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濃厚接触者めぐる「皮肉な結果」 安住アナが指摘した隔離基準の問題点

   新型コロナウイルスの感染者の拡大とともに濃厚接触者も増加している。政策研究大学院大学の土谷隆教授の試算によると、このままのペースで進むと2月8日(2022年)の東京の濃厚接触者は143万人に達し、都民の10人に1人が隔離対象になるという。土谷教授は「社会機能がマヒする可能性が高い」とみている。

   自分が濃厚接触者になった場合、どのような生活になるのか。1月25日の「THE TIME,」は実際に自宅にいる人に聞いてみた。

  • 自宅療養と濃厚接触者の対応に課題が浮上している(写真はイメージ)
    自宅療養と濃厚接触者の対応に課題が浮上している(写真はイメージ)
  • 自宅療養と濃厚接触者の対応に課題が浮上している(写真はイメージ)

「私自身も(陽性に)なってしまった方が...」

   Aさんの場合、同居している家族3人全員が感染し、自身が濃厚接触者に認定されたAさん(40代)は「看病をすればするだけ(感染者の療養が)解除になってからの10日間ということで、(復帰が)延び延びになっていく」と語る。

   今月17日、次女(7つ)が陽性、その翌日に妻(40代)と長女(10)も陽性、AさんはPCR検査を受けたが、陰性だった。現在は3人とも回復し、次女は26日、妻と長女は27日に療養期間が終了する。しかし同居しているAさんは、その日が感染者との「最終接触日」となるため、さらに10日間の自宅待機が求められるのだ。

   Aさんはいう。「僕だけ隔離です。私自身も(陽性に)なってしまった方が(復帰が)早かったということになる。早く復帰してお店を再開したいという気持ちもあるので」

   他にも濃厚接触者になり困惑している人もいる。義母が感染し、濃厚接触者になったBさんは脳腫瘍の手術を予定していたが、先延ばしになってしまったという。今月31日に診察を予定していたが、義母は今月18日に発症、義母との最終接触日が23日となるため、待機期間が終わるのが来2月2日になり、1月31日の診察日には間に合わないので手術を延期した。Bさんは「何でこっち(濃厚接触者)は長くされなきゃいけないのっていう気持ちはありますよね」と納得できないという口ぶりだ。

   司会の安住紳一郎「家族の場合は、みんなが1回陽性になった方が家族全体が早く日常生活に戻ることができるという皮肉な結果を招いています」

   きのう、衆院予算委で岸田首相は「今後、オミクロン株の科学的知見がこれからどんどん集まってくると思う。それを踏まえたうえで、この待機期間についても、より現実的な期間を絶えず検討していく」と述べた。

(一ツ石)