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<1年前のワイドショー> 大坂なおみ選手の「会見拒否」と「うつ告白」 TVコメント論調はこう変わった

   <1年前のワイドショー> 今年もテニスの全仏オープンが始まっていますが、昨(2021)年の大会では大坂なおみ選手の会見拒否問題が波紋を呼んでいました。

   大坂選手は開幕直前に「試合後の記者会見に一切応じない」と表明したのです。グランドスラム(全豪、全仏、全英、全米の4大大会)のルールでは、試合後30分以内に記者会見に出席しなければならないと定められていて、罰金覚悟の態度表明でした。

  • テニス界を越えて影響を及ぼした(写真はイメージ)
    テニス界を越えて影響を及ぼした(写真はイメージ)
  • テニス界を越えて影響を及ぼした(写真はイメージ)

1回戦勝利後の会見に姿を見せず...

   言葉通り、5月30日の1回戦で勝利した大坂選手は記者会見に姿を見せず、1万5000ドル(165万円=当時)の罰金を科せられる前代未聞の事態になったのです。

   (J-CAST)テレビウォッチ通信簿をみると、「記者・主催者も『歩み寄り』必要では? 大坂なおみ会見拒否で加藤浩次」(21年5月31日、日テレ系「スッキリ」)では、主催者グランドスラム・トーナメントの見解を取り上げ、「契約上の報道対応義務を果たさなかった」とし、さらに「違反を繰り返すと、(略)より厳しい制裁が科せられる可能性があります」と表明したとあります。

   そして翌6月1日、大坂選手は突然、全仏オープンを棄権するとSNSで表明しました。と同時に、2018年全米オープン以来、「うつ」に苦しんでいたと明かしました。 ワイドショーは一転、大坂選手に配慮するコメントが増えていきました。

   「会見拒否への制裁、見直す時期? 大坂なおみ『棄権』に『スッキリ』で論議」(同年6月1日)が、大坂選手がアップしたSNSの内容を詳しく取り上げています。

「試合で私を見た人なら、不安を和らげるためヘッドホンをしていることに気づくでしょう。私は人前で自然に話せず、(略)メディアと向き合い、できる限り最良の言葉で答えようとするとき、緊張しストレスを感じていました」

   「大坂なおみに『申し訳ない』 『うつ』告白うけ谷原章介」(同年6月1日、フジテレビ系「めざまし8」)は、MCの谷原章介さんが「記者会見で対話できるようにしてもらいたいと言ったのですが、つらい立場の人に申し訳ないことを言った」とあります。

   また、「大坂なおみ、『わがまま』じゃなかった 会見拒否に『切実な問題』」(同年6月1日、テレビ朝日系「モーニングショー」)では、玉川徹さんが「会見がセットという四角四面のあり方もどうなんだろうと思う」とコメントしたとあります。

   これを機に、アスリートが抱えるメンタルの問題に、配慮が広がっていきました。

   大坂選手はその後、7月の東京五輪に出場。開会式では最終聖火ランナーで登場し、存在感を示しました。今年の全仏オープンでは、5月23日の1回戦で敗退。4大大会で通算4度の優勝を誇る大坂選手ですが、まだ体調に波があるようです。

(コムギ)