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お笑いのコンプラ縛りに皮肉?悲鳴? 現状を逆手に取った好企画 【水曜日のダウンタウン】

   「水曜日のダウンタウン」(TBS系)。この日(4月27日、2022年)の説は、「『帰宅したらトイレに鍵がかかってる』も結構怖い説」と「若手芸人コンプライアンスでがんじがらめにされても従わざるを得ない説」の2つだったが、ニューヨークのプレゼンした後者の説は今のテレビ界を皮肉ったようなところが面白かった。

  • テレビとコンプライアンスをめぐる現状は…(写真はイメージ)
    テレビとコンプライアンスをめぐる現状は…(写真はイメージ)
  • テレビとコンプライアンスをめぐる現状は…(写真はイメージ)

「こんなことがいつか現実にならないように」

   検証内容は「罰ゲーム」「コロナ対策」「下ネタ」「反社+α」の4つ。たとえば「罰ゲーム」では、体に電流を流されて「痛いっ」と叫んだパンサー尾形に対して、偽の番組スタッフに「ちょっと、『痛い』っていうのがコンプラにひっかかるみたいなんですよ」と言われ、「痛いなしで......そういう時代になったんですね。了解です」と尾形。さらに、蛙亭中野も、激辛麻婆豆腐を食べて汗だくにも関わらず、「辛い」と言わないで、と注意され、「辛い」の代わりに「ああ凄いのいた」「ああK点越え」と言い換えて言葉選びのセンスの良さで難局を乗り切った。

   結局のところ、説のとおり、若手みんな従わざるを得ないのか、と思っていたら、「反社+α」でのこと。

   「そいつどいつ」の「商店街ウォーカー」というニセのロケでのこと。店主にインタビューする際も、スタッフが「見た目がアレなんで、反社かどうかチェックして」と失礼なことを言い、さらに、鯛焼きの食レポでも、「頭からいくと残酷に見えるんで尻尾から」とか「中が見えると残酷に見えるかもしれないんで」などと無理難題を押し付けられる2人。

   徐々に坊主頭の市川刺身のイライラがつのり、顔つきもあきらかに変わってきた。それを見た相方の松本竹馬が「うちの相方、考えることを止めはじめています」とフォロー。スタッフが「何でですか?」とさらに火に油を注ぐようなことを言うから、「何がですか?じゃねえよ」とキレる。そして、「僕ら芸人なんで面白いことをしたいだけなんで。作ってる側はわかんないですけど、なんかもうマジつまんなくなってきたなって思いますね」と、コンプライアスを気にし過ぎるスタッフに不満をぶちまけた。

   それでもまだ、ネタバラしをせず、「ロケ、今日つまんなかったですか?」と言ってきたスタッフに、「どういう意味で言うてます?」「そっちの意図を先に言え」と怒りは収まらないようで。

   番組的には、「こんなことがいつか現実にならないように」と終わり、VTRあけにダウンタウン松本が、「最後、(市川)刺身が怒ってくれたのはちょっと嬉しかった」と。

   行き過ぎるコンプライアンス規制がテレビを面白くなくしている、という制作者たちの悲鳴にも聞こえた。

(大熊猫)