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「侵攻シナリオの分岐点」、防衛省識者が指摘するプーチンの次の作戦 羽鳥慎一「長期化か」

   「ウクライナの侵攻の開始からもう2か月が経ちましたけれども、ウクライナ東部と南部での攻防が激しさを増しています」と司会の羽鳥慎一。続けて「ロシア軍が『軍事作戦が第2段階に入った』と発表しています」と伝えた。25日(2022年4月)放送の「モーニングショー」は、ロシアによるウクライナ侵攻の新情報を伝えた。

   防衛省防衛研究所の高橋杉雄さんは「ドンバス地方、あるいはドネツク州北部でついに戦闘が始まった。この戦闘がどうなるかによってこの後の展開が変わってくる。言ってみれば、シナリオの分岐点に立っているというのが現状です。ここでロシアが大勝することになれば、ミコライウやオデーサの攻略が視野に入ってくるでしょうし、ウクライナがロシアの攻勢を退ければ、占領地の奪還が視野に入ってくるでしょう」と推測。

   さらに高橋さんは、「ちょっと気になることがある」と言うと、こう指摘した。

  • プーチン大統領
    プーチン大統領
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ロシアがウクライナ住民をも徴兵情報?「それだけ兵力不足に苦しむ」

「この戦争の中で、プーチン大統領は2度ほど大きな決断をしている。1つはキーウ攻略を諦めたということ。もう1つはアゾフスタリ製鉄所への突入を諦めたということ。(リスク回避の2つの決断を考えると)今行っている第2次の攻勢がある程度うまくいかなかった場合には、もしかして今占領している地域を維持していくことに作戦を切り替えていく可能性もあるかもしれない」

   番組は、「キーウで拙速な侵攻が失敗した教訓から、今回は攻撃前に戦力や補給体制の確保を入念に進めている」というアメリカ国防総省高官の発言や、「ロシアが占領した南部へルソンなどで、ロシア軍がウクライナの民間人の徴兵を計画している」というイギリス国防省の声明を紹介。

   これについて高橋さんは「敵側の住民を徴兵するということの意味が分からなかったのですが、いくつかの(方面から)この情報が流れてきているということは、実際にやろうとしているのでしょう。だとすると、それだけロシアが兵力不足に苦しんでいて、なりふりかまっていられなくなっているということ」と指摘した。

   羽鳥「今後の見通しですが、長期化するという指摘もあります」

   高橋氏「基本的には今の戦闘がどう転ぶかというのが大きいのですが、どちらに転んでも、長くて年内はかかると思います。湾岸戦争だって3か月はかかっているので、これだけの大規模な地上戦がそんなに早く片付くことはおそらくない。どちらかが戦場で決定的なミスをおかすなどしない限り、長い消耗戦になっていくと思います」

(ピノコ)