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ウクライナ、10代の子供も戦闘訓練 ロシアの動きに玉川徹が感じる「リスク」

   ロシアとウクライナの国境に響く爆発音。海上で行われるロシア軍艦の射撃訓練。上空には戦闘機が飛び、地上には最新の地対空ミサイルが展開されている。ロシア国防省によって先月(2022年1月)から次々と公開されているロシア軍演習風景だ。いったい何が起きているのか。今日2月1日の「モーニングショー」は緊迫するウクライナ情勢を伝えた。

   ロシアは10万人規模の軍隊をウクライナとの国境沿いに集結し、軍事侵攻の懸念も高まっている。ウクライナ軍は対戦車ミサイルや多連装ロケット砲などで対抗するが、戦力はロシアに劣る。軍事訓練の様子も報道されたが、その動きはどこかぎこちない。それもそのはず、参加者は一般市民で、手にしているのは銃の形をした木。戦闘訓練には10代の子どもたちも参加し、対戦車ロケットや小銃の使い方を学んでいる。「私の夢は戦車兵になることです」と語る14歳の少年の他、「ロシアは許せない。我々は戦います」という会計士のオレシャさん、「侵攻されて降伏させられても抵抗します」という広告会社勤務60歳のオレナさんなど、女性たちも訓練に参加している。

  • 番組ツイッターより
    番組ツイッターより
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米ロが対立

   ウクライナのゼレンスキー大統領は先週、「ウクライナはこの瞬間、生きて戦っています。自分の国土を取り戻して戦争をとめたいだけです」とロシアの対応を批判している。

   緊迫する事態に、米バイデン大統領は8500人の兵士をヨーロッパに派遣する意向を示すとともに、米国務省は米ブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相の米ロ外相電話会談を行うことも発表した。

   また、プーチン大統領の海外個人資産凍結や米国技術を用いた製品のロシア輸出禁止、天然ガスをヨーロッパに送るパイプライン停止など、対ロシアの制裁案も取りざたされている。

   ウクライナ情勢の背景には、NATO(北大西洋条約機構)の拡大がある。冷戦時は主に西欧諸国で構成されていたNATOだが、冷戦後は東欧諸国が次々と加盟。ロシアのプーチン大統領はNATOの東方拡大停止を要求したが、アメリカやNATOは拒否し、プーチン大統領は不満を示していた。

   ウクライナ国内状況も複雑で、もともとロシアとウクライナ国境は1918年のブレスト・リトフスク条約でドイツが半ば強制的決めたもの。ロシア語を話す人が多く、宗教もロシア正教会のウクライナ東部に対し、西部はウクライナ語で宗教はカトリックと一枚岩ではない。ヨーロッパも足並みはそろっておらず、ウクライナに軍艦の提供を求められたドイツは、武器を送る事を拒否。代わりに軍用ヘルメット5000個を提供したが、これにはドイツがロシアに天然ガス供給を依存しているという背景があるとみられている。

   侵攻のタイミングだが、暖かくなると沼地や河川がぬかるみになって、戦車が走れなくなってしまうため、もしロシア軍が侵攻するなら、凍結して戦車が走りやすい今しかないという。

   菊間千乃(弁護士)「ウクライナの問題なのに、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアが出てくることがおかしい。まずウクライナがどうしたいのか。ウクライナ国民は81%がロシア勢力圏に戻る事を望んでおらず、ほとんどがNATOに加盟したいと考えている。どの辺りが落としどころになるのか」

   玉川徹(テレビ朝日)「ウクライナという国が一つと考えると間違う。ウクライナ東部は西部とは違う国というくらいで、ちょっと前まで内戦をしていた。ウクライナ東部が独立すると宣言して、ロシアが承認した場合は話が違ってくるが、これをなんとしても避けないといけないというのが焦点になっている。ロシアも今のところ停戦合意は守られるべきだといっているが、リスクはある」

(みっちゃん)