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「佐々木蔵之介さんの演技が圧巻」 「ミステリと言う勿れ」で魅せた「友人」の葛藤

   菅田将暉さん主演の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)。3月7日(2022年)の第9話は、前話の続きとなる「ミステリー会 真相編」。主人公の久能整(菅田将暉)がいつものように並外れた洞察力で事件を解決しましたが、明るみに出たのは悲しくも壮絶な一人の男の人生でした。(ネタバレあり)

   恩師・天達(鈴木浩介)の招きでミステリー会に参加した、整と刑事の風呂光聖子(伊藤沙莉)。会場となった山荘は、整を暗闇から救い出してくれた恩人であり、天達のパートナーでもある美吉喜和(水川あさみ)がストーカーに殺された事件現場でした。参加メンバーは、天達の高校時代の友人である橘高勝(佐々木蔵之介)と蔦薫平(池内万作)、そして蔦がネットで知り合ったというミステリー好きの男性2人。天達は、整に「嘘をつく人がいるだろうから見ておいてほしい」、風呂光には「嘘をつかない人がいるだろうから見ておいてほしい」と、それぞれ頼んでいたのですが、ついに2人は答えを見つけ出します。

  • フジテレビの「ミステリと言う勿れ」番組サイトより
    フジテレビの「ミステリと言う勿れ」番組サイトより
  • フジテレビの「ミステリと言う勿れ」番組サイトより

罪の意識と親の介護...

   数々の矛盾した言動や嘘をつく時に鼻を触わるクセなどから、橘高が嘘をついていると見抜いた整。一方の風呂光も、皆が芝居のゲームをしている中で喜和の話題に出た際、橘高が激しく怒ったことに違和感を持ち、「事件に触れられたくなかったから、怒ったのでは」と指摘します。

   市役所で働いていた橘高は、初歩的なミスでストーカーに喜和の居場所を教えてしまい、慌てて駆けつけた時にはすでに喜和は亡くなっていた。罪の意識に苦しみながらも誰にも話せず、5年間にわたって事実を隠蔽してきた。これがストーカー事件の真相ですが、まだまだ続きがありました。

   罪の意識と親の介護、退屈な仕事に明け暮れる毎日にストレスを感じていた橘高は、ストーカーに被害者の居場所を教えるという行為でストレスを解消。それが原因で、複数の殺人事件を引き起こしてしまったのです。蔦がネットで知り合ったという男性2人は、実はこれらのストーカー事件を調べていた刑事。橘高の関与を疑い、天達と蔦に頼んで「ミステリの会」を計画したのでした。

   「これでやっと、動機がわかりました」。

   整は、橘高がミステリ会の参加者全員を「皆殺し」にする計画を立てていたことも見抜いていました。真相を知られることを恐れた橘高が、皆に復讐される恐怖から逃れるために「殺される前に殺す」計画を立てた。それが、整が見つけた「動機」でした。

   整が言うように、憎むべきはストーカーであり、犯罪に巻き込まれた橘高は「ケアされるべき立場」だった。自分のミスを受け入れられない潔癖さに加え、うまくいかない自分自身への苛立ち、さらには幸せそうな友人たちへの嫉妬が入り混じり、次々と罪を塗り重ねてしまった。橘高は、恐ろしくも悲しい殺人犯でした。

   SNSでは、「友人だから本当のことを言えばよかったと思うが、友人だから言えなかったのか」「プライドが高く真面目だからこそ自分が許せないという犯人をリアルに演じた、佐々木蔵之介さんの演技が圧巻だった」と反響を呼んでいました。

(Hibunny)