指す隠語で、パンダは公安を指す隠語で、この写真一枚から様々なニュアンスが、汲み取ろうとすると汲み取れます。『検閲をすりぬけた』『監視下ではないというアピール』「彭帥選手の政権批判を印象付け」など、さまざまな深読みがされていますが、なにより安全な場所にいるか心配されます」

(みっちゃん)