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ワリエワ「出場可」問題 長嶋一茂「例外を作っていいのか」

   今日15日(2022年2月)の「モーニングショー」は、昨日に続いてドーピング疑惑で揺れる女子フィギュア、カミラ・ワリエワ選手(15)の問題を取り上げた。

   12歳でトップアスリートを養成するロシア国営施設サンボ70に入門したワリエワ選手。ザギトワ選手やメドベージェワ選手を育てた氷の女王、エテリ・トゥトベリーゼコーチの下でジュニア選手権を次々と制覇し、シニア転向後のデビュー戦となった去年10月のグランプリシリーズでも世界最高得点で優勝。ライバルが勝つことをあきらめることから「絶望」の異名をとっている。北京五輪でも7日の女子団体で4回転を決めて金メダル獲得に貢献した。

  • 長嶋一茂さん
    長嶋一茂さん
  • 長嶋一茂さん

「周りの大人たちの責任じゃないのか」

   しかしその後去年12月に行われた検査の検体から禁止薬物「トリメタジジン」が検出されたことで団体のメダル授与式は延期となった。ワリエワ選手の個人戦出場可否もCAS(スポーツ仲裁裁判所)で争われていたが、こちらは昨日、個人戦出場が認められることとなった。

   判断の理由だが、CASのリーブ事務総長は、ワリエワ選手は16歳未満で出場できないと取り返しのつかないダメージを受けるほか、期間中の検査で陽性と認められなかったことを挙げている。一方成績が有効かどうかは別の機会で審理され、フィギュア団体戦は五輪期間中にメダル授与式を行わないこと、個人戦もワリエワ選手が3位以内に入った場合はメダル授与式を行わないとした。

   この決定に世界アンチドーピング機構は「裁定に失望、暫定的資格停止に例外はない」として、ドーピング規律違反で処分の過去もあるチームドクターのシュベツキー医師や、エテリコーチら周辺の大人を調査するとしている。米オリンピックパラリンピック委員会も「メッセージに失望」とコメント。韓国の元フィギュア選手、キム・ヨナさんも「ドーピングに違反したアスリートは試合に出場できません。全ての選手の努力と夢は等しく貴重」と真っ黒の画像とともにインスタグラムに投稿している。

   早川吉尚さん(立教大学教授・弁護士)「今回の薬は間違えて服用することはおよそ考えられない。今回の決定は仮出場しても構わないということで、メダル失効や剥奪の可能性は残されている。非常に例外的判断で、私がメンバーに入っていたら反対の結論を出していた。IOCが『授与式やらない』とクリアにいったことに驚いた。かなり強いメッセージ」

   長嶋一茂(スポーツキャスター)「アマチュアスポーツの祭典で例外を作っていいのか。オリンピック精神に基づかない。ワリエワ選手が悪いのか。本人が認識しながら飲んでいたのか。周りの大人たちの責任じゃないのか」

   菊間千乃(弁護士)「かわいそうだから出場となると、今後も大人が子供を巻き込んでいくことが続いていく」

   玉川徹(テレビ朝日)「今回の問題はオリンピック選手として法的責任をとれるかどうかを突きつけてきた。未成年を出場させているという問題提起にもなる。体が出来上がっていない時に大人と同じスポーツを競わせてよいのか」

   早川吉尚さん「ロシアも必死に防衛しようとするので、かなりの大型案件になることが予想される。1年くらいでは終わらない可能性がある」

(みっちゃん)