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知床遊覧船社長の会見 同業者が感じた「2つの疑問」

   北海道・知床半島沖で発生した観光船事故で、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)がきのう27日(2022年4月)、事故後初めて記者会見を開いた。28日の「THE TIME,」は会見について、「誰の判断でなぜ出航?」「安全管理に問題は?」「事故の原因は?」「遺族への説明」の4つのポイントに分けて、伝えた。

  • 「KAZU I」 運行会社・知床遊覧船のウェブサイトより
    「KAZU I」 運行会社・知床遊覧船のウェブサイトより
  • 「KAZU I」 運行会社・知床遊覧船のウェブサイトより

「THE TIME,」が伝えた会見内容

   斜里町で行われた記者会見は、2時間半に及んだ。冒頭、「この度はお騒がせして大変申し訳ございませんでした」と土下座した桂田社長は「海が荒れるようであれば引き返す『条件付き運航』ということを豊田氏(船長)と打ち合わせ、出航を決定しました」と経緯を説明。「お客様もこのような先端まで来て、できればちょっとでも走ってほしいというご要望がある」という事情も付け加え、「今となっては判断的には間違ったなと感じている」と述べた。

   同社の無線アンテナは故障しており、船に積むはずの衛星電話も修理に出していたという。社内の安全管理規定について欠航の条件となる数字をあげたものの、「これは私の経験値だと思います」と曖昧な説明もあった。

   事故の原因については「私の至らなさ」「事故の原因もわからない」。会見に先立って行われた遺族らへの説明会については「やり場のない感情も含め、私としては受け止めるだけの会見になってしまった。私が出来る限りのことをやってあげたい」などと話した。

   番組の岩永優樹ディレクターはきのう午後、この会見を地元の別の観光船の船長のAさんと一緒にテレビで見た。岩永ディレクターは斜里町から生中継で出演し、「『(Aさんは)本当にそうかなあ』と何度も首をかしげていました」。桂田社長は会見で、港で船を見送ったと話していたのだが、その時に港にいたというAさんは「社長は本当に現場にいて、そんなことをしていたかなあ」と疑問を抱いていたという。また、無線アンテナが破損して短くなっていたことについても、Aさんは「本当に気付かなかったのだろうか」と首をかしげていたという。

(キャンディ)